2025-07-01 コメント投稿する ▼
「歌だけ歌っていろ」は職業差別 世良公則が参院選に無所属出馬 政治と音楽の両立へ決意表明
「歌だけ歌っていろ」は差別だ 世良公則が69歳で無所属出馬 政治と音楽をつなぐ決意
湾岸戦争から芽生えた「政治への目覚め」
「どんな職業であれ、発言する権利はある」。ミュージシャンの世良公則氏(69)が、7月1日の記者会見で参議院議員選挙への立候補を表明した。「東洋ロックの先駆者」として音楽シーンをけん引してきた世良氏が、国政に挑む決意を明かした背景には、30年以上にわたる“政治への関心”があった。
原点は1991年の湾岸戦争だった。米ロサンゼルスでレコーディング中、現地のスタッフやミュージシャンが兄弟や親戚を戦地に送り出し、戦争や政権について語り合う姿に衝撃を受けたという。それ以来、国内外の社会課題に対して関心を強め、SNSが普及するとともに自身も意見を発信するようになった。
「戦争を身近に感じたあの頃から、目を背けちゃいけないと思った」
「音楽やってる人は口出すなって、いつの時代の話?」
「歌だけ歌ってろって、まさに職業差別だよね」
「行動してる世良さん、かっこよすぎる」
「誰よりも真っ直ぐな言葉でぶつかってくれそう」
「無所属」で始める、しがらみなき戦い
世良氏は今回、政党公認ではなく無所属での出馬を選んだ。複数の政党から打診があったことを認めつつも、「組織のカラーの中では言えなくなることがある」として断ったという。「自分の思ったことをそのまま言える環境でなければ意味がない。まずは無所属でスタートしたい」と語る。
一部では、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相との過去の対談から、「当選後に合流するのでは」との見方もあるが、本人は「そこまでは考えていない」と否定した。
世良氏が立候補するのは、出身地・大阪が舞台。音楽活動で世に出た原点に立ち返る形だ。「このタイミングで国政に送り出してもらえるなら、任期中に一歩でも前進できることをやって、この国に尽くしたい」と述べた。
「SNSで波を」若者にも届く選挙戦
世良氏は、選挙活動の軸を街頭ではなくSNSに置く方針だ。「街頭での演説は体力的にも難しい。でもSNSが発達した今なら、若い世代にも訴えかけられる」と述べ、選挙に無関心な層にもメッセージを届けたいと語った。
過去には、ロックバンドで初めてアルバム1位を獲得した際にも「賛否両論にさらされた」と振り返り、「今度も厳しい戦いになるだろうが、信じる道を進みたい」と覚悟をにじませた。
なお、選挙期間中に予定されていたライブ活動はすべてキャンセルし、音楽と政治活動の両立については「議員活動に影響がない範囲で継続する」との意向を示している。
「右でも左でもなく、日本のため」 異色候補の訴えに注目
「今の日本には右も左もない。本当にこの国のためになるのか、次の世代に何を残すのかを問いながら政治に取り組みたい」——。ポジションにとらわれず、共感できる人とともに進み、異なる意見とは激論を交わす覚悟もあるという。
世良氏は「“歌だけ歌ってろ”という言葉は職業差別にほかならない」と断じた。芸能人や文化人が政治に関わることへの偏見が根強く残る中で、それを真正面から否定した形だ。
今や音楽家やタレントが選挙に挑戦することは珍しくなくなったが、世良氏のように「しがらみのない無所属」で「発信者としての責任を持って挑む」姿勢には、他の候補とは異なる本気度がうかがえる。
参院選の投開票は7月20日。世良氏の挑戦は、「黙っていられない」という一市民の思いがどこまで届くのか、注目を集めている。