高市早苗政権の超富裕層課税強化方針30億円から引き下げで1億円の壁是正へ本格始動

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高市早苗政権の超富裕層課税強化方針30億円から引き下げで1億円の壁是正へ本格始動

超富裕層への課税強化拡大で「1億円の壁」崩壊へ。 与野党6党は2025年10月末に暫定税率廃止で合意しており、その財源確保策として超富裕層への課税強化が位置付けられています。 アメリカでは0%、15%、20%の三段階制度を採用していますが、いずれの国でも超富裕層の実質税負担率低下が問題視されています。

税制格差是正の本格始動


超富裕層への課税強化拡大で「1億円の壁」崩壊へ

高市早苗政権が2026年度税制改正で超富裕層への課税強化を大幅に拡大する方向で調整に入りました。現在年30億円超の所得者約200~300人に限定されている追加課税制度を、所得基準の引き下げによって対象者を大幅に拡大する方針です。この改正により、富裕層ほど税負担率が下がる「1億円の壁」問題の本格的な是正に踏み出すことになります。

現行制度では、年間合計所得から特別控除額3.3億円を差し引いて税率22.5%をかけた金額が通常の所得税額を上回る場合、その差額を追加納税する仕組みとなっています。政府・与党は特別控除額の減額や税率引き上げのいずれかの手法で、実質的に追加課税が始まる所得水準を30億円から引き下げることを検討しています。

この改正の背景には、ガソリン税と軽油引取税の暫定税率廃止による年1.5兆円の税収減があります。与野党6党は2025年10月末に暫定税率廃止で合意しており、その財源確保策として超富裕層への課税強化が位置付けられています。

税制の逆転現象が生む不公平


日本の所得税制における「1億円の壁」は、税負担の公平性を根底から揺るがす深刻な問題です。給与所得は金額に応じて住民税を含めた税率が最大55%まで累進的に上昇しますが、株式売却益などの金融所得は一律20.315%の分離課税となっています。

財務省のデータによると、年間所得5000万円~1億円層の平均税負担率は25.9%ですが、10億円~20億円層では20.1%まで低下します。これは金融所得の割合が高い富裕層ほど、全体の税負担率が逆に下がるという逆転現象を示しています。

2020年分の申告所得税標本調査では、合計所得1億円超の納税者の総所得約5.6兆円のうち、給与所得は19.3%に過ぎず、非上場株式等の譲渡所得等が27.4%、分離長期譲渡所得が21.3%を占めていました。つまり超富裕層の所得の大部分が、低税率の金融所得で構成されているのが実情です。

「年収1億円以上の人が一番税率が低いなんておかしい」
「働いている人より投資家のほうが税金安いって何なの」
「金持ちほど優遇される税制なんて納得いかない」
「サラリーマンだけ高い税率って不公平すぎる」
「これで格差是正になるならどんどんやってほしい」

諸外国との比較で見る日本の課題


この問題は日本だけでなく、欧米諸国でも共通の課題となっています。イギリス、フランス、ドイツの金融所得課税率はそれぞれ最高20%、分離課税12.8%、同26.375%と、所得税最高税率45%に比べて大幅に低く設定されています。アメリカでは0%、15%、20%の三段階制度を採用していますが、いずれの国でも超富裕層の実質税負担率低下が問題視されています。

国際的な富裕層課税強化の流れも無視できません。OECD諸国では格差是正と税負担の公平性確保の観点から、富裕層への課税適正化が重要な政策課題となっています。日本も国際協調の観点から、この分野での取り組み強化が求められている状況です。

世界各国では所得の下位99.9%までは高所得ほど税負担率が上昇する一方、上位0.1%の超富裕層では逆に高所得ほど負担率が下がる現象が確認されています。これは民主的な税制設計の根幹を揺るがす重大な問題として認識されています。

市場への影響と政策的配慮


課税強化の拡大には慎重な配慮も必要です。対象を急激に広げすぎれば、投資家心理を冷やして株式市場の株価下落を招くリスクがあります。実際に2021年の岸田文雄首相(当時)の金融所得課税見直し発言時には、市場が軟調に転じ「岸田ショック」と呼ばれる現象が発生しました。

政府・与党は減額幅や税率引き上げ幅などの詳細を年内の与党税制改正大綱取りまとめに向けて慎重に検討する予定です。一般投資家の投資環境への配慮と、税負担の公平性確保のバランスを取ることが重要な課題となります。

現行制度導入時の2023年度税制改正でも、市場への影響を最小限に抑えるため、対象を年30億円超の超富裕層に限定していました。今回の拡大でも同様の配慮が求められる状況です。

財源確保と税制改革の新局面


暫定税率廃止による税収減の穴埋めとして期待される超富裕層課税強化ですが、その増収効果は限定的との指摘もあります。対象者数が仮に数倍に増えたとしても、1.5兆円の財源不足を完全に補うことは困難で、他の財源確保策も必要になる可能性が高いとされています。

それでも税制の公平性確保という観点では、この改正は重要な意味を持ちます。所得再分配機能の強化と格差是正への取り組みとして、国民的な支持を得られる可能性があります。特に物価高に苦しむ中間層以下の国民にとって、富裕層の適正な税負担は切実な関心事となっています。

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2025-12-05 15:45:30(藤田)

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