2025-07-21 コメント投稿する ▼
音喜多駿氏が参院選落選も政治活動継続へ 「嫌われても改革は止めない」と再起誓う
音喜多駿氏、参院選落選も政治活動継続へ 「嫌われても改革は続ける」
7月20日に投開票された参議院選挙で、日本維新の会の音喜多駿前政調会長(41)は東京選挙区で次点に終わり、議席獲得はならなかった。昨年10月の衆院選に続く国政選挙2連敗。得票数は約38万票に上ったものの、当選ラインとなる約52万票には届かず、東京選挙区での維新の躍進は叶わなかった。
だが音喜多氏は、選挙翌日の21日、自身のSNSを通じて「挑戦は終わらない」と政治活動継続の意思を表明。大学院で社会保障制度改革を学び直す意向も明かし、社会保険料の引き下げを引き続き訴えていく考えを示した。
“嫌われ役”を自認しながら政策を発信
今回の選挙戦では、「#音喜多駿が嫌い」というハッシュタグを自ら仕掛けるという異例のキャンペーンも展開した。あえて自虐を交えながら注目を集め、「嫌いでも社会保険料を下げてほしい」との声を可視化する狙いだった。
この呼びかけに対しては、5000件を超える投稿が寄せられ、中には「政策には共感している」「減税だけでなく、構造改革も必要」といった意見も見られた。
街頭活動では、同じく比例代表から立候補した柳ケ瀬裕文氏とタッグを組み、東京各地を練り歩いた。13日の神楽坂では、通行人と笑顔で握手を交わす姿もあったが、内心では「どれだけ嫌われているのか」と複雑な思いを口にしていた。
音喜多氏は「他の政党がやらないことをやるのが維新の存在意義だ」と述べ、社会保険料改革や世代間格差の是正といったテーマを前面に出していたが、十分な浸透には至らなかった。
“平和だった”選挙戦 敵視は参政党へ
昨年の衆院選では、音喜多氏の演説会場に批判的な団体が詰めかけ、選挙妨害に発展する場面もあった。だが今回はそうした“アンチの襲来”はほぼなく、音喜多氏は「平和な選挙戦だった」と振り返っている。
一度だけ、リベラル系の活動団体が現れたというが、「もうあんたじゃない、もっとヤバい所が出てきたから」と言い残して去っていったという。その矛先が向かったのは、今回初議席を獲得した参政党だった。
「日本人ファースト」など保守的な主張を掲げる参政党への抗議活動が激化する一方、音喜多氏自身は激しい批判から“相対的に外れた”印象すらある。
二度目の国政選挙敗北 心身も財政も疲弊
音喜多氏にとって、この9カ月で二度目の国政選挙敗北。本人もSNS上で「心身も金銭面もズタボロ」と吐露し、「家事と育児をしながら、次の活動に向けての時間と資金をどう捻出するか頭を抱えている」と記した。
それでも「立ち止まることなく歩みを進める。社会保険料改革は終わらない」と記し、大学院進学という新たな道を模索している。今後は、学び直しを通じて「専門性という武器を手に、もう一度巨像に立ち向かう」と意欲を見せた。
市民の声「嫌われても言うべきことは言ってる」
SNS上では、音喜多氏の落選に対して、賛否含めさまざまな声が寄せられた。とくに“自虐マーケティング”への注目と、それでも政策を訴え続けた姿勢に一定の評価が集まっている。
「確かに言い方きついけど、社会保障の議論をちゃんとしてたのは彼だけだった」
「好きじゃないけど、減税より保険料改革っていうのは筋が通ってた」
「他の候補が聞こえのいいことばかり言う中、現実的なこと言ってたと思う」
「嫌われるのも計算して発信するのはすごい。普通できない」
「落選は残念だけど、音喜多さんの挑戦は必要な役割だったと思う」
“嫌われても言うべきことは言う”。このスタイルが支持の壁にもなりつつ、政治家としての独自性を際立たせているのは間違いない。
改革派の再挑戦はあるか 「減税一辺倒では意味がない」
維新の中でも「改革派」とされる音喜多氏は、今回の選挙で「減税」ではなく「社会保険料改革」を前面に掲げた。だが、選挙戦を通じて伝わったのは、減税政策が主流化する中で「構造改革は票になりにくい」という現実だった。
本人も「他党と同じように減税だけ言っても意味がない」と繰り返し語っており、次なる挑戦では「政策の深堀り」と「共感の獲得」の両立が鍵を握る。
音喜多氏の政治活動は一旦の節目を迎えたが、改革を求める声が消えたわけではない。むしろ、誰もが語らなくなった政策課題に光を当て続ける姿勢こそが、有権者の記憶に残っている。