2025-11-20 コメント投稿する ▼
高市政権、タリバン支配アフガンに8億円支援決定 女性経済自立促進でUNDP連携
2024年11月18日、アフガニスタンの首都カブールにおいて、岡田隆在アフガニスタン・イスラム共和国日本国大使とスティーブン・ロドリゲス国際連合開発計画(UNDP)アフガニスタン事務所代表との間で、供与額8.64億円の無償資金協力「国境地域における経済活動の促進による女性の生計向上計画(UNDP連携)」に関する書簡の署名・交換が実施されました。
タリバン支配下での女性支援に8億円超の資金協力
2024年11月18日、アフガニスタンの首都カブールにおいて、岡田隆在アフガニスタン・イスラム共和国日本国大使とスティーブン・ロドリゲス国際連合開発計画(UNDP)アフガニスタン事務所代表との間で、供与額8.64億円の無償資金協力「国境地域における経済活動の促進による女性の生計向上計画(UNDP連携)」に関する書簡の署名・交換が実施されました。
この支援は、国外市場へのアクセスに優位性がある国境隣接地域において、女性が営む中小零細事業者に対する経済活動拠点の整備、金融アクセス改善及びコミュニティ啓発を実施するものです。対象地域はバルフ県、タハール県、バダフシャーン県、パクティカ県の4県で、実施期間は24カ月を予定しています。
外務省の見解によると、アフガニスタンでは長期にわたる経済活動の低迷により失業率が増加しており、特に女性は就業・就労が厳しい状況にあり、女性が営む中小零細事業の多くが停滞する国内経済活動による影響を受け深刻な経済状況に置かれているとしています。
タリバンによる女性への人権抑圧が深刻化
2021年8月にタリバンが政権を再掌握して以来、アフガニスタンの女性と女児の人権状況は劇的に悪化しています。タリバンは女性と少女の自治、権利、日常生活を直接的な標的とする少なくとも70の法令や指令を発しているとされ、女性に対する教育やほとんどの職業を禁止し、公園、ジム、スポーツクラブなどの公共の場からも女性を締め出しています。
2022年3月には少女の中学校への入学が禁止され、同年12月には大学への入学も停止されました。さらに2022年12月末には女性のNGOでの就労が禁止となり、2023年4月には国連機関での女性の勤務も認めないと告知されました。これらの措置により、学齢期の少女と若い女性の80%が学校に通えなくなり、110万人の中等教育就学年齢の少女を含む深刻な教育機会の剥奪が発生しています。
国連ウィメンの分析によると、2026年までに110万人の少女が学校に通えず、10万人以上の女性が大学に通えなくなることで、早産率が45%増加し、妊産婦死亡リスクが少なくとも50%増加することが予測されています。
国際社会による人道支援継続の重要性
アフガニスタンでは現在、人口の半数以上にあたる約2,370万人が人道支援を必要とするかつてない危機的状況に陥っています。長年の戦争に加え、干ばつ、洪水、食糧危機、人口移動、限られた保健システム、不安定な経済が相互に絡み合い、特に女性や子ども、貧困層のいのちと健康が脅かされています。
UNDPのハジアリッチ秀子駐日代表は今回の支援について、「UNDPはJICAとのパートナーシップを継続し、女性起業家の金融、スキル、そして市場へのアクセスを一層強化し、彼女たちの経済的レジリエンスとエンパワーメントの向上に貢献できることを誇りに思います」と述べています。
この無償資金協力はタリバン政権への直接支援ではなく、国際機関を通じた人道支援として位置づけられており、政治的承認とは別次元での人道的観点からの支援として実施されます。現在、タリバン政権を正式に承認している国はありませんが、日本、中国、インドなど16カ国が在アフガン大使館を設置し、人道支援を継続しています。
高市政権の対外援助方針と国益重視政策
今回の支援は、高市政権が掲げる国益を重視した外交政策の一環として、人道支援を通じた国際貢献を継続する姿勢を示すものです。高市政権は防衛力強化と並行して、戦略的な対外援助により日本の国際的地位向上を図る方針を打ち出しており、アフガニスタンへの支援もその一環として位置づけられています。
この支援により、女性の経済活動が活性化されることで、タリバン政権下でも女性の基本的人権の一部が保護され、将来的な政治情勢の変化に備えた社会基盤の維持が期待されています。また、国際機関との連携を通じた多層的な支援体制の構築により、日本の人道外交における影響力拡大も図られる見通しです。