2025-10-25 コメント投稿する ▼
NHK「ニュース7」の斜め画角批判に民放も萎縮、報道独立性が危機的状況―大越キャスターが「血祭り」対象に
NHK記者も「絶対に意図なんかありません」と答えており、局内では「毎回やっていることなのに、なぜと戸惑っている」「かっこいい映像を使っているつもりだった」「不安を煽っていると言われて、そういう見方もあるんだと初めて知った」との声が多数上がっています。 **報道の中立性という根本的な問題が、一つの映像技法をめぐる議論の中で、政権支持層による強力な世論圧力に変わってしまっています。
「ダッチアングル」で炎上、NHK「意図なし」と強調
NHK「ニュース7」が2025年10月22日の高市早苗首相就任ニュース報道で使用した斜め画角が、ネット上で大きな批判を浴びています。映画やドラマで不安感や緊張感を表現する手法として知られる「ダッチアングル」が政治報道で使用されたことから、視聴者に不安を意図的に植え付ける意図的な報道ではないかという疑いが広がりました。産経新聞の取材に対し、NHK側は「映像を見た人に不安感や否定的イメージを抱かせるという意図はない」と明確に否定し、「ズームやパンなどの撮影手法のひとつとして、これまでもさまざまなニュースで使用している」と説明しています。
NHK記者も「絶対に意図なんかありません」と答えており、局内では「毎回やっていることなのに、なぜと戸惑っている」「かっこいい映像を使っているつもりだった」「不安を煽っていると言われて、そういう見方もあるんだと初めて知った」との声が多数上がっています。一見、ニュース報道の映像技法に関する技術的な議論に見えますが、この騒動の背後には、政権を支持する層による報道機関への強い圧力が存在しており、民放各局は その圧力に萎縮し始めています。
「NHKが高市総理を意図的に攻撃している。明らかに悪質だ」
「公共放送が受信料を使ってこんなことをするなんて信じられない」
「ダッチアングルで不安を煽る。これは報道とは言えない」
「政権批判のキャスターは大越さんだけじゃないんでしょ。全員チェックしてほしい」
「メディアリテラシーが大事。映像のトリックに気をつけよう」
ジャーナリストや政治家が次々「偏向報道」と批判
日本保守党代表の百田尚樹氏がX(旧ツイッター)で「高市総理及び関連画像が斜めになってる。これはダッチアングルと呼ばれる手法で、見る者に不安や緊張感を与える効果がある。意図的にやっているのは明らかで、極めて悪質な報道である」とポストしたことから、批判が一気に拡大しました。このポストは2500件を超えるコメントが殺到し、フォロワーの支持者層によって数万回にもおよぶ拡散が行われました。
ジャーナリストの西村幸祐氏も「NHKニュース7が超偏向・歪曲報道。映像を水平でなく角度をつけて訴求するのはプロパガンダ手法の一つだ」と批判し、その投稿は1000万回を超える表示を記録しました。参政党代表の神谷宗幣氏も「またこんなことをやっている。中に変なのがいるのか」とコメントするなど、政治家からもNHKへの非難が相次いでいます。
ネット上では「NHK解体が望まれる」「受信料拒否どころではない」といった過激な意見まで登場し、公共放送に対する信頼が大きく揺らいでいます。報道の中立性という根本的な問題が、一つの映像技法をめぐる議論の中で、政権支持層による強力な世論圧力に変わってしまっています。
民放各局が萎縮、大越キャスターが「血祭りにあげられている」
この圧力の中心は、テレビ朝日の「報道ステーション」に向かっています。同番組の大越健介キャスターは10月9日、高市総裁へのインタビューで「まぁ、高市さんがもし総理大臣になればですけれども」という前置きをしたことや、高市氏の発言を複数回遮ったことから、「失礼だ」「無礼だ」と大批判を受けました。
この批判に対し、高市支持者たちは大越氏の顔つきや表情まで指摘し始めました。スポーツ紙の"こたつ記事"では「大越氏は高市氏が自民党総裁になった時から明らかに顔の表情が変わりました。悔しさや憎しみ、憎悪に満ちた顔色になった」といった人格攻撃まで展開されています。
民放のプロデューサーは、この状況について「ちょっとでも高市氏に批判的だと捉えられてしまうと、オールドメディア叩きが始まってしまう。特に大越さんは血祭りにあげられていますよね」と述べ、深刻な懸念を示しています。権力を監視・批判するのがメディアの役割であるにもかかわらず、政権を支持する層からの強い圧力によって、報道機関が自らの職責を果たすことが難しくなりつつあります。
「上から指示」出始める報道現場の萎縮
別の民放記者は、現在の状況を率直に語ります。「こんな熱烈な支持者がいる政権は初めてです。ただ、権力を監視・批判するのは我々の仕事ですから、反応を気にしすぎて萎縮するわけにもいきません。とはいえ、炎上は避けたいところなので、揚げ足を取られないよう気をつけるようにと上から指示が出ています。」
この発言は、報道現場で起きている深刻な問題を端的に表しています。演出上のテクニックである「斜め画角」をめぐる議論が、いつの間にか「特定政権に対する批判的報道はけしからん」という言論統制的な圧力に変わってしまっているのです。
民放の別のプロデューサーは、ニュース映像の編集方針について説明します。「あのような画角の映像は我々が『撮ってきて』と発注するようなものでもなく、カメラマンが勝手に撮ってきます。パンしたりズームしたり、横からや下から覗くなどの様々なパターンを。編集マンはずっと正面打ちの映像だとつまらないので、視聴者が飽きないよう、色々なパターンの映像を組み込んでいるだけです。」
同プロデューサーは25年以上この業界にいますが、「政治でも事件でもいつもやっていること。今回の騒動で『ダッチアングル』という言葉も『不安を煽る』という効果も初めて知りました。そもそも我々の仕事は報道なので、素材に印象を加えるという発想がありません」と述べており、映像編集の一般的な手法に対する理解の欠如が、意図的な印象操作に仕立て上げられている実態が明かされています。
民主主義の「言論の自由」が問われている
今回の騒動が示しているのは、民間放送や公共放送が、特定の政治勢力からの圧力に対して、どのように報道の独立性を守るかという根本的な課題です。ネット世論が一度火がつくと、メディアはその圧力に自動的に屈してしまう傾向が強まっています。
NHKが「意図なし」と説明しても、それでは済まない世論が形成されています。大越キャスターがインタビューで厳しい質問をすれば「失礼だ」と叩かれ、政権に好意的なコメントをしなければ「反政権の姿勢だ」と疑われます。このような状況では、報道機関は権力の監視という根本的な役割を放棄せざるを得ず、民主主義の基礎である「言論の自由」そのものが脅かされることになります。
報道現場では既に、「揚げ足を取られないよう気をつけるように」という指示が出ています。これは検閲ではなく、市民からの圧力に基づいた自己検閲です。しかし自己検閲ほど危険なものはありません。なぜなら、誰が何を禁止したのかが不明確になるからです。