2025-07-28 コメント投稿する ▼
仙台市長選2025:松本剛氏が「ノーモア・メガソーラー宣言」 秋保の自然を守る政策を明示
仙台市長選2025
松本剛氏、「ノーモア・メガソーラー宣言」掲げ秋保の開発にNO 環境と市民の声を重視
仙台市長選(2025年8月3日投開票)に立候補している松本剛氏(無所属・新)は、太白区秋保町に計画されている大規模メガソーラー開発に対し、明確な反対姿勢を示している。
仙台市長候補・松本剛は、太白区秋保町で計画されている大規模メガソーラーに反対の立場を明確にしています。無秩序な開発を防ぐため、規制条例を制定するとともに、仙台市として『ノーモア・メガソーラー宣言』を発出します
と自身のSNS(X)で発信。地域の自然環境を守り、市民の声を反映させる市政の実現を訴えた。
なぜ秋保のメガソーラーに反対?住民と候補者が抱く共通の危機感
問題となっているのは、仙台市太白区秋保町に計画されている、山林を切り開いて設置される予定の大規模太陽光発電施設だ。自然豊かな秋保は温泉地としても知られ、観光と住民の生活が調和している地域。そこに大規模なソーラーパネルが設置されるとなれば、景観の悪化、災害リスクの増大、水源への影響などが懸念されるのは当然だ。
こうした不安の声は地域住民からも上がっており、反対運動も活発化している。市民団体は署名活動を実施し、仙台市や宮城県に対して計画中止を求める陳情書を提出するなど、草の根の動きが広がっている。
松本氏は、こうした市民の声を「ただの反発」とせず、「暮らしを守る正当な懸念」として政策に反映しようとしている点が特徴的だ。
「ノーモア・メガソーラー宣言」とは?仙台市としての方針転換を示唆
松本氏は公約の中で、環境破壊を伴う無秩序なメガソーラー開発をこれ以上許さないという強い意思を「ノーモア・メガソーラー宣言」として明文化するとしている。
これに加えて、市の条例として大規模太陽光発電施設の規制を強化し、開発許可の基準や手続きを明確化することも公約に盛り込んだ。
こうした宣言や条例制定は、全国的にも珍しい取り組みとなる可能性がある。単に「反対」するだけでなく、「具体的にどう防ぐか」を市の制度として整備する点で、実行力のある政策といえる。
松本剛氏の政策と「市民目線」の姿勢
松本氏の政策は、環境問題への対応に限らず、暮らしに密着したテーマが多いのが特徴だ。例えば、
* 給食費の完全無償化
* 第二子以降の保育料の無償化
* プレミアム商品券の発行による地域経済活性化
* 水道料金の基本料金を無料にする
* 危険ブロック塀の撤去支援
* 認知症対策の強化
* 音楽ホールの建設凍結(巨額事業の見直し)
など、日々の生活に直結する項目が並ぶ。これは、いわゆる“既得権や市政内部の事情”よりも、“市民の目線”を起点にした政策立案を重視しているというスタンスの表れでもある。
「政治家を変えれば、未来は変えられる」 SNSでも拡がる支持の輪
市議会議員の伊藤ゆうた氏(青葉区)は、Xで松本氏の姿勢をこう評価した。
市長を変えれば、メガソーラーを止めることができる
SNS上では「秋保の自然を守りたい」「観光地としての価値を壊さないでほしい」といった意見が相次いでおり、メガソーラー問題が市長選の争点として定着しつつある。
河北新報の調査でも、X上で「秋保」や「メガソーラー」というワードを含む投稿が急増しており、市民の関心の高さがうかがえる。
選挙戦の構図 現職と挑戦者たち
今回の仙台市長選には、現職の郡和子氏に加え、放送局経営者の野田紀子氏、元自衛官の菅原武大氏らが立候補しており、計4人が市政トップを争う。
郡氏は過去2期の実績と安定路線を強調。一方、松本氏は「2期8年までの任期制限」や「政治資金パーティー廃止」などを掲げ、市民と政治との距離を縮める「透明な市政」を目指している。
自然と共にある都市へ。仙台の未来をどう描くか
メガソーラー開発は、一見「再生可能エネルギーの推進」というポジティブな文脈で語られがちだ。しかし、それが地域住民の不安や環境リスクを置き去りにして進められる場合、持続可能な都市像とは真逆の結果を招きかねない。
松本氏の「ノーモア・メガソーラー宣言」は、環境保全と地域の声を重視した市政の象徴的メッセージとなっており、これがどれだけ有権者に届くかが、今回の選挙のひとつの見どころでもある。
秋保の自然を守ることは、単なる一地域の課題ではない。観光・防災・生活の質、すべてに関わる都市全体の問題だ。松本剛氏が掲げる「ノーモア・メガソーラー宣言」は、今後の仙台のまちづくりにおいて象徴的な提案となりそうだ。