知事 吉村洋文の活動・発言など - 3ページ目
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活動報告・発言
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高校無償化、自民・維新・公明が合意 1000億円の増税負担は許されない
増税ありきの「無責任な施策」、財源論が置き去り 自民、日本維新の会、公明の3党が10月29日、高校授業料無償化の実務者協議を国会内で開き、2026年度からの具体的な実施方法について正式合意した。私立全日制の支援金上限を現在の39万6000円から45万7000円に引き上げ、所得制限を撤廃して全世帯を対象とする内容だ。一見すると「教育負担軽減」という名目だが、その本質は税負担の拡大による国民への負担増であり、極めて無責任な政策決定と言わざるを得ない。同時に、政府が掲げるべき「物価高対策」という最優先課題をおろそかにする、政治的妥協の産物である。 高校授業料の無償化には、2025年度から2026年度にかけておよそ1000億円から1500億円の追加財源が必要とされている。政府は「財源については別途示す」と述べているが、現在の日本の厳しい財政状況を考えれば、その財源が何から生み出されるのかは明白である。すなわち、新たな増税か、あるいは新規国債発行による将来世代への負債先送り以外の道はない。衆議院予算委員会でも野党議員から「結局、増税するっていうことですけど」という鋭い指摘が相次いでいる。このような無責任な財源論の先送りは、国民への背信行為である。全世帯を対象とする支援拡大は、所得に余裕のある世帯も含めた逆進的な施策であり、現在の経済状況下では許されない選択肢である。 >「教育は大切だけど、財源なしに無償化って本当に成り立つの?」 >「結局は増税か借金。今の親世代が得して、子どもの世代が負担するのか」 >「定員割れ高校に通う子もいるのに全員無料にするのはおかしい」 >「高い授業料の私立を無償化するくらいなら、質の悪い高校は閉じるべき」 >「自分で稼いだお金から税金取られて、金持ちの子の学費を払わされるのは納得できない」 定員割れ、質の低下、無責任な政策の矛盾 より深刻な問題は、現在の高校教育現場の実態を完全に無視した、場当たり的な政策であることだ。全国の公立高校の中には定員割れが常態化している学校が多数存在しており、東京都立高校でも4分の1が定員割れの状況にある。大阪府では高校無償化を先行実施した結果、府立高の過半数が定員割れし、教育現場の混乱が生じている。このような事実を前にしながら、3党は無責任にも無償化の拡大を推し進めている。 定員割れが生じている理由は、生徒の質的低下と、実質的に遊びに高校に通っている生徒が相当数いるという現実である。高校進学率が99%を超える日本では、本来高校進学すべきでない生徒までが入学しており、教育現場は疲弊している。高い学力を持つ生徒の教育水準の維持が脅かされている。こうした状況で単に授業料を無償化すれば、むしろ問題は深刻化するだけである。無意味な進学を促進し、教育現場の質的低下をさらに招くリスクが高い。 必要な施策は、以下の通りである。第一に、定員数の大幅削減と高校の統廃合である。定員割れしている高校から順に統廃合を進め、教育の質を維持できる規模に集約する必要がある。定員割れが常態化している学校にまで公費を投入することは、国家資源の浪費である。第二に、厳格な成績管理制度の導入である。一定水準以上の成績を取得できない生徒に対しては、退学または授業料負担の継続を求める制度を導入すべきだ。これにより、進学の門戸を狭め、教育の質を保証する。第三に、無償化の所得制限の維持である。余裕のある家庭にまで税金で授業料を補助することは、国民の納得を得られない。真に支援が必要な低所得世帯に重点配分すべきである。 高市政権は物価高対策に資源を集中すべき 高市早苗首相は、政権発足後「物価高対策」を最優先課題として掲げてきた。実際に、物価高は明らかに数十年に渡る自民党の失策の結果であり、財政出動や減税による対策は一刻の猶予も許されない状況にある。食料品、エネルギー、生活必需品など、国民生活に直結する品目の価格上昇に直面する現在、限られた財政資源は物価対策に集中すべき時である。 それにもかかわらず、3党が推し進める高校無償化は、国民全体からの増税によって、高所得層の子弟までを支援する逆進的な施策である。教育水準の維持が必要であることは確かだが、その手段が所得制限なしの無償化である必要はない。むしろ、物価高で苦しむ低所得世帯への教育支援を強化する一方で、余裕のある世帯は相応の負担を続けるべきである。国民から広く徴税し、高所得家庭に還元する仕組みは、不公正この上ない。 政府は今、拙速な政治的妥協に陥るべきではなく、国民の生活を第一に考えた責任ある政策決定を求められている。高校無償化の拡大ありきで進むのではなく、財源確保の道筋を明らかにし、現場の教育改革とセットで検討し直すべき時である。政治的な得点稼ぎのための無責任な施策は、日本の国力を蝕む。
維新・吉村洋文代表が日米首脳会談を評価「高市首相とトランプ大統領が信頼関係構築」強いリーダー論を展開
日本維新の会の吉村洋文代表は2025年10月28日、高市早苗首相とドナルド・トランプ米大統領による初の日米首脳会談について、高い評価を示しました。大阪府庁で記者団の取材に応じた吉村氏は、強いリーダー同士の信頼関係構築の重要性を強調し、高市政権を支える立場から期待を表明しました。 吉村氏が日米首脳会談を高評価 吉村氏は28日、大阪府庁で記者団の取材に応じ、今回の日米首脳会談について見解を述べました。高市首相が初顔合わせでトランプ大統領と信頼関係を築くことができたと前向きに評価した吉村氏は、この会談が日本の国益にとって極めて重要だったと強調しました。 首脳会談では日米同盟の強化が確認されたほか、レアアースなどの重要鉱物の供給確保に関する文書への署名も行われました。吉村氏はこれらの成果を踏まえ、安全保障の観点から有意義な会談だったとの認識を示しました。 >「トランプ大統領が訪日って聞いて、これは日本の未来にとって大事な会談になると思ってた」 >「高市さんとトランプ氏、相性良さそうだなって感じたわ」 G20大阪サミットでの対面経験を語る 吉村氏は2019年のG20大阪サミットの際にトランプ氏と対面した経験があります。当時、大阪府知事に就任したばかりだった吉村氏は、議長国として大阪で開催された国際会議でトランプ氏と直接対話する機会を得ました。 その経験を踏まえ、吉村氏はトランプ氏について独自の分析を披露しました。方向性をはっきり示される強いリーダーだとトランプ氏を評価した吉村氏は、そういったタイプのリーダーは相手にも強いリーダーを求めるパターンが多く、個人的な信頼関係を重視する傾向にあると指摘しました。 吉村氏は自身のSNSにG20大阪サミット時のトランプ氏とのツーショット写真を投稿し、当時は安倍晋三首相だったが今回は高市首相だと振り返りました。その上で、日本の国益を正面からぶつけてほしいとエールを送り、双方の国益を第一に考えてぶつけ合う強いリーダー同士から真の友情と深い関係が生まれると述べました。 >「政治家同士の信頼関係って、国民が思ってる以上に大事なんだよね」 >「強いリーダーどうしだからこそ、本音でぶつかり合える関係になれる」 強いリーダー論を展開 吉村氏の発言で注目されるのは、強いリーダーシップに対する独自の見解です。トランプ氏のような強いリーダーは、相手にも同様の強さを求め、個人的な信頼関係を重視する傾向があると分析しました。 この分析は、吉村氏自身が大阪府政や維新の代表として培ってきた経験に基づくものと考えられます。吉村氏は高市首相について、日本の強いリーダーとして引っ張っていくと期待を寄せ、維新としても強い日本を目指していきたいと意気込みを語りました。 今回の首脳会談では、高市首相がトランプ氏に対し、日米同盟の新たな黄金時代を共に作り上げたいと述べました。トランプ氏も日米は最強レベルの同盟国だと発言し、相互に高い評価を示し合う場面が目立ちました。 連立政権を支える立場から支持表明 吉村氏率いる日本維新の会は、自民党との連立協議を進めており、10月20日に高市氏と合意文書に署名しました。維新は閣外協力の形で高市政権を支える方針を示しています。 吉村氏は維新の代表として、議員定数削減や企業団体献金の廃止などの政策実現を自民党に求めてきました。連立協議では、これらの維新の主張が一定程度受け入れられる形で合意に至りました。 >国民に対する約束は守らない政治にはうんざりしてる 高市政権を支える立場となった吉村氏にとって、今回の日米首脳会談の成功は、連立政権の門出を飾る好材料となりました。吉村氏の評価は、高市首相への期待を表明すると同時に、維新が支える政権が国際舞台で成果を上げたことへの満足感も含まれていると見られます。 今後の政権運営への影響 今回の日米首脳会談では、経済面でも重要な合意がなされました。トヨタ自動車が米国内に100億ドル約1兆5300億円を超える規模の自動車工場を建設する計画が明らかになったほか、レアアースと重要鉱物に関する協力文書への署名も行われました。 高市首相は防衛費の増額についても日本として主体的に取り組む決意を伝えました。会談後、両首脳は米海軍横須賀基地を訪問し、原子力空母ジョージ・ワシントンで演説を行いました。 吉村氏の評価は、連立政権を支える立場からの高市首相への期待を表明したものといえます。強いリーダーシップを持つ首相が、同じく強いリーダーシップを持つトランプ大統領と良好な関係を築くことで、日米同盟がさらに強固なものになるとの期待が込められています。 今回の日米首脳会談の成功は、高市政権にとって就任約1週間での大きな外交成果となりました。高い内閣支持率と合わせて、今後の政権運営に弾みがつく可能性があります。吉村氏の評価は、維新が支える政権の外交手腕を認めるものであり、連立政権の結束を示すメッセージともなっています。 ※為替レート:1ドル153円で換算2025年10月28日時点
