2026-01-23 コメント投稿する ▼
2025年出生数66万人台へ 過去最少更新、想定より16年早い少子化進行
民間シンクタンクの日本総合研究所が2025年11月までに公表された人口動態統計をもとに試算したところ、2025年の出生数は前年比3.0%減の66万5000人程度となる見通しです。 2025年の婚姻数は前年から横ばいの48万5000組となる見通しです。 また、結婚しても子どもを持たない夫婦が増えています。
人口減少
2025年出生数、過去最少66万人台へ 10年連続減少、想定より16年早い少子化進行
厚生労働省が2026年1月23日に発表した人口動態統計の速報値によると、2025年1月から11月に生まれた赤ちゃんの数は前年同期比2.5%減の64万5255人でした。外国人を含む数値です。日本人だけの通年では、過去最少だった2024年の約68万人を下回り、66万人台となる見通しです。未婚・晩婚化が進むほか、子育て費用の高さなどを背景に、少子化に歯止めがかかっていない状況が浮き彫りになりました。
2024年は初の70万人割れ
2024年は外国人を除く出生数が68万6173人で、1899年の統計開始以降初めて70万人を下回りました。2025年はさらに減少する見込みで、10年連続で過去最少を更新する深刻な状況が続いています。
一方、2025年1月から11月の婚姻数は1.1%増の45万9096組でした。婚姻数は新型コロナウイルスの影響で大きく減った後、2024年は2年ぶりに増加しました。2025年も横ばいで推移しているものの、将来の出生数の下支えにつながるかは不透明です。
「66万人台って、少なすぎる。将来の日本は大丈夫なの?」
「結婚しても子どもを持たない選択をする夫婦が増えてるらしい」
「子育てにお金がかかりすぎる。給料が上がらないのに物価だけ上がって」
「保育園に入れないとか、仕事と育児の両立が難しいとか、課題が多すぎる」
「政府は少子化対策って言うけど、実感できる支援がない」
想定より16年早い少子化
国立社会保障・人口問題研究所が2023年に公表した将来推計人口では、2025年の出生数をメインシナリオの中位推計で74万9000人と見込んでいました。しかし、今回の見通しは66万人台となり、中位推計を8万人以上下回る結果となりました。
同研究所が「出生数66万人台」と想定していたのは2041年でした。少子化の進行は、およそ16年分も前倒しで現実化している計算になります。長期予測を追い越すスピードで進む人口減少は、修正では追いつかない段階に入りつつあります。
民間シンクタンクの日本総合研究所が2025年11月までに公表された人口動態統計をもとに試算したところ、2025年の出生数は前年比3.0%減の66万5000人程度となる見通しです。減少率は2022年から2024年の5%台から3%台に縮みましたが、依然として深刻なペースです。
婚姻数は横ばいでも出生数減少
2025年の婚姻数は前年から横ばいの48万5000組となる見通しです。婚姻数が下げ止まったようにみえるのは、若年人口の下げ止まりとコロナ禍で結婚が先送りされた反動的な動きが影響しています。
1990年代の10年間は、年間出生数がおよそ120万人で安定していました。この時期生まれた世代が、結婚が集中する20歳代後半から30歳代前半に差し掛かってきていることが、婚姻数の減少にブレーキとして作用しています。
しかし、若年人口や婚姻数が横ばいで推移しているにもかかわらず、出生数の減少に歯止めがかからない状況です。その背景には、結婚から出産までの期間の長期化と、有配偶出生率の低下があります。
結婚から第1子出産までの期間は2024年に平均2.8年となり、2020年以降長期化傾向が顕著です。足元の婚姻数横ばいによる出生数の下支え効果は、顕在化するのであれば2026年以降となります。
また、結婚しても子どもを持たない夫婦が増えています。日本総合研究所の藤波匠主席研究員は「若者の子どもを持つ意欲は低く、結婚しても子どもを持たない夫婦が増えている」と指摘しています。
少子化の背景
少子化の背景には、様々な問題が絡んでいます。仕事と育児が両立しにくいことや若年層の経済的な不安、そして価値観の変化などが挙げられます。
子育て費用の高さは、若い世代にとって大きな負担となっています。物価高が続く中、給料が上がらない状況で、子どもを持つことが「希望」より先に「リスク」として意識される社会構造が、数字として表面化しています。
また、保育園に入れない待機児童問題や育児休業を取りにくい職場環境など、仕事と育児の両立を難しくする要因も多くあります。女性が出産後も働き続けるためには、これらの課題を解決する必要があります。
さらに、未婚・晩婚化も少子化の大きな要因です。結婚しない選択をする人や、結婚する年齢が遅くなる人が増えています。出産適齢期を過ぎてから結婚するケースも多く、子どもを持つ機会が減少しています。
2026年は丙午の年
来年2026年は干支で60年に一度巡ってくる「丙午(ひのえうま)」の年にあたります。前回の丙午である1966年には、「この年に生まれた女性は気性が激しい」などの迷信が広まり、出生数が前年比で約25%も激減しました。
ベビーカレンダーが妊娠中・育児中のママ935人に行ったアンケート調査では、約8割が丙午の迷信を認知していました。しかし、「ただの迷信なので、気にする必要はない」が44.7%で最多となり、迷信そのものを過度に意識していない層が多いことがわかりました。
一方で、家族や周囲の人から「2026年の出産は避けたほうがいい」「女の子だと大変」といった言葉をかけられた経験がある人も12.4%いました。特に親・祖父母世代にネガティブなイメージが強く残っている様子がうかがえます。
現代において同規模の急減が起きる可能性は低いとみられていますが、SNSやメディアで丙午が話題化することで、「心理的な先送り」が一部で起きる可能性は否定できません。
政府の対応
経済や社会保障を支える現役世代の減少は避けられません。人手不足が深刻になり、医療や介護、行政サービスの安定運営も難しくなります。
政府は2025年11月、高市早苗首相をトップとする「人口戦略本部」を立ち上げました。子育て支援や少子化対策にとどまらず、地域産業の維持や人工知能の活用、外国人との共生など、人口減少を直視した対策が幅広い分野で求められています。
しかし、これまでの少子化対策が十分な効果を上げていないことは明らかです。子育て支援の拡充や、仕事と育児の両立支援、若年層の経済的な支援など、実効性のある政策が求められています。
将来への影響
出生数の減少は、社会のあらゆる面に影響を及ぼします。学校の統廃合、労働力不足、社会保障費の増大、地域経済の衰退など、様々な課題が顕在化します。
病院、保育所、学校、そして地域社会の将来像まで、この数字は静かに、しかし確実に影を落としていきます。少子化対策は待ったなしの状況です。
「子どもを増やす」政策から、「減る人口で社会を維持する」政策へ。舵は切られつつありますが、その転換は決して明るい決断ではありません。少子化に歯止めをかけるための抜本的な対策が、今こそ求められています。