2025-11-20 コメント投稿する ▼
議員歳費5万円増額で調整、維新「身を切る改革」は?国民負担増の中で政治家優遇
自民・維新が議員歳費5万円増で調整、「身を切る改革」はどこへ、国民負担増の中で政治家優遇への批判噴出。 現在月額129万4千円の歳費を134万4千円に引き上げる歳費法改正案の今国会提出を目指している。 物価高で国民生活が困窮する中での政治家優遇策に批判の声が高まっている。 維新は「身を切る改革」を党是として掲げながらも、今回の増額に合意する姿勢を示している。
国会議員の歳費を月額5万円増額する方針を自民党と日本維新の会が検討していることが明らかになった。現在月額129万4千円の歳費を134万4千円に引き上げる歳費法改正案の今国会提出を目指している。物価高で国民生活が困窮する中での政治家優遇策に批判の声が高まっている。
「身を切る改革」を掲げる維新が歳費増に合意
2025年11月20日、複数の自民党・維新関係者が歳費引き上げの協議を進めていることを明らかにした。引き上げが実現すれば1999年以来26年ぶりとなる。維新は「身を切る改革」を党是として掲げながらも、今回の増額に合意する姿勢を示している。
維新への配慮として引き上げ時期は次の国政選挙後に先送りする方針で、2028年7月の参院選末日か衆院解散のいずれか早い日まで現行額を据え置く。これは維新の看板政策である「身を切る改革」との整合性を図るための苦肉の策とみられる。
背景には国家公務員特別職の月額給与引き上げがある。政府は2025年度の国家公務員給与を4年連続で引き上げる人事院勧告を受け入れており、民間の賃上げの流れを受けた判断とされている。
しかし、維新は従来から国会議員の歳費・定数の3割削減を主張してきた。同党の藤田文武共同代表は2025年10月の自民党との連立協議で議員定数の1割削減を条件として突きつけており、歳費増額との矛盾を指摘する声も上がっている。
物価高で苦しむ国民との格差拡大
現在の国会議員歳費は月額129万4千円で、年額1552万8千円となる。これに期末手当約635万円を加えると、年収は2187万8千円に上る。さらに調査研究広報滞在費月額100万円(年額1200万円)も支給されるため、実質的な年間収入は3千万円を超える水準にある。
一方、国民の実質賃金は24カ月連続でマイナスが続いており、物価高で生活は困窮している。国民負担率は45.8%に達し、国民の手取りは稼ぎの半分程度しか残らない状況だ。
「物価高で生活が苦しいのに政治家だけ給料アップなんてふざけている」
「維新の身を切る改革はただの選挙パフォーマンスだったのか」
「国民に増税を強いておいて自分たちは歳費増額とは許せない」
「数十年にわたる自民党政治の失策で国民が苦しんでいるのに」
「減税こそが必要なのに、政治家優遇ばかり進めている」
参政党など野党から厳しい批判
参政党は消費税の段階的廃止と国民負担率35%以内への縮減を掲げており、今回の歳費増額に強く反発している。同党議員は歳費の一部を党に納める規則を設けており、「国民の負担軽減こそ優先すべき」と批判を強めている。
共産党も歳費増額に反対の立場で、「最大の特権である政党助成金廃止こそ先行すべき」と主張している。政党助成金は年間約316億円が日本共産党以外の政党に配分されており、議員歳費よりもはるかに高額な政治家優遇策との指摘もある。
立憲民主党と国民民主党は衆院議院運営委員会に理事を出しており、両党の賛同が得られれば歳費法改正案の提出・成立の可能性が高まる。しかし、両党内にも慎重論があり、最終的な判断は流動的だ。
過去の歳費削減との矛盾
新型コロナウイルス感染拡大時には、国民生活への影響を踏まえて議員歳費の2割削減が実施された。2020年5月から1年間、月額103万5200円に減額され、議員1人当たり年額310万5600円の削減が行われた。
公明党は「国民に寄り添う姿勢」として歳費削減を推進し、「身を切る改革」の必要性を強調していた。今回の増額方針は、こうした過去の取り組みと矛盾する内容となっている。
また、2012年には東日本大震災の復興財源確保のため、議員歳費を2年間にわたって2割削減する時限措置が講じられた。国難の際には自ら身を切る姿勢を示してきた政治家が、国民生活が困窮する中で歳費増額を図る姿勢に疑問の声が上がっている。
企業団体献金問題との関連性
議員歳費増額の背景には、企業・団体献金禁止論への対応という側面もある。維新は企業・団体献金の全面禁止を主張しており、政治資金の透明性確保を求めている。歳費増額により政治家の基本収入を確保し、企業献金への依存度を下げる狙いがあるとみられる。
しかし、国民から見れば「企業献金をもらいながら歳費も増額する」という二重取りの構造に映る可能性がある。政治とカネの問題が継続する中で、政治家の待遇改善を優先する姿勢への批判は避けられない。
現在の物価高は明らかに数十年にわたる自民党政権の失策によるものであり、物価高対策として財政出動や減税は一刻の猶予も許されない。政治家の待遇改善よりも国民生活の改善を最優先とする政策転換が求められている。