大阪府が外国人課税案を非公開検討 国籍無差別条項で法的懸念・維新政権
日本維新の会・吉村大阪府知事、外国人観光客課税を非公開検討 国籍無差別条項で法的課題 日本維新の会に属する吉村洋文大阪府知事の下で進められている観光客受入環境整備事業に関し、10月30日に開催予定の検討会議が非公開で実施されることが明らかになりました。この会議では、外国人旅行者への新たな課税制度の法的課題について検討される予定であり、国籍無差別条項に抵触する可能性が指摘されています。 大阪府観光戦略の転換点 大阪府では、2017年1月から法定外目的税として宿泊税を導入してきました。近年の外国人観光客の増加に伴い、同府は観光客受入環境整備の推進に向けた調査検討を進めており、新たな財源確保策の一環として、外国人旅行者に対する課税制度の導入を検討しています。大阪・関西万博の開催を控え、府内の観光インフラ整備をさらに加速させる必要があるとの判断が背景にあります。 >「外国人旅行者への課税は観光政策として重要な選択肢かもしれませんね」 >「法的な課題があるなら慎重に進めるべきでは」 >「地域住民と外国人旅行者の共存という視点も必要だと思います」 >「国籍に関係なく宿泊税を取ればいいじゃん」 >「国交省や地元の意見をしっかり聞くべきですね」 今年度に開催された過去3回の会議では、外国人旅行者に対する課税構想について多角的な検討が行われてきました。府が提示した制度案に対し、複数の構成委員から法的問題と実務的課題に関する指摘が相次いでいます。 浮上した法的課題と実務的懸念 検討会議の議事録に記載された意見によると、複数の観点から課題が指摘されています。まず、地域住民との関係では、外国人観光客の来訪がもたらすメリットを地域住民に正しく理解してもらう取り組みが必須であるとの意見が出ています。経済効果の一方的な強調ではなく、観光受入による地域への利益還元を明確にすることが課題として認識されています。 次に、負担の根拠という観点からの指摘があります。外国人旅行者に特別な費用負担を求めることについて、観光地で発生する課題が必ずしも外国人旅行者のみに起因するものではないことから、負担の根拠を明確に示すことが困難であると複数の委員が指摘しています。オーバーツーリズム対策として一見妥当に見える施策も、その正当性の実証に課題を抱えているという判断です。 最も重要な指摘は、国際租税法における原則についてです。委員会では、「大阪府が外国人旅行者に対して課税する場合、国籍無差別条項に抵触する可能性がある」という法的見地からの警告がなされています。国籍無差別条項は、主に租税条約に規定される国際的な原則で、締約国間での国籍の違いを理由とする差別的な課税取扱いを禁止するものです。 非公開決定の背景と国籍無差別条項の意味 10月30日の会議が非公開で実施されることは、こうした複雑な法的問題を孕んでいることを示唆しています。大阪府は、自治体レベルでの課税制度設計が、国家間の租税条約に基づく原則とどのように整合するのか、という問題に直面しているのです。 国籍無差別条項は、OECD租税委員会によって国際的な租税条約の標準モデルに組み込まれた条項です。日本が複数国と締結した租税条約の多くにおいて、国籍を理由とした税制上の差別を禁止する規定が盛り込まれています。外国人旅行者に対する課税が「国籍」という属性のみを根拠としている場合、こうした条約上の原則に抵触する可能性があるのです。 今後の検討課題と政策判断 大阪府の検討会は、観光地における地域住民と観光客の関係、財源確保の必要性、そして国際的な租税法における法的制約のバランスを取ることの難しさを浮き彫りにしています。宿泊税の引き上げなど既存の制度を活用する方法と、新たな課税制度を導入する方法のどちらが適切かは、法的妥当性と政策効果の双方から検討される必要があります。 同府が非公開会議で進める検討は、こうした複雑な課題を整理し、法的問題をどう解決するかについての判断を迫られているプロセスを示しています。
吉村洋文知事が海鮮丼で大阪湾をPR、全国豊かな海づくり大会2026年11月開催
大阪湾の海の幸を全国にPR 吉村洋文大阪府知事は2025年10月26日、大阪府内で開催された第45回全国豊かな海づくり大会「魚庭(なにわ)の海おおさか大会」のプレイベントに出席し、大阪湾で水揚げされたシラス、サワラ、タコが入った海鮮丼を、タレントのさかなクンと一緒に頬張りながら、地元産の海産物を全国に向けてPRしました。 大阪府では初となる全国大会の開催を控え、府内の機運を高める取り組みが本格化しています。 岸和田市での開会式では、吉村知事が「大阪湾はおいしい魚が取れるが、知られていない面がある。豊かな恵みを伝えたい」とコメント。泉佐野市での海上行事では、小雨の中、体長10センチほどのヒラメとキジハタの稚魚を放流し、大会成功を誓いました。集結した大小の漁船が大漁旗をなびかせてパレードを行い、大阪湾の豊かな水産資源をアピールしました。 >「大阪湾の魚って安全なのか気になってたけど、こんなに種類が多くておいしいんだ」 >「子どもに新鮮な地元の魚を食べさせたいけど、どこで買えるかわからない」 >「シラスとサワラって、こんな高い値段で売られてるんですね。漁師さんの工夫があるんだ」 >「大阪湾のタコは本当に有名なんだ。次の家族旅行は貝塚か岸和田に行きたいな」 >「知事が自分で食べてアピールするとは。地元産の魚をもっと買いたくなりました」 古い時代から「魚庭の海」と呼ばれた豊かさ 全国豊かな海づくり大会は、水産資源の保護・管理と海や湖沼・河川の環境保全の大切さを広く国民に訴えるとともに、つくり育てる漁業の推進を通じて漁業の振興と発展を図ることを目的としており、1981年(昭和56年)から毎年全国各地で開催されている国民的行事です。大会式典には天皇・皇后両陛下の出席が慣例となっており、全国植樹祭・国民スポーツ大会・国民文化祭と並び「四大行幸啓」の一つに位置付けられています。 大阪府での開催は初となり、「魚庭(なにわ)の海おおさか大会」と名付けられました。大阪という地名は、古く「魚がたくさんいる海」を意味する「魚庭(なにわ)」に由来するとも言われ、豊富な海の幸は古来より「天下の台所」である大阪を支えてきました。大阪湾は瀬戸内海の東端に位置し、多くの河川が流入することで、魚介類のエサとなる生物が豊富な好漁場として知られています。 大阪湾の水産業を支えるシラス、サワラ、タコ 大阪湾で漁獲される主な水産物は、イワシ類、イカナゴ、アナゴ、ハモ、カレイ類、エビ類、サバ類、アジ類、貝類、シャコ、サワラなど多種多様です。なかでもシラスは、カタクチイワシの稚魚で、2隻の網船が海中に網を下ろし並走しながら漁獲する「船びき網」漁法で知られています。大阪のシラスは「甘い」と評される高品質な産品で、水揚げ後すぐに入札にかけられ、釜揚げシラスやちりめんに加工されます。 サワラについても、大阪湾は重要な漁場です。1990年代に漁獲量が大幅に減少したため、瀬戸内海沿岸の11府県が広域的な資源管理に乗り出し、禁漁期間や操業時間を定めるなどの取り組みを行ってきました。その結果、資源が回復し、現在では秋が食べ頃として高く評価されています。タコについても、大阪湾では初夏から夏にかけて漁が盛んで、関西の食文化を代表する水産物となっています。 しかし、高度成長期に「工業のための海」とされた歴史から、大阪湾の魚介類に対して「食べるのに問題はないが、進んで食べたくない」というイメージを持つ人も存在するのが課題でした。吉村知事が今回、直接海産物を食べてPRした背景には、こうした古いイメージを払拭し、大阪湾の豊かさを改めて全国に認識させようとの意図があります。 2026年11月の全国大会に向けた準備進む 第45回全国豊かな海づくり大会は、2026年11月14日から15日にかけて開催が予定されています。式典行事は岸和田市の南海浪切ホールで、海上歓迎・放流行事は泉佐野市の府営りんくう公園シーサイドウォークで行われる予定です。天皇・皇后両陛下のご出席も予定されており、大阪府にとって極めて重要なイベントとなります。 府によると、海に面した都道府県で他に全国豊かな海づくり大会の開催実績がないのは東京都と岡山県のみで、今回の大阪大会は全国的に大きな注目を集めるものとなります。大阪湾の漁業者たちも、この機会を活用して、シラス、サワラ、タコなどの優れた水産物を全国の消費者に直接アピールすることで、販路拡大と漁業振興につなげたいと考えています。吉村知事の海鮮丼アピールは、その機運醸成の第一歩となるものです。
