2025-11-28 コメント投稿する ▼
国家公務員男性育休85.9%でも少子化悪化、効果なき制度見直し急務の現実
育休の取得率は女性が8割超であるのに対して男性は14%程度と低く、しかも取得期間の多くが2週間未満と短いという民間企業の実態と比較すれば、国家公務員の85.9%という数字は確かに高いものの、平均期間の短さが本質的な問題解決に至っていないことを示しています。
男性育休85.9%でも効果ゼロ
国家公務員記録更新が映す制度の根本的矛盾
人事院が2025年11月28日に発表した国家公務員の育児休業取得状況で、男性職員の取得率は前年度比5.0ポイント増の85.9%となり、過去最高を更新したことが明らかになりました。しかし、この数字の裏に隠された現実を冷静に分析すると、少子化対策とジェンダー平等という制度本来の目的が全く達成されていない実態が浮き彫りになります。
短期取得の実態が物語る制度の形骸化
育休の平均期間は男性が2.6カ月、女性は16.4カ月。男性の取得期間で最も多いのは「2週間以上1カ月以下」の40.9%だが、前年度比では5.4ポイント減となったという状況です。一方で「1カ月超3カ月以下」は28.1%で、こちらは同3.3ポイント増えたものの、依然として短期取得が主流であることに変わりはありません。
この現実が示しているのは、男性育休が「とりあえず取った」というアリバイづくりの域を出ていないということです。女性の16.4カ月に対して男性の2.6カ月という圧倒的な格差は、根本的なジェンダー平等の実現からはほど遠い状況と言わざるを得ません。
国民の生の声を聞いても、制度への疑問が浮き彫りになります。
「2週間だけ休んで何の意味があるの?女性の負担軽減になってない」
「85%も取得してるのに出生率は下がり続けてる。効果ないじゃん」
「育休取得率ばかり上がって、実際の育児分担は変わらない。数字のトリックでしょ」
「税金使って意味のない制度を続けるなら、他の少子化対策に回すべき」
「男性の平均2.6カ月、女性16.4カ月って、これでジェンダー平等?笑わせる」
少子化対策としての効果は皆無
最も深刻な問題は、男性育休取得率の向上と少子化対策の効果に全く相関関係が見られないことです。出生数が80万人を割り込んだ今という深刻な状況下で、合計特殊出生率1.20という衝撃的な数字が発表されている現実があります。
子どもがいる夫婦において夫の休日の家事・育児時間が長いと第2子以降の出生率が高いというデータもあり確かに存在しますが、2週間程度の短期育休では継続的な育児参画につながらないのが現実です。
過去10年で夫婦がそれぞれ「家事・育児」に費やす時間に大きな変化は見られず、女性が主にそれらを担う状況にあるという状況こそが、制度の実効性のなさを如実に物語っています。
ジェンダー平等の名ばかりの現実
ジェンダー平等の観点から見ても、制度の効果には大きな疑問があります。出産後に女性の賃金は半減するというデータもある中で、依然として「ワンオペ育児」は解消されていないのが実情です。
育休の取得率は女性が8割超であるのに対して男性は14%程度と低く、しかも取得期間の多くが2週間未満と短いという民間企業の実態と比較すれば、国家公務員の85.9%という数字は確かに高いものの、平均期間の短さが本質的な問題解決に至っていないことを示しています。
制度見直しが急務な理由
現在の男性育休制度は、数字の見た目だけを良くするためのパフォーマンス政策と化している可能性が高いと言えます。取得率が50%未満程度までは取得率とともに1カ月以上の中長期での取得者がいる割合も増えるが、それ以上の高い水準の取得率では逆に中長期の取得者がいる割合が少なくなるという調査結果は、取得率向上だけを目的とした施策の限界を示しています。
男性の育休取得の促進は、まずは従業員に制度を周知することからのスタートであること、その上で、男性が上司に対して感じる気兼ねを軽減させる必要があるという指摘もありますが、根本的な問題はもっと深いところにあります。
真に必要な政策への転換を
限られた予算と政策資源を有効活用するためには、効果の検証できない制度への固執をやめ、より実効性のある少子化対策に集中すべきです。給付を増額するといった単純な経済的支援だけでは、深刻な少子化の問題は簡単に解決しないのではないかという指摘と同様に、形だけの男性育休制度でも問題解決には至りません。
国家公務員で85.9%という高い取得率を誇りながら、依然として出生率が低下し続け、ジェンダー格差も解消されていない現実は、この制度が既に役割を終えていることを示しています。政策の抜本的な見直しと、より効果的な少子化対策・男女共同参画施策への転換が急務となっています。