2025-11-18 コメント投稿する ▼
台湾人団体ら「高市発言は正当」共同声明、中国の歴史的侵略を批判
在日中国大使館は11日、台湾有事が「存立危機事態」に該当し得るとの高市早苗首相の国会答弁について、「日本の軍国主義は『存立の危機』を口実に幾度も対外侵略を行った」とX(旧ツイッター)に投稿し、日本を非難したほか、満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件に触れ、「日本が同じ過ちを繰り返そうとしているのではないかと疑わざるを得ない」と訴えています。
台湾人団体など「何ら問題ない」と支持声明、高市首相の存立危機事態答弁を評価
在日台湾人の「在日台湾同郷会」などが2025年11月18日、高市早苗首相による台湾有事を巡る「存立危機事態」答弁について「何ら問題はない」とする共同声明を発表しました。チベット、ウイグル、南モンゴル、香港、漢民族の各団体とともに、中国の専制主義的な体制に反対する立場から高市発言を支持する姿勢を明確にしました。
中国の歴史的侵略パターンを批判
声明では、高市早苗首相が7日、台湾が武力攻撃を受けた場合は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」にあたる可能性が高いと国会で明言したことについて、「日本および周辺諸国の安全保障に関しての仮定の議論の中で発せられた見解で、何ら問題があるものではない」と指摘しました。
台湾については「主権は台湾に住む国民にある。中華人民共和国は台湾を支配したことは一日もなく、中国が台湾の主権を主張したいならば、根拠を明確にし、台湾人の同意を得られるよう努力すべき」と主張しています。
さらに、1949年の中国建国後の歴史について、南モンゴル(内モンゴル自治区)、東トルキスタン(ウイグル)、チベットに対する武力による併合、香港に高度な自治を認める「一国二制度」の反故を例に挙げ「権力の空白が生じた間隙を突いて侵略を繰り返した」と振り返りました。
「台湾の主権は台湾の人たちにあるはず」
「中国が武力で台湾を攻めなければ問題は起きない」
「ウイグルやチベットと同じことが台湾で起きてはいけない」
「日本の首相が台湾を守ると言ってくれて心強い」
「中国の反発がかえって高市首相の発言が正しいことを証明している」
中国の反発激化で日中関係悪化
高市首相の発言に対し、中国側は激しく反発しています。在日中国大使館は11日、台湾有事が「存立危機事態」に該当し得るとの高市早苗首相の国会答弁について、「日本の軍国主義は『存立の危機』を口実に幾度も対外侵略を行った」とX(旧ツイッター)に投稿し、日本を非難したほか、満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件に触れ、「日本が同じ過ちを繰り返そうとしているのではないかと疑わざるを得ない」と訴えています。
また、中国側は「日本の指導者が台湾に関して露骨な挑発的発言を行った」と主張。「日中間の交流の雰囲気を著しく損ない、日本国内の中国人の身の安全に重大なリスクをもたらしている」と述べ、日本への渡航自粛まで呼びかける事態に発展しています。
専制国家への一致した対処を要求
共同声明では「中国が現状変更を目論んで武力による攻撃を行わなければ、日本が存立危機事態に陥ることはなく、自衛隊を派遣する必要もない」と強調し、問題の本質は中国の軍事的脅威にあることを明確にしています。
そのうえで「自由と民主という価値観を共有する各国に対しては、武力によって現状を変更しようとする専制国家に対して、一致して対処するよう求めます」と訴えました。この呼びかけは、中華人民共和国は建国してからの70年、暴虐の限りを尽くしてきた。国内では、大躍進政策、文化大革命、六四天安門事件など、数千万人が命を落としています。そしてウイグル、チベット、南モンゴルの諸国を侵略し、文化の破壊、宗教の否定、言語の禁止、民族浄化を行っていますという歴史的な文脈に基づいています。
多様な民族・地域団体が結束
今回の共同声明に参加した団体は、在日台湾同郷会、反暴政アライ・台湾、在日チベット人コミュニティ、Students for a Free Tibet Japan、日本ウイグル協会、南モンゴルクリルタイ、世界モンゴル人連盟、内モンゴル人民党、Stand with HK@JPN、Lady Liberty Hong Kong、民主中国陣線、アジア自由民主連帯協議会となっています。
これらの団体は、それぞれが中国による人権弾圧や文化破壊の当事者であり、中国が掲げる「中華民族」という政治スローガンのもと、チベット、東トルキスタン(ウイグル)、南モンゴル(内モンゴル)に代表される民族文化の否定、弾圧は五十年以上続いている現状に対して共同で声を上げています。
米国も台湾海峡の平和に関与表明
一方、米国務省の報道担当者は12日、高市早苗首相が「台湾有事は存立危機事態になり得る」と答弁したことを踏まえて声明を出した。「米国は台湾海峡の平和と安定の維持に関与している。(中台)双方からのいかなる一方的な現状変更にも反対する」と表明したことで、国際的にも台湾問題への関心が高まっています。
台湾人をはじめとする在日の各民族団体による今回の共同声明は、高市首相の発言が単なる日中間の外交問題ではなく、専制主義と民主主義の根本的な価値観の対立を反映していることを示しています。中国の反発が激化する中で、自由と人権を重視する各民族・地域の人々が結束して声を上げた意義は大きいといえるでしょう。