吉村維新代表、旧民主党の「比例80減」公約引き合いに野田立民批判―定数削減で政策主張
定数削減「やらない理由あふれる」 維新・吉村氏が立民批判 野党の約束実現せずに陥った矛盾 日本維新の会の吉村洋文代表は2025年10月26日、衆院議員定数削減をめぐり、立憲民主党の野田佳彦代表の慎重姿勢を強く批判しました。自身のX(旧ツイッター)での投稿で、旧民主党が2012年の総選挙で掲げた「比例代表80減」の公約を引き合いに出し、「実現が近くなるとやらない理由であふれる」と指摘。政治改革の実行を求める維新の決意の強さが際立ちました。 過去の約束が重くのしかかる野田氏の複雑な立場 野田氏は2025年10月24日の記者会見で、自民党と維新の連立合意に盛り込まれた定数削減について、「小選挙区と比例のバランスを取り、どう削減するかという丁寧な議論が必要だ」と述べていました。しかし吉村氏や維新の藤田文武共同代表は、この発言に異議を唱えました。藤田氏はX上で、比例80減を盛り込んだ旧民主党の選挙公約を添付し「当時をよく思い出してください」と揶揄するなど、野田氏自身の過去の公約との矛盾を指摘する形で反論しています。 野田氏は2012年11月の党首討論で、当時の総理大臣として安倍晋三自民党総裁(当時)と議員定数削減を条件に衆院解散に合意した経験があります。しかし翌年の政権交代後、その約束は十分には履行されず、野田氏自身が「だまされた」と述べるほど、悔恨が深いものとなっていました。 >「なぜ十年以上もやらなかったんだ?当時から言ってたじゃん」 >「野田さんのときの約束、実現してないなら今こそやるべきでは?」 >「比例80減の公約を掲げておいて、今は『丁寧な議論』って。議論に逃げてるように見えちゃう」 >「維新の吉村さんは本気度が違う。大阪でやった成果が評価されてるんだと思う」 >「政治改革って、結局は政治家が自分の椅子に執着してるから進まないんだよな」 「身を切る改革」を標榜する維新の攻撃的姿勢 自民党と維新の連立合意書では、衆院議員定数を2025年臨時国会で1割程度削減することを目指すと記載されており、維新は比例代表の約50議席削減を想定しています。吉村氏は「定数削減ができなければ、日本の本質的な改革もできない」と述べ、これを「一丁目一番地」の政策に位置付けています。 維新は結党時から「身を切る改革」を掲げ、大阪府議会の定数を109から88に削減した実績もあり、その主張に一定の説得力を持っています。一方、立民内からも反発の声が上がっており、立民の藤原規真衆院議員は、野田氏の「悲願」発言に対し「随分ちっぽけな悲願だ」と投稿し、定数削減反対の立場を表明しています。 政治資金規正法改正との優先順位めぐる対立 野田氏は定数削減よりも、政治資金問題の決着を先に進めるべきだと主張しており、「政治資金の問題をうやむやにして定数削減に進むのは順番が間違っている」と述べていました。公明党が自民との連立から離脱したのも、企業・団体献金に関する立場の相違が主な理由とされ、政治資金の信頼回復が喫緊の課題だという野党側の認識もあります。 吉村氏は2025年10月24日のXで、高市首相の所信表明演説で野党議員がやじを飛ばしたことに触れ、「あのやじが仕事になる。国会議員の定数大幅削減だよ」と皮肉を交えて批判。政治改革の実現を求める維新の強硬姿勢と、慎重論を唱える野党の対立が、今後の政治日程における重要な争点となる見通しです。
ビートたけし、維新の「名前だけ売るつもり」を疑問視──高市政権の基盤不安定性
政治評論家からの警告 テレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」(日曜正午)に出演したビートたけし氏(78歳)が、2025年10月26日放送で、自民党と日本維新の会の連立政権に対する強い違和感を表明しました。高市早苗首相(64歳)が日本初の女性首相として誕生して数日後の放送となった今回、ビートたけし氏は維新の「閣外協力」という立場に対して、容赦のない批判を展開しました。 番組冒頭、ビートたけし氏は自民と維新の連立について「今度は維新とくっついたって、誰も維新が内閣とか重要なポストを占めてなくて」と指摘しました。その後、維新の政治的な動きについてさらに踏み込み、「様子見で降りるつもりだろうとか、名前だけ売るつもりじゃねえかとかさ、そんなことばっかし考えちゃうんだけど」と述べ、維新の本気度への疑問を明らかにしたのです。 閣外協力という責任回避戦略 高市政権の発足過程で、維新は「閣外協力」という異例の形で連立に参加しました。通常の連立政権では、連立を組む政党から複数の大臣や副大臣を政権に送り込むのが慣例です。しかし維新は、自民党の要望にもかかわらず、大臣ポストを辞退し、国会運営や予算・法案成立での協力にとどめることを選択したのです。 自民党の高市総裁は、当初維新に対して複数の大臣ポスト、特に総務大臣と厚生労働大臣の提供を打診していました。これらは維新が連立条件として掲げていた副首都構想と社会保障改革に直結する重要なポストです。にもかかわらず、維新はこれらのポストを受け入れず、当面は首相補佐官として遠藤敬国会対策委員長を官邸に入れることにとどめました。 維新の幹部は「政策実現の実績を築いた上で、改めて大臣就任を判断する」という説明をしていますが、実際には与党経験の乏しさや、大臣就任に伴うリスク回避の意図があるとも指摘されています。政権運営に関わりながらも、責任は限定的という「半身の連立」体制は、政治的な安定性を大きく損なわせるものです。 >様子見で降りるつもりだろう、名前だけ売るつもりじゃねえか 極度に脆弱な政治基盤 ビートたけし氏の指摘は、高市政権が抱える根本的な課題を浮き彫りにしています。衆参両院で自民党と維新の合わせた議席数は、決して圧倒的多数ではなく、政権運営は綱渡り状態にあります。衆院では自民196議席、維新35議席で合計231議席。これに対して過半数は233議席で、わずか2議席足りない状況から、無所属議員の協力によってようやく1回目の投票で高市氏が選出されました。 維新が「様子見」で政権を離脱するようなことになれば、政権は一気に危機に瀕することになります。参院でも維新の協力は不可欠です。ビートたけし氏の発言は、こうした脆弱な政治基盤を鋭く指摘するものとなっています。テレビ朝日系の番組では、同番組ゲストの参政党・神谷宗幣代表も登場予定で、高市政権への期待と不安について議論が展開されることになっていました。 >名前だけ売るつもりじゃねえか 政治とカネ問題の棚上げ 自民・維新の連立合意では、企業・団体献金の取扱いをめぐって見解の相違が明らかになりました。自民党は「禁止より公開」を主張し、維新は「完全廃止」を掲げていますが、結局は協議体を設置して継続協議とされました。この政治とカネの問題こそ、国民が最も疑いを抱く領域です。 ビートたけし氏の指摘は、連立の名目が「国民のための政治」ではなく、各党が自らの政治的プレゼンスを高めるための駆け引きになっていないかという警告でもあります。維新が大臣ポストを辞退した背景には、政策実現の責任回避とも取れる戦略がある可能性もあります。高市首相は当面、政権基盤の安定化と国民的信頼の獲得に全力を傾ける必要があり、ビートたけし氏の指摘は政治論議において見過ごせない重要な指摘となっています。 >政治とカネをクリーンにすること、透明性をもって公開することが有権者から評価につながる
高市首相の所信表明演説ヤジ問題、維新・吉村代表が議員定数削減の根拠に—国会の品位問う
高市首相の所信表明演説を襲ったヤジ問題、維新・吉村代表が「議員定数削減」と結びつけて強烈批判 2025年10月24日、高市早苗首相が衆参両院の本会議で就任後初めての所信表明演説を行いました。演説中に野党側から相次いだヤジを受けて、日本維新の会の吉村洋文代表が強い批判の声を上げています。吉村代表は自身のX(旧ツイッター)で「高市総理の所信表明に対する国会のやじは酷いな。もうやめた方がいいよ」と指摘し、さらに維新が自民党との連立条件として掲げる国会議員定数の大幅削減につなげて、ヤジ議員への不快感を表現しました。 演説中に飛び交った相次ぐヤジ、見守る国民から反発の声 高市首相が演説を開始した直後から、野党席からは「統一教会」「裏金問題解決しましょう」「暫定税率はどうした」など、政権への批判を含むヤジが相次ぎました。高市首相は「わたくしは、ニッポンとニッポン人の底力を信じてやまない」と、ヤジに応じることなく演説を続けたものの、与党席からは「静かにしろ」「聞こえないんだよ」と野党をいさめる声も挙がり、議場は一時騒然となります。演説が進む中でも、ヤジは止むことなく、首相が話を中断する場面も見られました。 ネット上ではヤジに対する批判が殺到。「小学生以下か」「まず聞こうよ」「下品すぎる」といった声が相次ぎ、「ヤジ議員」はツイッターのトレンド入りしました。複数の立憲民主党議員への批判も拡散する中、国民からは「民主主義の基本をわきまえているのか」という疑問の声も出ています。 