2025-12-23 コメント投稿する ▼
生活保護費月1000円増額へ、2026年10月から物価高対策で特例加算拡充
政府は2025年12月23日、長引く物価高への対策として、生活保護費の特例加算を来年10月から月額1000円増額し、月2500円とする方針を固めました。現在月額1500円となっている特例加算に500円を上乗せすることで、生活に困窮する世帯の家計負担軽減を図ります。
物価高が深刻化する中での生活保護世帯の窮状
2020年から続く物価高騰は、生活保護世帯に深刻な影響を与えています。弁護士の試算によると、生活扶助の支出品目に限った物価上昇率は4年で12%に達し、全国の消費者物価指数の同期平均8.5%を大きく上回っています。特に食材費や光熱費の値上がりは、最低限の生活を送る受給者にとって深刻な負担となっています。
4月の都区部の平均小売価格が4770円(5キログラム)で過去最高となったコメをはじめ、物価高の勢いは衰えていません。生活保護を受ける人々からは「1日1000円でやりくりしていたが、この物価高騰で1300円は必要」「空腹時には水を飲むくらいしかできない」といった切実な声が上がっています。
「食料品の値上がりが止まらない。缶詰のサイズが小さくなった」
「米は昨年暮れから500円位上がった。夏の電気代を考えると怖い」
「物価高で生活が苦しく水だけで過ごす日もある」
「持病がありバランスの良い食事をとりたいができない」
「今の生活保護基準では、やりくりするのが厳しすぎる」
特例加算の変遷と2026年度からの新たな措置
生活保護の特例加算は2023年度に月額1000円で開始されました。その後、物価高の継続を受けて2025年度には500円を上乗せし、月額1500円としていました。今回の政府方針により、2026年度からはさらに1000円増額され、特例加算は月額2500円となります。
この措置は生活保護費のうち、食費や光熱費など日常生活に充てる「生活扶助」が対象となります。厚生労働省は、前回の措置時から一定期間が経過し、その間も物価・賃金などが上昇基調にあることを背景として消費が緩やかに増加していることも考慮したと説明しています。
受給世帯の現状と高齢化の進行
2025年7月時点での生活保護の被保護実人員数は1,990,093人となり、対前年同月と比べて23,234人減少(1.2%減)しました。一方で、昨年12月時点の保護世帯数164万3111世帯のうち、高齢者世帯は90万2810世帯で、割合にすると54.9%を占めています。
特に注目すべきは年金受給額と保護費の逆転現象です。国民年金(老齢基礎年金)の満額は、2025年度で月額6万9308円の一方、東京都の保護費の目安は月額13万円程度となっており、貯蓄のない高齢者世代が生活保護に頼らざるを得ない状況が続いています。
財政への影響と今後の課題
生活保護費は国が4分の3、地方自治体が4分の1を負担する仕組みとなっています。2023年度の生活保護費等負担金は28,301億円(うち生活扶助:8,165億円)に上ります。
今回の加算の実施は10月から行われ、増額分は僅か20億円とされていますが、長期的な物価上昇への対応としては不十分との指摘もあります。約94万世帯が増額対象となり、全世帯に占める割合は約6割と見込まれており、残り4割の世帯については据置きとなる見通しです。
この措置は2年間の時限的な対応とされており、2027年度以降については社会経済の状況を見ながら改めて検討することになっています。継続的な物価上昇への対応と財政負担のバランスをどう取るかが、今後の重要な課題となります。