2025-12-01 コメント投稿する ▼
中国の分析機関による国際監視参加でALPS処理水の透明性確保へ前進
中国政府が東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水海洋放出を理由に日本産水産物の輸入停止を続ける中、中国の分析機関が国際原子力機関(IAEA)の枠組みでの追加的モニタリングに参加するため来日することが明らかになりました。
中国政府が東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水海洋放出を理由に日本産水産物の輸入停止を続ける中、中国の分析機関が国際原子力機関(IAEA)の枠組みでの追加的モニタリングに参加するため来日することが明らかになりました。この動きは2024年9月に日本とIAEAが合意した透明性向上のための取り組みの一環として実施されるものです。
IAEA主導の国際モニタリング体制
共同海洋試料採取にはIAEA海洋環境研究所の専門家に加え、IAEAから指名された韓国、スイス、中国の分析機関の専門家が参加します。今回のモニタリングは12月5日に試料採取が行われる予定で、東京電力福島第一原子力発電所周辺の海洋試料をIAEAと共同で採取、分割し、IAEA及び国内外の各分析機関が個別に分析を行い、IAEAが分析結果の比較評価を行います。
これまでの経緯として、日本は国際原子力機関(IAEA)の枠組み下で、海洋放出の重要な段階をカバーする長期的国際的モニタリングが構築されることを歓迎し、中国など全てのステークホルダー国がこれに有効に参加し、参加国による独立したサンプリングや分析機関間比較が実施されることを確保することで2024年9月に合意していました。
「国際的な第三者機関の監視があれば安心できる」
「中国も参加するなら客観的なデータが期待できそう」
「透明性が高まるのは良いことだと思う」
「科学的根拠に基づいて判断してもらいたい」
「長期的なモニタリングで安全性を確認してほしい」
中国の輸入停止が日本水産業に深刻な打撃
中国は2023年8月24日のALPS処理水海洋放出開始と同時に原産地を日本とする水産物(食用水生動物を含む)の輸入を全面的に停止している状況が続いています。この措置により日本の水産業界は甚大な被害を受けており、中国への水産物輸出額は2022年比で2023年は30%、2024年は93%減少しました。
特に深刻な影響を受けているのがホタテ産業で、2022年の中国向け水産物の輸出額をランキングにしてみると、467億円でホタテが第1位、続いてナマコが79億円で第2位、40億円でカツオ・マグロ類が第3位という結果になります。中国は日本の水産物輸出において最大の相手国であり、中国への水産物輸出額は871億円、香港は755億円と報告されています状況でした。
今後の展望と政府対応
政府として万全を尽くしてまいります。そして、それに加えて、政府は状況に応じて、臨機応変に支援を講ずることとしてきましたとして、岸田文雄首相(当時)は2023年8月に水産業支援策を発表していました。
今回の国際モニタリングへの中国参加について、原子力規制委員会の山中伸介委員長は「IAEAの客観的モニタリングについて、中国も含めた第三者が加わったことで、より中立性、透明性、公平性が高まった」と期待を寄せたとしています。
一方で中国側は一貫して処理水を「汚染水」と表現し続けており、IAEAの報告書は日本が海洋放出を行うための「許可証」にはなり得ないと考えるとの立場を維持しています。しかし、今回のモニタリング参加により科学的データに基づく客観的な評価が期待されています。