維新・吉村代表、ヤジを「議員定数削減」の根拠に 吉村代表の批判のポイントは、単なるヤジへの不快感だけではありません。代表は複数のポストで段階的に主張を展開させました。まず「反対意見や批判はあるとしても、人の話はちゃんと聞こう。子供に見せれない。恥ずかしいよ」と、民主主義の基本的なマナーを諭します。 その後、代表は「あのやじが仕事になる。国会議員の定数大幅削減だよ」とポストを続けました。維新が自民党との連立を樹立する絶対条件として掲げた議員定数削減。吉村代表は今回のヤジ問題を、議員数を減らす必要性の有力な根拠として活用した形です。 連立合意書では、衆議院議員定数を「一割を目標に削減するため、令和七年臨時国会内において議員立法案を提出し、成立を目指す」と明記されています。吉村代表の発言は、この政策実現への決意を改めて示すとともに、ヤジ議員への厳しい評価を国民に印象づけるものとなっています。 SNS上では共感と異論が相半ば 吉村代表の投稿に対しては、「あー、やっぱり無駄な国会議員多いわ」「子供達に、いつも、静かに人の話を聞きなさいって教えてるのに、あれはね」「人の話を黙って聞けない人たちが、人の声を拾えるとは思えません」など、共感の声が寄せられています。 一方で、批判の声も存在します。「定数とやじに何の関係もない」「定数とは関係なく、野次は野次で対処が必要」「量と質を混同してはいけない」といった指摘が届いており、ヤジ問題と議員定数削減を結びつけることについて、議論の余地が残る形となっています。 高市首相、演説内容で経済再生と防衛力強化を強調 高市首相の所信表明演説の内容は、「不安を希望に変える日本へ」をテーマに、経済再生や防衛力の強化に重点が置かれました。演説では物価高対策、危機管理、成長投資の3本柱を柱に、防衛費を令和7年度にGDP比2%に増額する方針が示されています。演説終了後、高市首相はXで「日本列島を強く豊かにするビジョンを、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す決意を表明しました」と述べ、政権の基本姿勢を強調しています。 SNS上では、所信表明の内容を評価する声も相次いでおり、「素晴らしかったです」「所信表明を聞いて拍手しました」といった肯定的な反応がある一方で、ヤジ問題によって演説の質的評価が損なわれたとの指摘も出ています。国会の品位を巡る議論は、今後の政治姿勢にも影響を与える可能性があります。 >「国会議員がこんなヤジをしていては、国民の信頼なんて得られませんよ」 >「吉村さんの言う通り。自分の子どもにこの国会の映像、見せられないわ」 >「ヤジと定数削減は別問題。政治改革はまず国会の質から改善すべき」 >「高市首相は立派に演説を続けた。野党議員のマナー意識はどうなってるのか」 >「民主主義は対話の積み重ね。ヤジだけでなく、与党と野党が建設的に協議する文化が必要」
公約副首都構想で「大きな前進」 吉村維新代表、高市首相所信表明を評価も候補地選定が課題
日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は10月24日、高市早苗首相が国会で同日行った所信表明演説を「われわれとして絶対に譲れない副首都や社会保障の必要性を表明された。大きな前進だ」と評価しました。府庁での記者団の取材に応じた吉村氏は、高市政権が維新の主要政策を取り上げたことを連立合意の実行段階へと進む契機と位置づけています。ただし、副首都構想の具体的な候補地選定には、国家的規模での慎重な検討が不可欠とされています。 副首都構想と所信表明の位置づけ 高市首相は所信表明演説で「首都および副首都の責務と機能に関する検討を急ぎます」と述べ、維新が連立の「絶対条件」に掲げていた副首都構想について方針を示しました。吉村氏は「これからはその中身を実行していく段に入った。与党として協力しながら、進めていきたい」と述べ、法案化に向けた実務段階への移行を示唆しています。 副首都構想は、東京に大規模災害などが発生した場合に首都機能をバックアップする役割を果たすとともに、東京一極集中の是正を目指すものとされています。維新は参院選で「災害等の発生時に首都中枢機能を代替できる副首都をつくり、中央省庁をはじめとした首都機能の一部を移転することで、東京一極集中から段階的に多極型の日本社会へと転換させる」と公約に掲げていました。一方で、独立行政法人の移転や公的機関の分散には莫大な財政負担が伴うことが予想されます。 議員定数削減と共通認識の形成 一方、議員定数削減についての言及は高市首相の所信表明には含まれませんでした。吉村氏は「国会で決めることであって、総理として表明するものではないということだ」としつつも、「自民党と維新が絶対にやらなきゃいけないことなんだということの共通認識が持てていると思う」と語っています。定数削減は連立合意の重要な課題であり、今国会での法案提出を目指す方針が維新と自民党の間で確認されています。 連立合意書では「1割を目標に衆院議員定数を削減する」と明記されており、維新側は今国会での法案提出が実現しなければ連立離脱も辞さないとの強い姿勢を示していました。自民党内にも定数削減に慎重な意見があり、党内調整が進められています。 >「副首都構想って、結局大阪のことでしょ。なぜ大阪ありきなの」 >「首都機能のバックアップなら、もっと別の場所が適切じゃないか。日本海側とか」 >「防災拠点は分散させるべきだから、一か所に集中する構想はおかしい」 >「地方創生を本気で考えるなら、既に人口が多い大阪じゃなくて、地域を活性化させる場所を選ぶべき」 >「人口集中をさらに加速させるだけで、東京一極集中の解決にはならないんじゃ」 代替地選定と国家的検討の必要性 副首都構想の実現に向けては、候補地の選定が重要な課題になります。維新が主張する大阪以外にも、日本海側の地域がバックアップ機能の整備地として適切である可能性が指摘されています。大規模災害のリスク分散、地理的分散、地域経済の活性化といった観点から、新潟県や富山県など日本海側における防災拠点の整備は、単なる副首都機能の確保だけでなく、真の地方分散と地域活性化に資する選択肢となり得ます。 大阪はすでに全国有数の大都市であり、副首都機能を付与することで、さらなる人口と経済の集中をもたらす懸念があります。野村総合研究所の試算では、副首都構想の実現には4兆円から7.5兆円の莫大な財政支出が必要とされており、その投資が本当に地方活性化につながるのか、慎重な検証が求められます。 こうした事態を回避し、本当の意味での多極分散型国家構造の実現を目指すには、必ずしも都市規模が大きい地域だけでなく、地理的条件や防災機能の観点から最適な場所を選ぶ必要があります。日本海側の地域は、太平洋側との比較において災害リスクが異なり、バックアップ拠点としての機能性が高まる可能性があります。 高市政権と維新の連立体制が副首都構想の実現に向けた法案化作業を進める中で、国家戦略としての慎重な地域選定が求められています。単一の政党の主張に基づく構想ではなく、全国的な視点から最適なバックアップ拠点の設置を検討することが、日本全体の防災体制と地域活性化の両立につながるでしょう。
維新の議員定数削減は改革か論点そらしか 企業献金禁止棚上げで連立合意に批判
自民党と日本維新の会が2025年10月20日に連立政権樹立で合意し、衆院議員定数の1割削減を臨時国会で目指すことを盛り込みました。維新が連立の絶対条件としたこの提案について、政治改革の本質なのか、それとも企業献金禁止からの論点そらしなのか、議論が分かれています。 維新の吉村洋文代表は定数削減を改革の本質と位置づけ、藤田文武共同代表は政治家が自らに厳しい姿勢を示すためだと説明しています。裏金問題など自民党の金権体質に対する国民の不信感を背景に、身を切る改革をアピールする狙いがあります。 削減で減る支出は年35億円 国会議員50人の削減で減る支出は年約35億円にとどまります。一方、政党助成金は国民1人250円、年間総額約316億円を日本共産党以外の党が分け合っており、議員が減っても総額は変わらないため議員1人が受け取る額はかえって増えることになります。 議員定数削減は政治家の身を切るものではなく、切られるのは民意だという指摘があります。特に比例代表を削減し、大量の死票を生む小選挙区の割合を増やすことは、民意を無視した政治を可能にする突破口になるとの批判です。 >「議員を減らせば無駄が減ると思ったけど、政党助成金が1人当たり増えるなんて」 >「身を切る改革というなら政党助成金廃止が先では」 >「比例削減は少数政党を排除するだけ。民主主義の後退だ」 >「定数削減より企業献金禁止を優先すべきだった」 >「政治家が自分たちの都合で選挙制度を変えるのはおかしい」 企業献金禁止は棚上げに 維新はこれまで企業・団体献金の禁止を政治改革の柱として主張してきました。しかし、自民党との連立協議では、献金問題について協議体を設置して検討し、2027年9月までに結論を得るとするにとどめ、事実上棚上げされました。 7月の参院選で自公両党が過半数割れに追い込まれた最大の争点の一つが、裏金事件の解明と企業・団体献金の禁止でした。