2025-11-07 コメント: 2件 ▼
高市早苗首相、台湾有事で「存立危機事態」認定に初言及 中国戦艦封鎖なら集団的自衛権行使
高市早苗首相は2025年11月7日の衆院予算委員会で、中国による台湾海上封鎖が発生した場合について、集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」に認定される可能性があることを具体的に明言しました。
台湾有事への具体的な事態認定に初言及
首相は台湾有事について、「例えば、台湾を完全に中国の支配下に置くようなことのためにどういう手段を使うか。それは単なるシーレーン(海上交通路)の封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれないし、いろいろなケースが考えられる」と詳細に説明しました。
その上で、「戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」と断言したのです。これは台湾有事に対する具体的なシナリオを想定した発言として、安全保障政策において重要な意味を持ちます。
「高市首相の発言は安倍さんの意思を継いでいる」
「台湾有事は本当に日本有事になるのか心配」
「存立危機事態の認定は重い判断だ」
「中国の海上封鎖なら確実に日本に影響する」
「政府の立場がようやく明確になった」
これまで政府は台湾有事が存立危機事態に該当するかについて、「いかなる事態が存立危機事態に該当するかは、個別具体的な状況に即し情報を総合して判断することとなるため、一概に述べることは困難」という慎重な答弁を繰り返してきました。今回の高市首相の発言は、この従来の立場から明らかに踏み出したものです。
存立危機事態とは何か
存立危機事態は「密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と定義されています。
これに加えて「他に適当な手段がないこと」「必要最小限度の実力行使にとどまること」の3要件を満たす場合に、集団的自衛権の行使が認められます。
この存立危機事態が認定されれば、日本は攻撃を受けていなくても、密接な関係にある他国を守るために自衛隊が武力を行使できるようになります。つまり、台湾防衛のために自衛隊が中国軍と交戦することが法的に可能となるのです。
安倍元首相の路線を継承
高市首相は2025年9月の自民党総裁選出馬時に、故安倍晋三元首相が2021年12月に台湾のシンクタンク主催フォーラムで述べた「台湾有事は日本有事に間違いない」という発言に言及していました。
安倍氏は当時「台湾有事は日本有事。すなわち日米同盟の有事でもある。この認識を習近平主席は断じて見誤るべきではない」と強い口調で述べ、中国をけん制していました。高市首相の今回の発言は、この安倍路線を明確に継承するものと位置づけられます。
中国からの強い反発
安倍氏の「台湾有事は日本有事」発言については、中国外務省の華春瑩・外務次官補が当日夜に日本の駐中国大使を呼び出し、「極端に誤った言論で中国内政に乱暴に干渉した」と厳しく批判しました。高市首相の今回の発言についても、中国からの強い反発が予想されます。
実際に高市首相は先日、APEC首脳会議で台湾代表と会談しその様子をSNSに投稿したことについて、中国外務省から「断固反対」の抗議を受けています。台湾問題に対する高市政権の姿勢は、日中関係に新たな緊張をもたらす可能性があります。
今回の高市首相の発言は、台湾有事における日本の対応について、これまでにない具体性を持った政府見解として注目されます。日本の安全保障政策の大きな転換点となる可能性があり、東アジア情勢への影響が懸念されています。