2026-01-21 コメント投稿する ▼
福岡市消防学校の訓練死亡事故、学校長ら3人を業務上過失致死容疑で書類送検
福岡市消防学校の学生が2024年7月、水難救助訓練の際に死亡した事故で、福岡県警は2026年1月21日、当時の学校長ら3人を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。 3人は2024年7月9日、訓練の一環で消防学校の学生52人に一斉に立ち泳ぎをさせた上、当時福岡市消防学校の学生だった岡本大河さん(当時26歳)を溺れさせ、同月17日に低酸素脳症で死亡させた疑いです。
福岡市消防学校の訓練死亡事故、学校長ら3人を書類送検
福岡市消防学校の学生が2024年7月、水難救助訓練の際に死亡した事故で、福岡県警は2026年1月21日、当時の学校長ら3人を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。学生の安全を確保する計画を作成せず、死亡事故を引き起こした疑いが持たれています。
福岡県警によると、書類送検されたのは当時の学校長(59歳)と教官(40歳)、講師(39歳)の計3人です。3人は2024年7月9日、訓練の一環で消防学校の学生52人に一斉に立ち泳ぎをさせた上、当時福岡市消防学校の学生だった岡本大河さん(当時26歳)を溺れさせ、同月17日に低酸素脳症で死亡させた疑いです。警察は3人の認否を明らかにしていません。
深さ3.3メートルのプールで52人一斉訓練
事故は2024年7月9日午後、福岡市西区の市民プールで発生しました。訓練には学生52人と教官ら18人が参加しており、深さ3.3メートルのプールで学生52人が一斉に立ち泳ぎを行っていました。立ち泳ぎは体力の消耗が激しいとされる訓練です。
福岡県警によると、3人は訓練計画作成に関する決裁権があり、教官と講師は事故当時、現場にいました。しかし安全を確保した計画を作成せず訓練を実施したとされています。警察によると、当時の訓練では岡本さんの他にも体調不良を訴えたり溺れかけたりする学生が複数人いたということです。
「52人一斉に立ち泳ぎとか危険すぎる。監視体制どうなってたんだ」
「消防学校で訓練中に死亡とか悲しすぎる。これから人を救う仕事なのに」
「体調不良を訴える学生が複数いたのに続行したのか。信じられない」
「安全計画を作成しないで訓練するなんて、管理体制が杜撰すぎる」
「26歳の若さで亡くなるなんて。ご遺族の気持ちを思うと辛い」
第三者委員会が監視体制の不備を指摘
福岡市消防局が設置した第三者委員会は2025年3月に報告書を提出し、立ち泳ぎ訓練での「監視が十分であったとは言い難い」と指摘しました。また、学生が訓練の「中断を申し出にくかった可能性があった」などとも指摘しています。
福岡市消防局は2025年12月、取材に対し「監視体制に不備があった」とした上で「安全対策を講じ再発防止に努めたい」としていました。しかし、適切な安全管理体制が整備されていなかったことが今回の書類送検につながりました。
全国で相次ぐ消防の水難救助訓練中の死亡事故
消防の水難救助訓練中の死亡事故は全国で相次いでいます。2020年には山口県消防学校のプールで、2023年には新潟県柏崎市の海水浴場で、いずれも20代男性消防士が死亡しました。
2023年10月13日に新潟県柏崎市の番神海水浴場で発生した事故では、水難救助訓練中だった柏崎市消防署の男性消防士(当時26歳)が溺れ、翌日死亡しました。この事故について新潟県警は2026年1月14日、業務上過失致死容疑で柏崎市消防本部の幹部1人を書類送検しました。
柏崎市消防本部が設置した第三者による事故調査・再発防止検討委員会は報告書で「安全よりも効率性を優先するなど、事故発生に対する組織の危機管理の甘さがあった」などと指摘していました。書類送検容疑は、訓練で陸上安全監視員を配置しないなど十分な安全管理を怠り、消防士1人を溺れさせ、死亡させたとしています。
総務省消防庁が再点検通知も改善されず
総務省消防庁は事故が起こるたび、都道府県と政令指定都市の消防本部に、水難救助訓練のマニュアルを再点検するよう通知してきました。しかし福岡市消防学校によると、過去に内容を改定したことはあるものの、立ち泳ぎの一斉訓練に関する変更はなかったということです。
消防士や消防学校の学生は、災害現場で人命救助にあたる重要な役割を担っています。そのための訓練は危険を伴うものですが、適切な安全管理体制の下で実施されなければなりません。今回の事故は、訓練における安全管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。
福岡市消防局は再発防止に向けて、訓練計画の策定方法の見直しや監視体制の強化、学生が体調不良を訴えやすい環境づくりなどに取り組む必要があります。また、全国の消防本部や消防学校においても、同様の事故が起きないよう、訓練における安全管理体制の総点検が求められています。
岡本大河さんは消防士として人々の命を救うため、厳しい訓練に取り組んでいました。その志半ばで命を落とすという痛ましい事故を二度と繰り返してはなりません。