2025-06-30 コメント投稿する ▼
「おっさん呼ばわり裁判」の真相とは?春日井市議・小嶋さゆり氏が語る“問題の本質”とジェンダー差別
「おっさん呼ばわり」の問題は“場と繰り返し”にあり――小嶋さゆり市議が訴える裁判の本質
愛知県春日井市の市議、小嶋さゆり氏が提起した裁判をめぐり、SNS上では「女性でも爪楊枝をくわえていれば“おっさん”と呼ばれても仕方がない」といった意見が散見されている。
この反応に対し、小嶋氏は自身のX(旧Twitter)で冷静にこう語っている。
「女性だとしても、爪楊枝くわえてたら、おっさんと言われて当然でしょう」というご意見は理解できます。
でも、そこで争っているわけではありません。
小嶋氏が問題視しているのは、爪楊枝の有無や所作そのものではない。問題の本質は、市議会の委員会に関する懇親会という、議員や議会事務局職員が同席する半ば公的な場で、特定の議員が彼女に対して繰り返し「おっさん」と発言した点にある。
その場で注意してくれれば済むものを、懇親会という場で「おっさん」「おっさん」と何度も繰り返されたことが問題です。
あえて晒し者にする必要はないでしょ?
小嶋氏は、批判の中に含まれる意見に対しても耳をふさがず、「私としても反省すべき点」と認める姿勢を示している。実際、仕事中に集中するあまり、歯の隙間を気にして爪楊枝や歯間ブラシを無意識に使ってしまう場面はあったと語っている。
しかしそれは、他人からの侮辱を正当化する理由にはならない。彼女の言葉には、「注意されるのと、嘲笑されるのとは全く意味が違う」という思いがにじむ。
今回の件では、名古屋地裁が「中高年男性を揶揄する表現を繰り返し用いることは、トランスジェンダー当事者の人格を傷つける侮辱行為にあたる」として、元議長の村上市議に17万円の損害賠償を命じた。判決は、差別や偏見を笑いや冗談の名の下に繰り返すことの危険性を司法が明確に認めた事例でもある。
小嶋氏は、「争いたくて裁判を起こしたわけではない」と強調する。社会の中で多様な性の在り方が認められつつある今、言葉の選び方や“場の空気”に対する配慮もまた、問われている。