野党間の連携協議では基本政策の一致が不可欠だと繰り返してきた維新が、自民党との連立では論点を企業献金禁止から議員定数削減にすり替えたとの批判が出ています。 民意の反映が困難に 吉村氏は比例代表に復活当選の仕組みがあることを理由に、定数削減するなら比例代表だと述べています。小選挙区制と比例代表制が並立する現在の衆院の選挙制度は、小選挙区が民意を集約し、比例代表区が民意を反映するという仕組みです。 比例定数の削減は、大政党を一層有利にし、少数政党を議会から締め出すもので、多様な民意の反映をさらに困難にします。衆院選挙制度に関する協議会の逢沢一郎座長は、与野党で議員定数を含めあるべき選挙制度を議論中の状況で、自民・維新でいきなり定数削減は論外だと批判しました。 選挙制度は民主政治の基本的土台であり、少数会派を含め全ての党派が議論に参加し論点を詰めるべきものです。自民と維新の党略的な合意を一方的に優先させることに対し、立憲民主党は政治とカネの問題から目をそらそうとしているのではないかと批判しています。 2012年には政治家が身を切ると称し国会議員定数削減と引き換えに消費税10%への増税法が強行されました。維新の拠点である大阪府・市では議員定数削減と引き換えに公務員が減らされ、公立病院や府立高校が統廃合され行政サービスが低下した経緯があります。 身を切る改革は、政治家も身を切るからと国民に負担増を強い、社会保障を改悪し、行政サービスを削って国民に痛みを押しつけるための口実だという指摘があり、今回の定数削減提案をめぐる議論は今後も続きそうです。
維新・藤田氏「消費減税は事実上先送り」 副首都構想優先で国民の生活を犠牲に
消費減税“事実上の先送り” 維新の豹変に国民の怒り 「副首都構想優先」で減税棚上げ、自民との取引政治に不信拡大 日本維新の会の藤田文武共同代表は23日、ニッポン放送の番組で、自民党と結んだ連立政権合意書に盛り込まれた「2年間の食料品消費税ゼロ」について「事実上先送りになった」との認識を示した。 藤田氏は番組で、「高市早苗首相(自民党総裁)自身は減税に前向きだった」としたうえで、「短期間で自民党内をまとめ上げるのは厳しかった」と説明。さらに、「消費税に関する記述自体を合意書から除く案も当初は出ていた」と明かした。 この発言は、衆院選で「減税こそが国民生活の再建策」と訴えてきた維新の姿勢と真っ向から矛盾するものであり、有権者への重大な裏切り行為と断じざるを得ない。 「副首都構想」のための取引 減税は切り捨てられた 今回の連立合意は、自民党と維新が2025年10月中旬に締結したもので、柱には「副首都構想」「防衛装備品輸出の見直し」「旧姓の通称使用の法制化」などが盛り込まれている。一方で、国民が最も切実に求めていた消費減税は“検討”止まりとされ、時期も手法も明示されなかった。 特に問題なのは、維新が選挙公約で掲げた「消費税5%への減税」「食料品の消費税ゼロ」などが政権協議でほぼ消滅したことだ。藤田氏自身が「実現は先送り」と明言したことは、つまり国民への公約破棄の自白にほかならない。 維新がここまでして連立にこだわった背景には、「大阪・関西を軸にした副首都構想」の政府公認があるとみられる。自民党側は、この構想を政権合意の“目玉政策”として容認したが、その代償が「減税棚上げ」であるとすれば、国民生活を犠牲にした取引政治と言わざるを得ない。 減税を求めた民意を踏みにじる「政治ごっこ」 2024年衆院選で多くの有権者が求めたのは、「物価高で苦しむ国民の家計を支える減税」だった。にもかかわらず、政権与党と維新の合意はその期待を裏切った。 藤田氏が語ったように、高市首相が減税に前向きであったにもかかわらず、党内調整を理由に後退した事実は、政治の責任放棄そのものである。 経済学的にも、現下の実質賃金下落と消費低迷は「税負担と物価上昇のダブルパンチ」に起因している。食料品消費税を一時的にでもゼロにすれば、年間で平均世帯あたり約8万円の可処分所得増となる試算もある。それを「検討中」に留めたまま、副首都構想など地域利権色の強い政策を優先したのは、政治判断の順序が完全に逆だ。 有権者の視点からすれば、もはや「維新は改革政党ではなく、与党化した取引政党」に見えているだろう。選挙戦でのスローガン「身を切る改革」とは裏腹に、実際には“国民の可処分所得を切り捨てる”方向へと舵を切った。 政治の信用を損なう「先送り」という方便 「事実上の先送り」という表現は、政治用語において最も都合の良い逃げ口上である。実施時期も決断も明示せず、将来的な議論に含みを持たせることで、責任を曖昧にする。過去にも自民党政権は同じ手法で「検討中」を繰り返し、結果的に増税へと転じてきた経緯がある。 藤田氏の発言もその延長線上にあり、維新が自ら主張してきた「決断と実行の政治」とは真逆の行動だ。副首都構想や規制緩和のような構想論を優先する一方、家計を直撃する減税を棚上げする姿勢は、国民の政治不信をさらに深めるだけである。 筆者として率直に言う。国民の最優先課題は、地方再編でも行政改革でもなく、「物価と税負担に苦しむ生活の再建」である。 それを見誤り、国民が求める経済政策を「政権交渉のカード」に使うような維新の態度は、理念なき取引政治の典型だ。 維新は「改革政党」ではなく「妥協政党」と化した かつて維新は、「既得権を壊す」「国民に還元する」ことを旗印にしてきた。だが今回、連立のために消費減税を後回しにしたことで、国民への信頼を自ら捨てた。 国民が最も求めた「減税」という生活防衛策を蔑ろにし、政権入りの実利を優先したその姿勢は、“改革”を掲げた仮面の下に潜む打算と自己保身を露わにした。 今や維新は、改革勢力ではなく「自民補完勢力」として国民の前に立っている。副首都構想を進める前に、まず国民の生活を守る政策を実行するべきだ。 藤田氏の「先送り」発言は、維新が政権内でどれほど実権を握れていないかを示す証左であり、国民はその“本性”を見抜き始めている。 このままでは、維新が掲げてきた「日本を変える」という言葉は、空洞化したスローガンに堕ちるだろう。国民の生活を最優先にしない政治に、未来はない。
公約大阪万博海外館10億円未払い問題、解体工事にも影響か中小業者が倒産危機
2025年10月13日に閉幕した大阪・関西万博で、海外パビリオンの工事費未払い問題が深刻化しています。11カ国のパビリオンで30社を超える下請け業者が未払いを訴え、総額は10億円以上に達していますが、解決のめどは全く立っていません。国家プロジェクトの名の下で協力した中小業者が、倒産の危機に追い込まれる異常事態が続いています。 開幕に間に合わせた代償 京都市内の建設会社社長の男性は2025年9月30日、国会内で記者会見を開き、マルタ館の工事で約1億2000万円が未払いになっている窮状を訴えました。男性は同年6月、元請けの外資系イベント会社GLイベンツジャパンを相手取り、東京地裁に提訴しています。 >国家プロジェクトだから信頼して受注したのに、まさかこんなことになるとは思わなかった 訴状によると、2025年2月に契約し、開幕2日前の4月11日頃までに完成させました。工期はわずか2カ月という過酷なものでしたが、GLイベンツジャパン側は工事が遅れたなどとして、請負代金の一部と追加工事費を支払っていないとしています。男性は不眠不休で開幕に間に合わせましたが、その報酬が支払われない状態が続いています。 >不眠不休で働いて、幻覚を見る日もあった。地獄のような現場だった 外資系企業が引き起こす連鎖トラブル 日本国際博覧会協会によると、2025年9月までに11カ国のパビリオンの下請け業者から未払いの相談がありました。大半は元請けが外資系企業で、元請けと下請け、あるいは下請け同士でトラブルが起きています。被害者の会の集計では、支払いに影響が出ている業者は30社以上あり、未払い額は十数億円にのぼります。 >家賃が払えず住居を追われた。もう命しか差し出すものがない 特に深刻なのは、GLイベンツジャパンが元請けとなったマルタ、ドイツ、セルビア、ルーマニアの4館です。同社はこれらのパビリオンで複数の下請け業者から訴訟を起こされています。セルビア館とドイツ館の下請け業者は2025年8月、合わせて約3億2800万円の支払いを求めて提訴しました。GLイベンツジャパンは一部で和解の動きも出ているものの、係争中を理由に詳細な回答を差し控えています。 >工事の仕上がりに難癖をつけて、逆にペナルティを要求してくる。どういう会社なのか 短い工期が招いた悲劇 未払い問題の背景には、極端に短い工期があります。前回のドバイ万博は2021年10月から2022年3月末まで開催され、コロナ禍で1年延期されました。閉幕後に次の万博の準備に取りかかる参加国にとって猶予は3年しかなく、施工業者探しが遅れた上、資材費の高騰や人手不足も重なりました。 国内館は多くが2023年中に着工しましたが、海外館の建設が本格化したのは2024年以降でした。トラブルがあった11館のうち9館は、参加国が自前で建てるタイプAのパビリオンで、国内の大手ゼネコンは受注しませんでした。デザインが複雑で工事が難しく、敬遠されたとみられます。 危機感を強めた大阪府や大阪市は、中小の建設会社に受注を呼びかけていました。