2025-12-24 コメント投稿する ▼
観光庁が2025年1月6日に観光圏有識者会議開催へ訪日客6000万人目標も地方は観光公害に苦悩
観光庁は第3回観光圏有識者会議を開催し、訪日外国人旅行者数6000万人を目指す施策について議論します。しかし、地方へのインバウンド誘客は渋滞やゴミなどの観光公害をもたらし、インフラ整備には十数年かかるという課題が指摘されています。
2030年に6000万人目標も地方は悲鳴
観光庁は第3回観光圏の機能強化に係る有識者会議を開催します。2泊3日以上の滞在促進に向けた観光圏の機能強化について議論する予定です。政府は2030年までに訪日外国人旅行者数6000万人、消費額15兆円という野心的な目標を掲げています。
9月24日に開催された第2回会議では、インバウンドの受入れを経済成長や地域活性化につなげる意義に加えて、さらなる受入れに向けた国民の理解を得ることが重要だとの見解が示されました。しかし、この目標達成のための地方誘客策は、すでに深刻な問題を引き起こしています。
「観光客でバスに乗れなくなった。通勤に支障が出ている」
「ゴミのポイ捨てがひどくて景観が台無し。掃除の負担が大きすぎる」
「道路が狭いのに観光バスがどんどん来る。渋滞で救急車も通れない」
「静かな町だったのに騒音と混雑で住めなくなってきた」
「地価が上がって若い人が住めない。このままでは過疎化が進む」
経済効果の陰で広がる観光公害
観光客の増加は一見すると地域経済にプラスですが、その裏では深刻な観光公害が広がっています。京都や鎌倉、沖縄の石垣島、岐阜県の白川郷などでは、公共交通機関の混雑や交通渋滞が日常化しています。地域住民がバスに乗れない、通勤や通学に支障が出るといった事態が頻発しているのです。
ゴミ問題も深刻です。日本では街中にゴミ箱が少ないため、ゴミの持ち帰りがマナーとされていますが、海外からの観光客にはこの習慣が浸透していません。その結果、ゴミのポイ捨てや不法投棄が増加し、美しい景観が損なわれています。清掃にかかる人件費や費用も自治体の大きな負担となっています。
騒音や私有地への無断侵入、歴史的建造物への不適切な行為なども問題視されています。経済効果を計算する際、こうした観光公害による経済損失も加味して考えるべきです。清掃費用、交通インフラの維持管理費、住民の生活環境悪化による転出、地価高騰による若年層の流出など、負の経済効果は決して小さくありません。
インフラ整備は十数年単位の重荷
観光客の急増に対応するためのインフラ整備には、膨大な時間とコストがかかります。道路の拡幅、公共交通機関の増便、駐車場の整備、公衆トイレの設置、ゴミ処理施設の拡充など、必要な施設は数多くあります。しかし、こうしたインフラ整備は計画から完成まで早くても十数年かかることが一般的です。
都市計画の策定、用地買収、設計、建設工事といった各段階で時間を要します。その間、地域住民は観光公害に耐え続けなければなりません。しかも、インフラ整備の費用は主に地方自治体の財政から支出されます。財政力の弱い地方自治体にとって、この負担は極めて重く、地域経済や住民生活に多大な負担をかけることになります。
さらに問題なのは、インフラが完成する頃には観光ブームが終わっている可能性があることです。流行に左右されやすい観光需要に合わせて巨額の投資をすることは、将来的に過剰投資となるリスクを抱えています。
住民理解なき観光振興の限界
政府は国民の理解を得ることが重要だとしていますが、現状では理解を得られているとは言い難い状況です。観光収入の多くは観光業者や宿泊施設に流れ、地域住民が直接的な恩恵を受けることは限られています。一方で、渋滞やゴミ、騒音といった負担は住民が背負わされています。
持続可能な観光を実現するためには、観光客の数を適切に管理し、受入れ能力を超えない範囲でコントロールする必要があります。入域料の導入、事前予約制の実施、混雑時期の分散化など、すでに一部の自治体では対策が始まっていますが、全国的な取り組みには至っていません。
6000万人という数値目標ありきではなく、地域の実情に応じた受入れ体制を整え、住民の生活を守りながら観光振興を進める政策が求められています。
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