2025-11-11 コメント投稿する ▼
高市早苗政権、コメ政策を“先祖返り”減反へ 価格高止まりを容認
記事では、政府が「高値容認」の姿勢を見せつつ、消費者負担軽減策として「おこめ券」導入を打ち出したことも指摘されている。 次に、消費者価格が下がらないという構造的な問題だ。 政府は、コメ価格の高止まりを受けて、消費者支援策として「おこめ券」の導入を打ち出している。 物価高が長期化する中で、主食の価格が下がらないというのは経済政策として失敗である。
政策転換鮮明に 高市早苗政権でコメ政策“先祖返り”
2025年10月時点で、政府は主食用米の生産量を2025年産の見込み748万トンから、2026年産として711万トンに引き下げる方針を示した。これは、わずか数ヶ月前まで「増産」に舵を切る方針を掲げていたにもかかわらず、再び生産調整(いわゆる減反的政策)へ戻る動きである。
こうした方針転換の背景には、冒頭から価格が下がらない5 kg袋で4千円台半ばのコメ小売価格の高止まりや、農家に収益不安があるという政府側の認識がある。記事では、政府が「高値容認」の姿勢を見せつつ、消費者負担軽減策として「おこめ券」導入を打ち出したことも指摘されている。
だが、家計側から見れば主食が値下がらない中での「一時しのぎ」に過ぎず、本来求められるべき政策方向との乖離を浮き彫りにしている。
増産方針からの急旋回
今年8月、政府は長年の生産抑制政策を見直し、「増産に舵を切る」と明言した。
ところが、10月22日、鈴木憲和農林水産大臣(高市政権)は「需要に応じた生産が原則」として、事実上の減反に回帰する姿勢を示した。記事は「“需要に応じた生産”とは、従来の価格維持型の減反を指す」と分析している。
10月31日に提示された2026年産主食用米の需給見通しでは、生産量目安を711万トンと発表。2025年産から約5%の減産となっており、政府・与党の農政方針が「増産歓迎」から「再び生産抑制へ」という曲がり角を迎えた。記事でも「高値を容認しつつ、仕方なく収量を抑える構図」と見ている。
なぜこの転換が起きたか
まず、農家側の収益不安・暴落の恐れが大きく影響している。鈴木農水相も「生産現場はコメ余りになって米価が暴落するという心配がある」と述べており、農業選挙地盤を抱える農林族議員の思惑も絡んでいるとされる。
次に、消費者価格が下がらないという構造的な問題だ。仕入れ値・集荷価格の高止まり、流通の硬直性、在庫があっても価格を下げにくい状態などが重なっており、政府備蓄米の市場放出だけでは根本的な価格低下にはつながらないとの指摘がある。
つまり、「需要に応じた生産」という言葉を用いながらも、背後には価格を一定水準以上に維持して農家を守る構えが透けており、消費者視点からは「家計を圧迫する高米価を放置している」との批判が出ている。
「おこめ券」は焼け石に水か
政府は、コメ価格の高止まりを受けて、消費者支援策として「おこめ券」の導入を打ち出している。鈴木農水相は、「今の価格は手が届かないという声に応えるべきだ」として、価格補助に一定の理解を示した。
しかし、記事ではこの措置を「一時しのぎ」と断じている。根本的な価格構造変化を伴わない中では、券の給付だけでは消費者負担を軽減しきれない。農家だけが守られ、消費者が切り捨てられてはならないという観点から、私見としても減税・価格引き下げ政策を優先すべきと考える。
立場からの批判と提言
私は、今回の農政動向を見て明確に言えることは、「消費者負担を軽視している」という構図が浮かび上がっている点だ。生産者支援は重要だが、主食であるコメの価格を消費者がいつまでも高止まりで払わされるのは構造的な欠陥である。
減反や生産調整という形で供給を抑えて価格を維持する政策は、実質的には消費者が高い価格を支払い続けることを意味する。記事も言う通り、政府が「価格にコミットしない」と言いつつ、供給を抑えて価格を下げないという矛盾を抱えている。
私は次のように提言する。まず、政府は「コメの価格を下げる」という明確な目標を打ち出すべきだ。物価高が長期化する中で、主食の価格が下がらないというのは経済政策として失敗である。次に、流通・卸・集荷プロセスにおいて仕入れ価格・契約価格を透明化し、集荷競争が無制御に価格を吊り上げる構造を改革すべきだ。最後に、消費者支援を給付型(例:おこめ券)に頼るのではなく、税制・価格制度を通じて持続的に負担を軽くする政策=減税優先の視点が欠かせない。これは、私が減税優先を支持する立場から当然の主張である。
農家・流通・消費者という三者のバランスが崩れたまま政策を運営するならば、高止まり価格が常態化し、国民の食料費負担が増すだけである。
展望とリスク
今後、2026年産の生産量目安が実施されれば確実に供給は絞られ、価格高止まりが続く可能性が高い。また、輸入米の拡大など消費者の国産離れが進めば、国内農業基盤も長期的には危うくなる。記事でも専門家が「輸出拡大を目指しても価格競争力が低い国産米には限界がある」と述べている。
国家として「食料安全保障」を理由に供給を抑制するならば、国民に納得感を持たせる説明と対価が必要だ。そうでなければ、このままでは消費者負担の増加と農業寡占化の深化という二重のリスクを抱えることになる。
高市政権におけるコメ政策は、かつての減反政策への“先祖返り”とも言える方向に戻りつつある。増産を標榜したにもかかわらず、需要抑制型への転換、生産量目安の引き下げ、価格高止まりの容認、消費者支援を券型に頼るという構図には、多くの矛盾がある。主食であるコメの価格が下がらず、家計を圧迫し続ける中で、政府は真に「国民のための農政」を再設計しなければならない。私は、減税優先、価格引き下げ、透明な流通構造改革という観点から、一刻も早く対応を強めるべきだと確信する。