建設の契約に詳しい筑波大学の楠茂樹教授は、突貫工事で時間的余裕がないと追加工事が発生した時に契約書を作らず口約束になりがちで、相手が海外企業の場合は文書にない費用は払ってもらえないリスクが高くなると指摘します。 救済拒む行政と万博協会 日本政府は、海外館の工事の代金が参加国側から支払われなかった場合に備え、全額または大半を補償する万博貿易保険を設けていました。しかし、加入対象は元請けのみで、経済状況や政情不安による参加国の未払いを想定していたためです。下請け業者は対象外でした。 万博協会側は融資の相談などに乗っているものの、立て替えや無利子融資などの支援は難しいとの立場です。石毛博行事務総長は2025年10月7日の記者会見で、当事者の間で見解が違う話であり、当事者同士で話をするか別の手段でやるしかないと述べました。 >民間同士の問題だから、と切り捨てないでほしい。国家プロジェクトに協力したのに 大阪府の吉村洋文知事も民民で処理されるべき問題として救済に応じていません。被害者の会は国家プロジェクトなので信頼し、難しい工事を頑張ってきたとして、万博協会や大阪府・市に寄り添った対応を求めています。楠教授は、万博協会は短い工期や資材高騰でトラブルになりやすいという予測はできたはずで、業者側に十分注意喚起したかが問われると指摘します。 解体工事でも懸念広がる 海外パビリオンの解体工事が本格化するのはこれからです。解体業者74社でつくる大阪府解体工事業協会は2025年9月26日、万博協会に適切な業者選定や契約を求める上申書を提出しました。すでに加盟社には、口頭での契約を避けるよう注意喚起したといいます。 タイプAの42館の解体工事は、建設時と同様に参加国が実施します。作業自体は建設工事の元請けが引き続き担当するケースも多く、未払いのトラブルが発生すれば建物の解体が進まない恐れがあります。万博協会は、建物の解体後、2028年2月までに土地を返還する契約を所有者の大阪市と結んでいます。大阪市は2026年春に万博跡地の開発事業者を公募する予定で、解体の遅れは跡地の活用にも影響します。 万博協会幹部は参加国に対し、早めの業者確保と解体のスケジュールを定めたガイドラインの順守を呼びかけていくと話していますが、建設工事での未払い問題が解決していない中で、解体工事でも同様のトラブルが起きる懸念が高まっています。
「日本維新の会」大阪で定数削減&カジノ推進が問う“暮らし破壊”の構図
“暮らし壊し”の現場、なぜ? 日本維新の会の大阪・“ドロ船連立政権”構図 大阪府・大阪市を拠点とする日本維新の会(維新)が掲げる「議員定数の1割削減」や「身を切る改革」が、実際には住民の声を切り捨て、暮らしを犠牲にしてきたという批判が強まっています。維新は自民党との連立の“絶対条件”として国会議員定数削減を掲げていますが、その大阪での実績をあらためて紐解くと、改革の名のもとに「多数派支配」「民意軽視」「財源の大型開発偏重」といった構図が浮かび上がります。 維新代表の吉村洋文氏は「議員定数削減は維新の『身を切る改革』の原点。大阪で府議会の定数削減をやり、財政を立て直し、いろんな改革をやってきた」とテレビ番組で語りました。しかし大阪府議会は、定数が109人あったところから2011年に88人、さらに2023年4月の選挙から79人に削減されました。 その一方で、大阪市議会でも2023年に81議席から70議席への削減が条例で決まりました。 こうした定数削減が進むなか、維新は有権者比で約2~3割の得票しかなくても議席の6割以上を獲得するという議会支配体制を実現しています。議会定数を削ることで多数派が、より強固な支配を築く仕組みとなっているのです。 このような議会支配の下、“暮らし”を支える医療・教育・地域社会の制度が揺らぎ、逆に大型開発・カジノ・万博といった“不要不急”と批判される政策に行政資源が傾いているという疑念が出ています。 大阪府議会・大阪市議会定数削減が「民意切り捨て」に 大阪府議会定数削減の過程では、1票の格差が拡大し、選挙区が1人区へと急増しました。具体的には、2022年2月、府議会で定数を88人から79人へ9減させる案が維新・自民・公明の賛成で強行可決されました。 この削減案に対し、元々反対を唱えていた政党や市民団体は「議会のチェック機能が弱まる」「多様な民意が届けられなくなる」と警鐘を鳴らしています。 大阪市議会でも同様に、2023年6月9日、本会議で定数を81から70に削減する条例改正案が審議時間僅か22分で可決されました。反対討論では「住民の声が届かなくなる」「削減なら議員報酬を下げるべきだ」という批判が出ています。 定数削減により議員一人あたりの市民数が増大し、少数意見が議会に反映されにくくなったという指摘もあります。大阪市議会定数削減案の報道では「議員1人あたり市民3万9千人という水準になる」という内容が報じられています。 こうした動きは、民主主義の根幹である「住民による議会を通じた政策へのチェック」が弱まるという批判を招いています。維新にとって「定数削減=改革」「多数派支配=効率」というロジックが優先され、民意の反映や反対意見を組み込むプロセスが省略されているという指摘もあります。 “大型開発ファースト” 夢洲のカジノ・万博が暮らしを圧迫 維新が大阪府・市政で掲げてきたもうひとつの柱が、人工島・夢洲を舞台とした大型開発です。ここでは2025年に予定される大阪・関西万博(Expo 2025)とカジノを中核とする統合型リゾート(IR)誘致が進められています。だがその陰で、府民・市民の“暮らし”や“地域経済”が後回しにされたという批判が出ています。 報道によれば、夢洲におけるインフラ整備費などは当初の見積もりから大幅に膨らみ、3400億円だったものが7500億円へと増加しています。多くが府・市の住民負担となる可能性が指摘されています。 カジノ誘致のために大阪市が約2700億円超の公費を投じているという指摘もあります。土壌汚染・液状化対策など「夢洲特有の課題」のために、当初不要だったはずのコストがかさんでしまったという報告です。 こうした状況にもかかわらず、維新は「財政を立て直した」と自負し、自由に使える財政調整基金が過去最高の約2500億円を超える見通しという情報を提示しています。しかしその背景には、法人税・消費税による増収分だけでなく、職員削減・医療・福祉削減などを通じて住民サービスを削るという手段が含まれています。 地域の医療崩壊も指摘されており、コロナ禍で全国最悪水準の感染者・死者数を出した大阪府では、病床削減・病院統廃合が進められたことが重大な責任だと報じられています。 教育分野でも、私立高校の授業料無償化を掲げつつ、府立高校の統廃合・定員削減が進むなど、実質的には教育条件の引き下げが進んでいるという批判もあります。こうした“暮らし”を支える制度を犠牲にして、大規模開発を優先する姿が「暮らし壊し」と言われる所以です。 さらに、維新が自民党と組もうとすることで、“ドロ船政権”“ドロ船連立政権”という言葉が使われる背景には、政党献金・大企業優位の政策優先といった国民不在の政治運営があるという見方があります。カジノ・万博開発は、ゼネコンやカジノ関連企業が潤う一方で、住民には負担だけが残るという構図が浮かび上がっています。 結論として、維新が掲げる「議員定数削減」「身を切る改革」「財政立て直し」「成長戦略」は、暮らしを支えるインフラや制度を削って大型開発先行という形で実行されており、多数派を基盤にして民意の多様性を削る議会改変や、住民の負担を伴う開発政策が一気に進んでいます。これは国政レベルでいうところの「ポピュリズム外交」のように、住民の実態や長期的な地域経済を顧みずに、政策をショー化・数値化して進める手法に似ています。 大阪でのこの実態を踏まえ、国会での定数削減を甘受することは、住民の声を欠いた“多数派の暴走”を制度として全国に広げることになりかねません。国政でも議員定数削減の議論が進む中、住民の声をしっかり反映させる制度設計と、暮らしを守る政策の優先順位を見直すべき時期に来ていると言えるでしょう。
維新・吉村代表が自民との選挙区調整不要と明言、選挙は戦えばいいと地方議員に呼びかけ
