2025-06-16 コメント投稿する ▼
吉野町のベテラン町議が太陽光業者から200万円収賄容疑 地元政治と再エネ利権の深い闇
10期連続の重鎮町議、収賄容疑で逮捕
奈良県吉野町で長年町政の中心にいたベテラン町議が、太陽光発電事業をめぐる収賄事件の渦中に立たされている。奈良県警は6月16日、吉野町議の西沢巧平容疑者(72)を収賄容疑で逮捕した。逮捕容疑は、町内で太陽光発電事業を進める東京都の業者に便宜を図る見返りとして、2023年9月に現金200万円を受け取ったというものだ。
同時に、贈賄の疑いで東京都港区の自称会社役員・真辺勝仁容疑者(59)と、同じく会社役員の伊藤仁志容疑者(63)も逮捕された。2人は金銭の送金を認めており、捜査は金の流れと便宜供与の実態に踏み込んでいる。
西沢容疑者は1992年(平成4年)に初当選して以来、町議を10期連続で務めてきた重鎮。過去に8回も議長を務めるなど、地元政治に強い影響力を持っていた人物だ。
“太陽光パネル税”を封じた見返りに
県警の調べによれば、西沢容疑者は2023年当時、町議会に「太陽光パネル税」の導入を検討する動きがある中で、議会への議案提出を妨げたり、議論自体を先送りにするなどの“便宜”を図っていた疑いがある。これは町内で再エネ事業を展開する業者にとっては大きな利益となるもので、業者側が見返りとして西沢容疑者の銀行口座に200万円を振り込んだとされる。
この「太陽光パネル税」は、急増するメガソーラー施設の環境影響や景観破壊への対策として、全国の地方自治体で導入の是非が議論されている。吉野町も例外ではなく、林地や斜面を切り開いて設置される太陽光パネルに対する住民の反発は根強い。だがその中で、町政の中枢にいた人物が業者と癒着していたとすれば、住民の信頼は根底から覆されることになる。
「やっぱり再エネ利権と政治家の癒着はあるんだな…」
「環境破壊を止めるどころか、金で黙らせてたってことか」
「長年議員やってる人がこれじゃ、町政全体が腐ってる」
「太陽光はクリーンじゃなくてグレーなんじゃないの」
「住民の安全と自然を売って200万…安すぎる裏切りだ」
ネット上では、再生可能エネルギーと自治体政治の関係に疑問の声が多く上がっている。
“地方の顔役”にありがちな利権構造
西沢容疑者は町議10期という長期政権の中で、地元企業とのパイプや行政との調整能力を武器に、議会運営の要とされてきた人物だ。その一方で、長期にわたる在任はしばしば利権構造や“なれ合い政治”を生みやすい温床にもなる。
太陽光発電という名目で広がる公共性の強い事業は、しばしば地元議員を通じた「調整」や「根回し」が求められる。議会での税制判断や住民説明、土地の使用同意など、多くのステップで地元政治の関与が不可欠なためだ。
そのため再エネ事業は、原発ほどの国家的関与が少ない分、地方での“顔役”と業者の関係がブラックボックス化しやすい構造を持っている。今回の事件は、その構造的な危うさが表面化した一例とも言える。
再エネ利権の裏に潜む“クリーンでない現実”
再生可能エネルギーは地球温暖化対策やエネルギー安全保障の柱として推進されてきた。だが、その導入が全国各地で急激に進む中、開発業者による乱開発や環境破壊、地元住民との摩擦が表面化しつつある。
とりわけ太陽光発電は、比較的小規模資本でも始められることから参入障壁が低く、場合によっては「地元の政治家に取り入れば通せる」といった不透明な関係も生まれている。補助金制度や固定価格買い取り制度(FIT)などの“制度的うま味”がある中で、正規のプロセスを飛び越えた“便宜供与”が横行すれば、再エネの理念そのものが損なわれかねない。
今回の事件は、再エネ事業が「持続可能性」ではなく「利権の温床」になってしまう危険性を象徴している。
問われる政治倫理と制度の抜本見直し
西沢容疑者は現在、容疑を一部否認しているというが、現金の受領自体は事実として認定されており、議員としての責任は免れない。地方議会においても、長期在任や不透明な人間関係がもたらす腐敗構造を抑止する仕組みが求められる。
再エネ政策は本来、環境保護とエネルギー安全保障という公共の利益のためにあるべきものだ。それが金銭のやり取りで左右されるようでは、国民の支持は失われる。
政治家による収賄事件が起きるたびに「政治倫理の強化」が叫ばれるが、何も変わらないまま時間だけが過ぎてきた。企業献金や業者との密接な関係を温存したままでは、再エネも政治もクリーンにはなり得ない。
制度の抜け穴をふさぎ、地域住民が正当な情報に基づいて判断できる環境づくりこそ、今求められている。