蓮池透の活動・発言など

れいわ新選組、蓮池透氏を比例代表に擁立　原発・拉致問題で3度目の挑戦に込めた決意

れいわ新選組、蓮池透氏を参院比例で擁立　拉致問題と原発再稼働に“異議”を突きつける3度目の挑戦 れいわ新選組は6月19日、今夏に予定される参議院選挙の比例代表候補として、元拉致被害者家族会事務局長の蓮池透氏（70）を擁立することを正式に発表した。蓮池氏はこれが3回目の国政選挙挑戦となる。 蓮池氏は、北朝鮮による拉致被害者である蓮池薫氏の実兄であり、元東京電力社員という異色の経歴を持つ。原子力政策に対する厳しい視点と、国家と国民の「信頼のあり方」を問い続けてきた人物だ。 拉致問題から政治へ　元家族会幹部の重い決断 蓮池氏が全国的に知られるようになったのは、2002年に弟・蓮池薫氏ら拉致被害者5人が帰国を果たしたことを受け、家族会の事務局長として積極的に政府との交渉や世論喚起に取り組んできたことによる。拉致問題に関する蓄積された知識と、官僚機構への不信感は、彼の政治的姿勢の土台ともなっている。 その後、原子力関連の業務に長年従事した経験から、東電福島第一原発事故を機に「原子力行政の闇」に警鐘を鳴らし始め、反原発の立場を明確にしてきた。れいわ新選組からの立候補は、2019年、2022年に続いて3回目。いずれも比例代表での出馬だが、当選には至っていない。 今回の出馬にあたり、蓮池氏は以下のような声明を発表している。 > 「住民の意見を反映した意思決定のできる民主的な行政を実現すべきだ。この異常な状況を何としても打開したい」 ここで言う「異常な状況」とは、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を巡る新潟県議会の動きだ。再稼働の是非を問うための県民投票条例案が4月に否決されたことを強く問題視しており、「民意が封じ込められたまま原発再稼働だけが先行する政治」に真っ向から異を唱えている。 原発再稼働と県民投票　新潟でくすぶる“民主主義の危機” 柏崎刈羽原発は、日本でも最大級の原子力発電所の一つ。東京電力が再稼働を目指す中、住民の間では「安全性の確保はできているのか」「地元に本当に利益があるのか」といった懸念が根強く、県民投票を求める署名活動も行われてきた。 しかし、県議会はこの条例案をあっさりと否決。議論すら十分になされなかったことに対し、蓮池氏は強い憤りを隠さない。 > 「どうしてここまで住民の声が軽んじられるのか。民主主義が形骸化している」 > 「原発再稼働が政治家と電力会社だけで決められていいのか？」 蓮池氏の訴えは、れいわ新選組の「弱い立場にある人々の代弁者」としての姿勢とも合致する。党としても「再稼働反対」を明言しており、今後の選挙戦では同原発問題を中心とした地域課題に加え、国民の声が届かない中央集権的政治構造の変革も訴える構えだ。 れいわの比例戦略　“再登板”に込められたメッセージ れいわ新選組は、参院選に向けて比例代表での戦いに重点を置く戦略をとっている。政党支持率では大政党に及ばないが、固定的な支持層に支えられ、戦術的に比例票を獲得していく構えだ。 蓮池氏のような“知名度と明確な主張を持つ候補”を再び擁立することは、党の理念と候補者個人の信念が一致していることの表れでもある。単なる「有名人候補」ではなく、実体験と主張に裏打ちされた戦い方が支持層の共感を呼ぶと期待されている。 > 「3回目の挑戦、これは本気の政治だと思う」 > 「れいわって賛否あるけど、こういう人を出す姿勢は評価する」 “脱原発”と“民意反映”の象徴として れいわ新選組にとって蓮池透氏は、単なる候補者以上の存在だ。彼の姿勢は、政府・電力会社・大手メディアがつくる「既成秩序」に対して、個人の声と尊厳を取り戻そうとするれいわの政治理念と重なる。拉致問題や原発問題という、政治が「タブー視」しがちな領域に踏み込む姿勢も、党の独自色を際立たせるものだ。 3度目の挑戦となる蓮池氏が、今回の参院選でどこまで票を伸ばせるのかは未知数だが、その存在が投げかける問いは、国政のあり方自体に向けられている。