2025-10-09 コメント投稿する ▼
中田宏副大臣、海プラ対策で初の環境政務訪台 日台連携強化へ
今回の訪台には、海プラ削減をめぐる国際協力の強化を図る狙いがあります。 今回の訪台は公務ではなく政務の立場ですが、行政と政治双方でのつながりを活かす意味合いがあります。 なお、近年は日本政府が中国との関係を配慮して、政府高官の訪台を自主規制する慣例があります。 今回の政務訪台には意味があります。
環境副大臣・中田宏氏、海プラ対策で訪台へ
中田宏環境副大臣は10月13日と14日に台湾を訪問し、海洋プラスチックごみ(海プラ)対策で与党・民主進歩党(民進党)の環境政策責任者と意見交換を行う予定です。国の環境政務三役による訪台は初めてと見られます。今回の訪台には、海プラ削減をめぐる国際協力の強化を図る狙いがあります。
台湾は国連環境計画(UNEP)に加盟しておらず、国際枠組み上の協力には制限があります。そのため、日台の実務レベルでの連携強化が現実的な選択肢となります。中田氏はこれまで、自治体レベルでの国際協力を重視してきた経験を背景に、この訪問を通じて島国同士の共通課題に取り組む姿勢を示す意向です。
自治体外交の先駆者、再び台湾と
中田氏はかつて横浜市長を務めた際、2006年に台北市とのパートナー都市締結に尽力しました。日本の自治体が台湾の都市と正式な提携を結ぶ先駆けとなったこの動きは、今も日台自治体間交流のモデルとされています。今回の訪台は公務ではなく政務の立場ですが、行政と政治双方でのつながりを活かす意味合いがあります。
なお、近年は日本政府が中国との関係を配慮して、政府高官の訪台を自主規制する慣例があります。公的訪台は限定的で、17年ぶりに公務で台湾を訪れた例がありました。しかし政務三役での訪台は、外交慣行の微妙な線を探るものともいえます。
海プラ問題という共通の課題
日本も台湾も、島国でありながら海岸線が長く、海流に乗ったプラスチックごみの漂着や流出は深刻な共通課題です。特に近年、海プラ問題が世界的に注目を集める中で、両国で廃プラスチックの削減・回収・処理技術の共有や共同プロジェクトの構築が期待されます。
中田氏は先ごろ、スイス・ジュネーブで開催された政府間交渉に出席し、プラスチック汚染防止条約の枠組みづくりに関与しました。その場には台湾は参加していませんでしたが、国際交渉を補完する実務連携を台湾と強める意図があります。
訪問中は、台湾側との合作プロジェクト案、廃プラスチック処理システムの技術協力、海洋モニタリング・漂着物追跡ネットワーク構築などが議題となる見通しです。これらの成果が日台のみならず、東アジア地域の海洋環境保全に波及する可能性があります。
意味とリスクを含んだ訪台
今回の政務訪台には意味があります。政務三役による台湾訪問は初とされ、環境分野での対話強化を象徴します。政策分野での信頼を積み上げ、外交摩擦を避けながら協力を深める試みともいえるでしょう。
ただし、外交配慮も無視できません。日本政府は中国との関係を重視し、台湾に関する高官訪問には慎重です。副大臣級といえども、訪台に対する国内外の反応や外交的波及を意識する必要があります。
中田氏は自治体外交で対台湾連携を進めたキャリアがありますが、国家レベルでの環境政策協調という新たなフェーズに挑むことになります。今後、訪問結果と日台協力の具現化に注目が集まります。