2025-10-23 コメント投稿する ▼
出国税3000円案浮上でオーバーツーリズム対策加速へ 高市首相の総裁選発言が現実に
自民党が2025年10月23日、訪日外国人観光客の地方誘客やオーバーツーリズム対策を進めるための財源確保に向けて、国際観光旅客税の引き上げを求める緊急提言をまとめました。 出国税の引き上げをめぐっては、高市早苗首相が首相就任前の2025年9月30日、自民党総裁選の討論会で対策費に充てるため国際観光旅客税を3000円に引き上げる意向を示していました。
観光客の急増に伴い、京都や奈良など一部の観光地では地元住民の生活に深刻な影響が出ています。路線バスに乗れない、私有地への無断侵入、ゴミのポイ捨てなど、オーバーツーリズムの問題は待ったなしの状況となっています。
高市首相が3000円案に言及
出国税の引き上げをめぐっては、高市早苗首相が首相就任前の2025年9月30日、自民党総裁選の討論会で対策費に充てるため国際観光旅客税を3000円に引き上げる意向を示していました。政府内では現在、3000円への引き上げ案が浮上しています。
国際観光旅客税は2019年1月に導入され、日本から出国する日本人と外国人の双方から1回につき1000円を徴収しています。税収は顔認証ゲートの導入や多言語案内板の整備など、観光基盤の拡充に充てられてきました。2025年度の観光庁予算では約400億円規模の税収が見込まれています。
「出国税3000円は安すぎる。400億円程度で観光公害対策が出来るのか?」
「観光公害に悩む地域住民のためなら仕方ない。でも使い道をしっかり監視してほしい」
「日本人も払うのに外国人観光客対策って納得いかない」
「京都の惨状を見たら増税もやむを得ない。地元の人が暮らせなくなってる」
「税金上げる前に既存の予算の無駄遣いをなくすべきでは」
使途の透明性確保が課題
今回の緊急提言では、観光政策を着実に実施していくには財源となる出国税の引き上げが必要と指摘しました。同時に、納税者の理解を得るため使途の適正性と透明性を確保することの重要性も強調しています。
現行制度では、国際観光旅客税の税収は快適な旅行環境の整備、日本の魅力に関する情報発信、地域での体験滞在の満足度向上の3分野に充当されることになっています。しかし、実際には税収が予算額を上回った場合、その分が一般財源として観光と関係のない事業に使われる可能性があるという指摘もあります。
海外では既に同様の税制が導入されており、米国では約3500円、オーストラリアでは約5230円が徴収されています。国際水準と比較すると、日本の現行1000円は低い水準にあると言えます。
地方創生への期待と懸念
自民党のプロジェクトチームは、自動車産業に次ぐ第2の成長産業である観光を持続的に発展させるには、外国人観光客を地方に呼び込むための対応や、地域の実情に応じたきめ細かいオーバーツーリズム対策が必要だとしています。
政府は2030年に訪日客6000万人、消費額15兆円の目標を掲げていますが、観光客の増加ペースを抑える意図はなく、成長と共存の両立を図る方針です。ただし、地域によっては既に混雑やマナー問題が深刻化しており、観光の持続可能性を高める対策が急務となっています。
出国税は日本人にも課税されることから、引き上げた場合の使途について、納税者の理解が得られる先進的で費用対効果が高い施策に充当し、適正に透明性を確保する必要があるという意見が出ています。今後、年末の税制改正要望で具体的な引き上げ幅が検討される見通しです。
観光立国を目指す日本にとって、インバウンド需要の取り込みは経済成長の鍵となりますが、同時に地域住民の生活を守り、持続可能な観光を実現するバランスが問われています。出国税の引き上げがその解決策となるのか、今後の議論が注目されます。