2025-11-17 コメント投稿する ▼
中国外務省G20で高市首相との会談「予定なし」台湾発言巡り日中関係修復困難に
中国外務省報道官が2024年11月17日の定例記者会見で、今週末に南アフリカで開催されるG20サミットにおける李強首相と高市首相の会談について「予定はない」と明言しました。 さらに高市首相の台湾有事発言が「日中関係の政治的基盤に深刻な打撃を与えた」として、発言撤回を重ねて要求する強硬姿勢を示しています。
高市首相の台湾発言が引き金となった外交危機
今回の日中対立の発端は、2024年11月7日の衆院予算委員会で高市首相が「台湾とフィリピンの間の海峡が封鎖されたら、存立危機事態になるか」という立憲民主党の岡田克也議員の質問に対して、「戦艦を使い、武力行使を伴えばどう考えても存立危機事態になり得る」と答弁したことです。
存立危機事態の認定は、友好国を防衛するために日本が自衛隊を派遣する際の法的根拠となるため、重要な意味を持つ。高市氏の発言は、日本が従来採ってきた台湾有事への対応に関する戦略的あいまいさから外れるものでした。
この発言に対し中国側は激しく反発し、2024年11月13日には中国外務省の孫衛東次官が金杉憲治・駐中国大使を呼んで抗議し、発言の撤回を要求。撤回しない場合、「一切の責任は日本側が負わなければならない」と表明しています。
中国の対抗措置が日本社会に深刻な影響
中国政府は日本への対抗措置を段階的にエスカレートさせています。中国外務省は2024年11月14日夜、国民に日本訪問を当面控えるようSNSで注意喚起した。台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に対抗する狙いを明確にしています。
中国の大手航空会社は15日、自粛呼びかけを受け、日本行き航空券のキャンセルや変更に無料で応じると発表した。中国のSNSには「日本に行くのをやめた」「日本製品は買わない」といった書き込みが出始めたことで、日本の観光業界や関連産業に深刻な打撃を与える可能性が高まっています。
特に問題となったのは、中国の薛剣駐大阪総領事がSNSで「その汚い首を斬ってやる」などと投稿したことです。これは外交官として極めて不適切な発言であり、日本政府も強く抗議しています。
「中国のやり方はひどすぎる。外交とは思えない」
「総領事の発言は完全にアウト。こんな人が外交官なのか」
「観光に政治を持ち込むなんて、やり方が汚い」
「高市首相の発言は正当な防衛論議。中国こそ冷静になるべき」
「日中関係がここまで悪化するなんて、本当に残念」
G20での日中首脳会談実現は完全に絶望的
中国外務省の報道官は17日、李強首相が南アフリカで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて高市早苗首相と会談する予定はないと述べたことで、外交関係修復への道筋が完全に閉ざされたことが明確になりました。
中国外務省は13日、南アフリカのヨハネスブルクで22、23両日に開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に李強首相が出席すると発表した。習近平国家主席は欠席することが判明しています。
習近平主席のG20欠席は2回目となり、習氏が長期政権を築く中で、体力的な負担が大きい外遊の回数を絞りつつある可能性などが指摘されています。この状況で、中国が高市首相との会談を明確に拒否したことは、両国関係の深刻さを物語っています。
国民生活への深刻な影響と政治責任
中国は日本にとって最大の貿易相手国の一つであり、経済関係の悪化は日本経済全体に深刻な打撃を与えます。特に観光業界や中国向け輸出に依存する企業にとって、今回の事態は死活問題となる可能性があります。
現在の物価高対策が急務となっている中で、このような外交危機が続けば、経済政策の実行がさらに困難になることが予想されます。政府は減税を含む財政出動による物価高対策を一刻も早く実施する必要がありますが、外交問題の長期化は政策実行の妨げとなりかねません。
超異例と言える4選を目指す習近平総書記にとって、台湾統一に着手することは必須条件になるとの専門家の分析もあり、今後も中国側の強硬姿勢は継続すると予想されます。
G20サミットは本来、世界経済の安定と成長について協議する重要な国際会議です。しかし、今回のように二国間の政治対立が会議の枠組みを超えて影響を与える状況は、国際協調の観点からも深刻な問題です。日本政府は国益を守りつつ、建設的な外交解決策を模索する必要があります。