日本維新の会の吉村洋文代表は2025年10月22日の記者会見で、連立政権を組む自民党との選挙区調整について、現時点では必要ないと明言しました。政策協議に臨む際、選挙区調整は対象としない旨を高市早苗首相と申し合わせたと説明し、将来どうなるかは分からないとも語りました。同日夜に開かれた地方議員らとの会合では、選挙は選挙で戦えばいいと呼びかけ、党勢拡大を最優先する姿勢を示しました。一方で地方選挙では地域事情に応じて相談するよう促しています。 選挙区調整は現時点で不要 吉村氏は記者会見で、欧州諸国の多党連立の現状を例示しながら、自民党との選挙区調整は現時点では必要ないとの認識を示しました。政策協議の段階で、選挙区調整は対象としない旨を高市首相と申し合わせていたことを明らかにしています。 ただし将来どうなるかは分からないとも語り、完全に選挙区調整の可能性を否定したわけではありません。維新は従来、野党第1党として自民党と対峙する姿勢を取ってきましたが、連立政権入りで立ち位置が大きく変わることになります。 同日夜に開かれた地方議員や国政選挙の立候補予定者との意見交換会では、吉村氏と藤田文武共同代表が連立の狙いや今後の党運営について説明しました。出席者によると、選挙は選挙で戦えばいいと呼びかけ、引き続き党勢拡大に努めるよう求めました。地方選挙では地域の事情に応じて相談するよう促したとされています。 >「連立組んだのに選挙区調整しないって、結局自民と戦う気満々じゃん。連立の意味あるの?」 >「地方選では相談って、結局ケースバイケースで自民と手を組むってことでしょ。ご都合主義すぎる」 >「選挙で戦うのは当然。維新が自民の下僕になる必要はない。独自路線を貫いてほしい」 >「連立した以上、ある程度の選挙協力は必要だと思うけど。全部対決じゃ連立の意味がないよね」 >「国政では連立、地方では対立って、有権者は混乱するよ。もっと明確な方針を示すべき」 議員定数削減の実現に全力 吉村氏は会見で、連立合意で臨時国会での法案成立を目指すとした国会議員定数削減について、野党に加え自民党内でも反対が見込まれると指摘しました。2党だけでは反対多数で否決されるとした上で、高市首相とともに突破したいと強調し、提出すればそれでいいという生半可な気持ちではやっていないと述べました。 自民党と維新の連立政権合意書には、1割を目標に衆院議員定数を削減するため、臨時国会で議員立法を提出し成立を目指すと明記されています。維新は議員定数削減を連立参加の絶対条件としており、身を切る改革の象徴的な政策として位置づけています。 しかし、議員定数削減には自民党内からも反対論が根強くあります。選挙制度改革は与野党で協議中であり、自民・維新だけで決定することへの批判も出ています。立憲民主党の逢沢一郎衆院議員は、自民・維新でいきなり決めることへの懸念をSNSで表明しています。 吉村氏は地方議員らとの会合で、抵抗もあると思うが全国で発信してほしいと呼びかけました。維新所属の地方議員に対し、議員定数削減の必要性を訴えるよう求め、国民世論を喚起する戦略を取る方針です。 連立参加に異論出ず 22日夜の意見交換会では、オンラインで全国の地方議員らと意見交換が行われました。複数の出席者によると、連立参加への異論は出なかったとされています。吉村氏と藤田氏が連立の狙いや今後の党運営について説明し、理解を求めました。 維新は10月19日の常任役員会で、自民党との政策協議や連立政権の枠組みに関し、吉村氏と藤田氏に一任することを決定していました。藤田氏は常任役員会後、記者団に慎重、反対、批判的な意見はなかったと語っており、党内では連立参加への支持が広がっていることがうかがえます。 維新は閣僚を送らない閣外協力の形で連立に参加しており、政策面での協力の実績を築いた上で閣僚を出すかどうか改めて判断する方針です。遠藤敬国対委員長が首相補佐官に起用される見通しで、自民と維新のパイプ役を担うことになります。 吉村氏は、連立政権樹立について手を取り合って国難に立ち向かい、前へ進める政治をしていきたいと述べています。選挙では独自に戦いながらも、政策面では協力するという維新の戦略が、今後の政局にどう影響するのか注目されます。 自民党との選挙区調整を避けながら党勢拡大を目指す維新の姿勢は、連立政権内での独自性を保とうとする意図が透けて見えます。しかし、国政では連立、地方では対立という使い分けが、有権者にどう受け止められるかは不透明です。議員定数削減の実現に向けた取り組みとともに、維新の今後の動向が政局の焦点となりそうです。
維新の議員定数削減と副首都構想に批判噴出、唐突な提起と大阪ありきに懸念
自民党と日本維新の会の連立によって船出した高市早苗政権では、維新が求める衆院議員定数の削減や首都機能を代替する副首都構想の実現に向けた議論が本格化する見通しです。しかしあまりに唐突な提起に与野党から慎重論が相次ぎ、大阪ありきの副首都構想には「我田引水が過ぎる」との批判が集まっています。国民の声を反映する議会の役割と、政党の思惑が入り乱れる政治改革の行方が注目されます。 議員定数削減に広がる懸念の声 「大幅削減もできないようでは、日本の未来を切り開くことは難しい」。維新の吉村洋文代表の決意に、東京都中央区の大学2年の男性は「しっかり仕事してくれる議員だけにして、税金を無駄遣いしないでほしい」と歓迎します。維新は衆院議員定数の1割削減、つまり50議席の削減を求めており、比例代表の削減を念頭に置いています。 しかし、比例代表の削減を念頭に置いた主張には強い懸念も広がっています。「少数派の声が届きにくくなる」と危惧するのは、2025年7月の参院選比例選で初当選したチームみらいの安野貴博党首です。「我々のようなスタートアップ政党が生まれることが難しくなる」と訴えます。昨年の衆院選で比例復活したれいわ新選組の多ケ谷亮副代表も「政治とカネの問題を置いたまま、あまりに唐突だ」と憤りました。 >「定数削減より政治とカネの問題を先に解決すべきだ」 >「少数政党の声が届かなくなるのは民主主義の後退だ」 >「議員を減らせば税金が節約できると単純ではない」 >「大阪府議会の削減で独裁状態になった前例がある」 >「地域の声をどう拾うかをセットで考えるべきだ」 慎重論は自民党からも出ています。選挙制度改革に携わる逢沢一郎衆議院議員は「定数減が善で増が悪という考えではなく、与野党で丁寧な議論が必要だ」と語ります。現在、衆院では各会派の代表で構成する「衆議院選挙制度に関する協議会」で議論を続けていますが、その議論を踏まえることなく、いきなり与党の合意だけで強行するのは論外だとの声もあります。 副首都構想は大阪ありきで批判 維新は副首都構想の実現も重視しています。維新の骨子案では、道府県の申し出に基づいて首相が指定し、国からの税源移譲や規制緩和、国会や省庁機能の一部移転などの特例措置があります。しかし、維新が大阪で目指す大阪都構想が前提とされており、副首都指定の要件の一つに特別区の設置が盛り込まれています。これは過去2回の住民投票で否決された大阪都構想の再実現を前提とした制度設計です。 構想に反対してきた自民大阪府連の幹部は「絶対にのめない」と反発しています。他党からも「我田引水が過ぎる」との批判が相次ぎます。立憲民主党の衆議院議員は、大阪ありきの構想に強い疑念を示しました。 副首都構想は大阪ありきでは国民の理解を得られません。すでに人口の多い大阪よりも、メリットが大きくコストパフォーマンスの良い地域は他にもたくさんあります。副首都構想の実現には4兆円から7兆5000億円の費用がかかると試算されており、消費税換算で約3パーセント分に相当する莫大な財政負担を伴います。現在の物価高は数十年に渡る自民党の失策であり、一刻の猶予も許されない減税や財政出動が求められている中、大阪への巨額投資に財源を回すことへの国民の理解は得られにくいでしょう。 地方の声をどう拾うのか 北海道の鈴木直道知事は10月17日、財政難で市議会の定数が半分になっていた夕張市長時代に触れて、「地域の声をどう拾うのかをセットで考えなければならない」と持論を展開しました。議員定数を削減すれば税金が節約できるという単純な話ではなく、地域の多様な声をいかに政治に反映させるかという民主主義の根幹に関わる問題です。 大阪維新の会は2011年に大阪府議会で単独過半数を獲得して以降、定数を109から79まで削減し、独裁状態が続いているとの指摘もあります。この間、カジノ誘致、大阪市つぶしの都構想、全国一高い国民健康保険料の押し付けなど、異次元の悪政を推進してきたとの批判があります。今後、これを国全体に推し進めようとしているのではないかとの懸念の声も上がっています。 政権交代の夢は幻に 国民民主党の与党入りや野党共闘による政権交代は、いずれも幻に終わりました。支持母体の連合側は自民との連立を容認しない立場を崩さず、連合東京の斉藤千秋会長は取材に「政権交代が実現すれば、働く人たちのための政治を作れた。千載一遇のチャンスを逃した」と悔やみました。 野党連携を図った立憲民主党東京都連の長妻昭会長も「独自色を出し、党勢拡大を考えた結果だろう。事情はわかるが、もったいない」と話しました。維新が自民党との連立に傾斜したことで、野党共闘の可能性は事実上消滅しました。 維新は連立入りの条件として議員定数削減などを持ち出しましたが、自民党との政策的隔たりを隠すための論点そらしにすぎないとの見方もあります。維新はこれまで、企業・団体献金の禁止を政治改革の柱として主張してきましたが、自民党が応じないとみるやあっさりと棚上げしました。企業・団体献金は国民のための政治ではなく企業のための政治になる恐れがあり、批判が必要です。理念よりも政権入りを優先する姿勢は、民意を置き去りにした最悪の党利党略だとの批判が出ています。 女性初の首相誕生に期待の声も 読売新聞は10月21日、首相指名選挙で高市氏が選出されたことを伝える号外約1万5000部を発行し、東京や大阪などで配布しました。東京都千代田区のJR有楽町駅前では買い物客らが次々と手に取り、東京都北区在住の女性は「女性初の首相として、日本に新しい風を吹かせてほしい」と期待を寄せました。 高市政権の船出は、維新の看板政策をめぐる与野党の激しい議論から始まりました。議員定数削減と副首都構想という2つの政策は、いずれも民主主義と財政規律に関わる重要なテーマです。丁寧な議論なく唐突に進めることへの懸念は根強く、少数与党の政権運営の前途は多難と言えるでしょう。
