2025-11-17 コメント: 1件 ▼
中国が在留邦人に危険警告レベルまで日中関係悪化
高市早苗首相氏の台湾有事発言をめぐる中国の反発が深刻化し、ついに在中国日本大使館が在留邦人に安全確保を呼びかける事態に発展しました。さらに中国は報復措置として「クレヨンしんちゃん」などの日本映画公開延期まで打ち出しており、日中関係が危機的状況に陥っています。
高市早苗首相氏の台湾有事発言をめぐり中国の反発が一段と激化している。2025年11月17日、在中国日本大使館は在留邦人に安全確保に努めるよう異例の呼びかけを行った。同日、中国メディアは「クレヨンしんちゃん」最新作をはじめとする日本映画の公開延期を報じ、高市首相氏の発言への報復措置が娯楽分野にまで拡大する事態となっている。
在中国日本大使館が発出した安全確保の呼びかけは、外出時に不審者の接近など周囲の状況に留意し、複数人で行動するよう求める内容だった。特に子連れの在留邦人には「十分な対策を取る」よう促している。大使館は大勢の人が集まる広場や多くの日本人が利用すると思われやすい場所は可能な限り避けるよう注意喚起した。少しでも不審な人物や集団を見かけた際は速やかにその場を離れるよう強く求めている。
こうした警告が発出された背景には、中国メディアによる連日の激しい対日批判がある。高市首相氏が2025年11月7日の衆議院予算委員会で台湾有事が集団的自衛権行使の根拠となる「存立危機事態」になり得ると答弁したことに対し、中国側は猛烈な反発を続けている。中国外務省は答弁の撤回を要求し、応じない場合は「一切の責任は日本側が負わなければならない」と威嚇的な発言まで行っている。
「クレヨンしんちゃん」公開延期という幼稚な報復
中国の対日圧力は政治・経済分野にとどまらず、娯楽産業にまで波及した。中国メディアは11月17日、「映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」と「はたらく細胞」の少なくとも2作品の公開が延期になったと報じた。前者は12月6日、後者は11月22日の公開予定だったが、新たな上映時期は未定となっている。
湖北省の政府系メディア「極目新聞」によると、映画配給会社は17日午後に公開を取りやめるよう「通知があった」という。これは明らかに高市首相氏の台湾有事答弁に対する政治的報復措置であり、子どもも楽しみにしているアニメ映画まで政治利用する中国政府の姿勢は極めて幼稚と言わざるを得ない。
興味深いのは、11月14日に公開された「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」はわずか4日間で興行収入4億元(約87億円)の大ヒットを記録していることだ。中国政府は都合よく選択的に日本コンテンツを規制しており、その場当たり的な対応が浮き彫りになっている。
「中国政府の幼稚な嫌がらせに呆れる。映画まで政治利用するなんて」
「在中邦人の安全が心配。早く帰国してほしい」
「クレヨンしんちゃんを政治の道具にするのは卑劣すぎる」
「中国の報復は予想通り。こんな国に投資する企業の気が知れない」
「日本企業は一日も早く中国から撤退すべきだ」
日本政府の対応と深刻化する日中関係
木原稔官房長官は中国側の一連の措置について「首脳間で確認した戦略的互恵関係の推進という大きな方向性と相いれない」と強く批判した。外務省の金井正彰アジア大洋州局長が11月17日に北京を訪問し、中国外務省の劉勁松アジア局長との協議に臨んだが、中国側の姿勢に変化は見られない。
中国外務省の毛寧報道官は同日、22日から23日に南アフリカで開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で李強首相と高市首相氏の会談は「予定がない」と明言した。中国政府が国際会議での首脳の個別会談について事前に否定するのは異例であり、対日圧力を国際社会に誇示する意図が透けて見える。
中国の報復措置は民間交流にも及んでいる。愛知県半田市では18日に予定されていた中国江蘇省徐州市政府代表団の表敬訪問が急遽中止された。2005年から毎年開催されてきた日中有識者による「東京―北京フォーラム」も中国側の通告により延期に追い込まれた。さらに中国の複数の旅行会社が日本行きツアーを相次いで中止し、中国教育省は日本留学について「慎重な検討」を求める通知まで発出している。
高市首相の正当な発言を支持する
今回の一連の事態において重要なのは、高市首相氏の発言は日本の安全保障上極めて当然かつ必要な内容だったことだ。台湾有事の際に日本が集団的自衛権を行使する可能性について言及することは、抑止力の観点からも適切である。中国が過剰反応を示していること自体が、中国の台湾侵攻意図を裏付けるものと言える。
中国は過去にも韓国の在韓米軍高高度防衛ミサイル(THAAD)配備への報復として、韓流コンテンツの流入を制限した前科がある。今回の「クレヨンしんちゃん」公開延期も同じ手法であり、中国政府が文化・娯楽を政治的道具として平然と利用する体質を改めて露呈した形だ。
こうした中国の姿勢は国際社会の常識から大きく逸脱している。政治的見解の相違を理由に子ども向けアニメ映画まで政治利用し、在外邦人の安全に懸念を抱かせるような行動は、責任ある大国の取るべき態度ではない。日本政府には引き続き毅然とした外交姿勢を求めたい。一方で、日本企業にはチャイナリスクを改めて認識し、中国依存からの脱却を加速させることが急務である。