2025-10-28 コメント投稿する ▼
高市早苗首相とトランプ大統領が初会談、日米同盟の黄金時代へレアアース協力で署名
両首脳は中国による現状変更の試みに反対することを確認し、レアアースの供給確保や巨額投資に関する文書に署名しました。 会談では高市首相がトランプ氏をノーベル平和賞に推薦すると伝えるなど、信頼関係の構築を重視する姿勢が目立ちました。 高市首相は会談で、トランプ氏がタイとカンボジアの和平や中東での停戦合意に貢献したとしてノーベル平和賞に推薦すると伝えました。
会談では高市首相がトランプ氏をノーベル平和賞に推薦すると伝えるなど、信頼関係の構築を重視する姿勢が目立ちました。就任して約1週間で臨んだ初の対面会談で、高市首相は高い外交手腕を内外に示す機会となりました。
日米同盟の強化を確認
高市首相は会談で「日米同盟は世界で最も偉大な同盟になった。日本も共に世界の平和と繁栄に貢献していく」と強調しました。防衛費を2027年度中に国内総生産比2パーセントに増額する計画を、2025年度中に前倒しする方針を説明しました。また、安全保障関連3文書を2026年中に改定することも表明しています。
トランプ氏は「われわれは最も力強いレベルの同盟国だ」と一層の関係強化に期待感を示し、「日本にとって必要な時は、いつでも助けになる」と述べました。日本政府が防衛能力を大幅に強化しようとしていると評価し、米国の防衛装備品の購入拡大を歓迎しました。
会談では増額の具体的な規模についてやり取りはなかったといいます。しかし、高市首相が主体的に防衛力強化に取り組む姿勢を明確にしたことで、トランプ政権の要求に応える形となりました。
「防衛費2パーセントを前倒しか。これでアメリカの要求にも応えられるし、国を守る体制も強化できる」
「トランプさんとの会談、なんか高市さん頑張ってる感じがするな。防衛装備品をたくさん買うってのは、まあ現実的かも」
「アメリカの言いなりになってるだけじゃないの?日本の防衛費増額って、本当に国民のためになるのか疑問だわ」
「黄金時代って言葉、ちょっと大げさすぎない?でもトランプ相手にはこれくらいの演出が必要なのかな」
「高市首相がノーベル平和賞推薦って、媚びすぎじゃない?もっと日本の立場を主張してほしい」
中国を牽制、台湾海峡の安定重視
両首脳は日米韓、日米フィリピン、日米豪印をはじめとする同志国の連携を推進し、自由で開かれたインド太平洋を共に実現することで一致しました。中国による力または威圧による一方的な現状変更の試みに反対し、日米の緊密な連携と台湾海峡の平和と安定の重要性を確認しました。
北朝鮮の完全な非核化への米国の関与も確認しました。会談後、トランプ氏は北朝鮮による拉致被害者家族らとも面会し、日本が抱える重要課題への理解を示しました。
両首脳はその後、米海軍横須賀基地に停泊中の米原子力空母ジョージ・ワシントンに並んで乗艦し、強固な同盟関係を発信しました。トランプ氏は空母での演説で、高市首相が偉大な首相の一人として歴史に名を残すだろうと持ち上げました。
レアアース供給確保で協力文書に署名
会談後、両首脳はレアアースなど重要鉱物の供給確保に向けた協力に関する文書に署名しました。中国が世界のレアアース採掘の約70パーセント、精製の約90パーセントを占める中、日本と米国が協力して中国への依存から脱却する狙いがあります。
署名文書によると、両政府は米国および日本の国内産業に不可欠な原材料および加工済みの重要鉱物・レアアースの供給を支援することで協力します。財政支援や通商措置の活用、資源の備蓄、プロジェクト投資などが協力の可能性がある分野として示されています。対象品目として磁石、電池、触媒、光学材料などが挙げられています。
高市首相は会談でレアアースを含む物資の供給を巡り、特定国に依存しすぎているとして、調達先を多様化していく方針を伝えました。2025年9月に中国がレアアースの輸出管理を厳格化すると発表し、米国が反発していたことを受けての対応です。
関税合意の履行で5500億ドル投資を約束
もう一つの署名文書は、2025年7月の関税合意で約束した巨額投資の履行を明記したものです。日本は5500億ドル約84兆円の対米投資を実現すると約束しました。文書には「偉大な合意の実施に向けた強い決意を確認した」と記されています。
トランプ氏は横須賀での演説で「日本にお礼を言いたい。米国に大型投資をしてくれるからだ。日本は米国への大きな投資家で、われわれはそれを好ましく思っている」と述べました。トヨタ自動車が米国内に100億ドル約1兆5300億円を超える規模の自動車工場を建設する見通しであることも明らかにしました。
半導体や重要鉱物、造船、エネルギーなど9分野の具体的な案件が議題となりました。人工知能や次世代通信規格など7分野の科学技術協力にも合意し、先端分野でも技術力を高める中国に対抗する姿勢を鮮明にしました。
トランプ氏をノーベル平和賞に推薦
高市首相は会談で、トランプ氏がタイとカンボジアの和平や中東での停戦合意に貢献したとしてノーベル平和賞に推薦すると伝えました。トランプ氏は2025年1月の就任後、タイとカンボジアの国境紛争の停戦を仲介したほか、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意を実現させました。
高市首相は会談の冒頭で「タイとカンボジアの停戦に成功し、トランプ氏はまずアジアの平和に貢献した。先般の中東における合意の実現もかつてない歴史的偉業だ。これだけの短期間に世界はより平和になった」と称賛しました。
トランプ氏はかねてノーベル平和賞の受賞に強い意欲を示してきました。2019年には安倍晋三元首相がトランプ氏を同賞に推薦したことが明らかになっています。今回の高市首相による推薦表明は、トランプ氏との信頼関係を構築する狙いがあります。
トランプ氏は高市首相の就任に祝意を伝えた上で、「最も偉大な首相の一人になるだろう」と期待を示しました。会談は共同文書を作成せず、両首脳が互いを称賛し合う友好的な雰囲気で進みました。
高市首相は会談後、官邸で記者団に「幅広い分野での率直な議論を通じて大きな成果を上げることができた。トランプ氏と日米同盟をさらなる高みへ引き上げていくことができると確信した」と述べました。就任して約1週間で臨んだ初の首脳会談で、高市首相は外交手腕を示し、高い内閣支持率とともに政権運営に弾みをつける形となりました。
※米ドルと円の換算レートは2025年10月28日時点の基準レート1ドル153円を使用しています。