2025-09-10 コメント投稿する ▼
大野元参院議員が裏金5100万円不記載で無罪主張 政治資金事件が示す自民党の体質
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をめぐり、旧安倍派(清和政策研究会)からのキックバック約5100万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、政治資金規正法違反に問われた大野泰正・元参院議員(66)の初公判が10日、東京地裁で開かれた。
大野元参院議員 初公判で無罪主張
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をめぐり、旧安倍派(清和政策研究会)からのキックバック約5100万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、政治資金規正法違反に問われた大野泰正・元参院議員(66)の初公判が10日、東京地裁で開かれた。大野被告は起訴内容を否認し、無罪を主張した。
この事件で会計責任者ではなく政治家本人が公判に立ったのは初めてであり、不記載額5100万円は議員側で最多。旧安倍派からのノルマ超過分キックバック問題の象徴的ケースとなった。
「5100万円もの不記載は説明できない」
「秘書任せにしていたでは済まされない」
「また“記載ミス”で逃げるのか」
「結局、責任を取らないのは政治家本人」
「裏金事件で国民不信は極まっている」
検察の主張と被告の弁明
起訴状によると、大野元議員は元秘書の岩田佳子被告(62)と共謀し、2018~22年に旧安倍派から計5100万円のキックバックを受け取りながら収支報告書に記載しなかったとされる。検察は「組織的かつ長期にわたる不記載であり、政治資金規正法の根幹を揺るがす」と指摘。
一方、大野被告は「政治資金収支報告書の作成は全て事務所スタッフに任せていた」と責任を否定。在宅起訴された24年1月の会見でも「適切な時期に説明責任を果たす」と繰り返し、議員辞職はせず、自民党を離党するにとどめた。
事件の全体像と波及
政治資金パーティー裏金事件は旧安倍派、旧二階派、旧岸田派を中心に発覚。2018~22年に80人以上の議員側へノルマ超過分が還流され、裏金化した。不記載額3000万円以上の政治団体を中心に、議員・派閥側合わせて11人が起訴されている。
秘書への責任転嫁や「記載漏れ」の常套句は、国民から「政治とカネ」に対する深刻な不信を招いた。事件を受け、麻生派を除く自民党5派閥は解散へと追い込まれ、党内の統治構造そのものが揺らいでいる。
政治不信と有権者の視線
大野被告は祖父に自民党初代副総裁の大野伴睦氏、父に元運輸相、母に参院議員を持つ「政治一家」の出身で、13年に参院初当選。国土交通政務官や参院内閣委員長も務めた。だが、華麗な経歴とは裏腹に、今回の事件で国民の政治不信をさらに拡大させる存在となっている。
石破政権が掲げる政治改革の下でも、こうした裏金体質が温存されてきたことは、自民党全体の体質改善の遅れを浮き彫りにする。国民からは「説明責任ではなく実際の責任を取れ」との声が強く、企業・団体献金と派閥政治が不正の温床となっている現実が改めて突きつけられた。
裏金事件が示す自民党の構造的課題
今回の大野元議員の裁判は、単なる一個人の問題にとどまらない。派閥に依存した資金集め、秘書任せの報告書作成、そして責任回避の言い訳。いずれも自民党の長年の体質であり、抜本的な制度改革が必要だ。
インボイス制度のように国民に厳しい徴税を課しながら、政治家が裏金で利益を得ている構造に対し、怒りの世論は高まっている。給付金ではなく減税を求める民意を無視し、国民には負担を強いる一方で、政治家は不正資金で活動を続ける――この矛盾が是正されない限り、政治の信頼回復は望めない。