維新の大阪府が外国人受入に1.4億円投入、国政の総量規制主張と矛盾する二枚舌
日本維新の会の吉村洋文代表氏が知事を務める大阪府で、外国人労働者向けセミナーの開催や外国人材受入に約1億4000万円を投入する方針が明らかになりました。2025年11月28日には日本のビジネスマナーとコミュニケーションをテーマにしたセミナーを開催します。しかし維新は国政で外国人受入の総量規制を主張しており、大阪府の施策との矛盾が指摘されています。 大阪府が外国人労働者向けセミナー開催 大阪府労働相談センターは2025年11月28日、外国人労働者向けセミナー日本のビジネスマナーとコミュニケーションを開催します。株式会社YOLOJAPANと連携し、日本と出身国の文化の違いを知り、気持ちよく働くための労働法や職場でのコミュニケーションを紹介する内容です。 対象は日本で働いている外国人、これから働こうと考えている外国人、留学生その他関心のある者で、定員は会場50名、オンラインは上限なしとなっています。参加費は無料で、使用言語はやさしい日本語です。予定内容は労働法と公的保険について、職場のコミュニケーション、ミニ相談会です。 大阪府の令和7年度予算案によると、商工労働総務課では外国人材の受入促進として約1億4000万円を投入する予定です。令和7年度外国人材受入加速化支援事業として、オンラインマッチングシステムを活用した合同企業説明会や、外国人材の採用に役立つセミナーを開催します。 大阪外国人材採用支援センターは大阪府市が中小企業の人材確保の解決支援として設立されました。採用戦略アドバイザーが経営課題と採用ニーズのヒアリングを行い、在留資格などの許認可に関する相談については行政書士等が助言を行います。採用相談から適切な支援機関への取りつなぎまで外国人材の採用マッチングをワンストップでサポートしています。 >「維新は国政で外国人規制を主張してるのに、大阪では受入促進とか矛盾してる」 >「外国人労働者に税金1.4億円も使うなら、日本人の雇用対策に使うべきでは」 >「ルールを守る外国人なら問題ないと思うけど、法整備が追いついてないのが心配」 >「人手不足は深刻だから外国人材は必要。でも治安維持の仕組みもセットで整えてほしい」 >「移民難民はしっかり法律や文化を守るべき。それが排他主義だというのは間違ってる」 維新の外国人政策との矛盾 日本維新の会は2025年9月19日、外国人政策及び移民問題に関する政策提言を鈴木法務大臣氏に申し入れました。提言では日本の人口全体に占める外国人の割合に上限を設け、受入を制限する総量規制を提起しています。藤田文武共同代表氏は可能な限り低い比率で抑えることが必要だと強調しました。 提言は政府の対応を国家戦略なき移民政策と批判し、外国人政策の担当閣僚新設や外国人外国資本の土地取得規制を求めています。国籍取得審査の厳格化や帰化取り消しの制度創設も訴えました。2025年参院選の公約では違法外国人ゼロに向けた取組の加速化を掲げています。 しかし大阪府では外国人材の受入促進に約1億4000万円を投入し、積極的に外国人労働者を受け入れる施策を展開しています。国政で主張する総量規制や外国人比率の上昇抑制とは正反対の方向性です。この矛盾について明確な説明はありません。 維新は外国人政策に関する理念法を整備し、外国人総合政策庁を新設して関係各省庁と連携しながら受入の基準や制度の運用を一元的に管理するとしています。単に労働力不足を補う目的で無制限に外国人を受け入れるのではなく、国益を重視し持続可能で安全な社会を築くための管理型外国人政策へと転換すると主張しています。 法整備なき受入は治安悪化を招く 移民難民の受入には厳格な法整備が必要です。法や文化を順守しない外国人を排除することは排他主義ではなく、国家の主権と国民の安全を守るための当然の措置です。法を犯して海外に逃げられる恐れがあり、それを防ぐための制度設計が不可欠です。 大阪府の外国人材受入促進事業は、こうした法整備が不十分なまま経済合理性のみで進められています。労働力不足を補うために外国人を受け入れることは理解できますが、治安維持の仕組みや不法滞在者への対応体制が整っていなければ、社会の不安定化や国民負担の増大を招きます。 現状のように理念も制度もないまま外国人受入を拡大すれば、低賃金労働力の流入により国内労働者の賃金を押し下げる懸念もあります。劣悪な労働環境で働かせる実態は人道上の問題でもあり、日本の国際的評価にも影響します。外国人政策は国家の根幹に関わる重要課題であり、一元的戦略的に管理すべきです。 スパイ防止法の早期制定も必要です。経済安全保障の観点から、外国人による技術流出や機密情報の漏洩を防ぐ法整備が求められています。外国人受入を拡大するのであれば、それに見合った安全保障体制の強化が不可欠です。 維新は国政では外国人規制を強化する方針を打ち出しながら、大阪府では外国人材の受入促進に多額の予算を投入しています。この二枚舌とも言える姿勢は、有権者への説明責任を果たしていません。国益を重視するというなら、まず自らの矛盾を解消すべきです。
自民・維新の連立合意を徹底分析――高市早苗と吉村洋文、減税と安保の実行計画は整うのか
連立政権合意の全体像 自由民主党総裁の高市早苗氏と日本維新の会代表の吉村洋文氏が2025年10月20日に連立政権の樹立で合意しました。両党は国家観と安全保障観を共有し、内外の危機に協力して対処すると明記しました。 今回の合意は、長年の与党パートナーの離脱後に政権基盤を再構築する試みです。政策合意の実務者協議体を設け、履行を担保するとしています。 報道の集計では両党の合算議席が一定規模に達し、首相指名の見通しが開けたと伝えられています。二院運営の安定性はなお流動的ですが、臨時国会での首相指名選挙の行方に関心が集まります。 経済・物価高対策と減税の設計 合意はガソリン税の暫定税率廃止を臨時国会で成立させる方針です。電気とガスの料金補助を含む物価対策を補正予算で早急に実施し、インフレ対応型の税制へ段階的に移行すると記しました。 所得税の基礎控除見直しや給付付き税額控除の制度設計を急ぎ、租税特別措置と高額補助金は総点検して政策効果の低いものを廃止するとしました。政府効率化の専任組織の新設も盛られました。 飲食料品を二年間に限り消費税の対象外とする選択肢を視野に入れつつ、ばらまき型の給付は行わないと明示しました。私は減税優先の立場から、制度改革を軸に家計の可処分所得を増やす方向を評価します。 一方で物価高の根は長年の政策の失敗にあり、歳出改革の工程と実行体制を具体的に示す必要があります。インボイス制度の見直しや廃止に触れていない点も課題です。 > 「減税を急いでほしい、生活費が限界です」 > 「給付より仕組みを変える方が続くと思う」 > 「安全保障と情報体制の強化は避けて通れない」 > 「企業団体献金の曖昧さは早く片づけて」 > 「教育無償化は質とルールがなければ不公平だ」 憲法・安全保障とインテリジェンス 両党は憲法改正の条文起草協議を設置し、緊急事態条項の発議を視野に工程を進めるとしました。安全保障では長射程ミサイルの整備、統合作戦司令部の指揮強化、防衛生産基盤の拡充を掲げています。 情報面では国家情報局の創設や国家情報会議の設置、対外情報機関の検討など、縦割りを超えた基盤整備を打ち出しました。私はスパイ防止法の早期制定に賛成であり、透明で厳格な運用を前提に進めるべきだと考えます。 皇室では男系継承の重みを前提に、養子縁組の活用を含む安定継承策を優先案として検討します。歴史との整合性を保ちながら、現実的な制度設計に踏み込む姿勢は理解できます。 政治資金・統治・教育の課題と総括 企業団体献金の扱いは結論先送りで協議体設置にとどまりました。国民の不信を断つには、受け手規制や金額上限、第三者監督の実効性を明確にし、期間内に必ず結論を出すことが不可欠です。 衆議院議員定数の削減や選挙制度の見直し、政党法の検討も盛り込まれました。統治機構改革では副首都と多極分散の議論を進め、危機管理のバックアップ体制を急ぐとしましたが、地域選定はデータに基づく費用対効果で行うべきです。 教育では高校無償化の実施を前提に、大学の規模適正化と研究費の拡充を掲げました。私は無償化に反対の立場であり、実施するなら定員の削減と統廃合、成績基準に基づく厳格な退学ルールが必須だと指摘します。 さらにエネルギーでは安全を前提に原子力の再稼働と次世代炉の開発を加速し、メガソーラーの法的規制や海底ケーブルの強靭化、食料の施設型生産への大型投資を掲げました。資源と安全保障を横断する政策は方向として妥当です。 今回の連立合意は、減税志向と安全保障強化という二本柱を据え、人口、エネルギー、食料、通信などの課題にも目配りしています。ただし項目が多すぎ、優先順位が見えにくいことは弱点です。 第一に物価高対策と減税のスケジュール、第二に憲法と安全保障の工程表、第三に政治資金規制の結論時期を具体化して国会で示すべきです。説明責任と実行力を両輪に据え、国民生活の改善を数字で示すことが信頼回復への近道です。
飲食料品消費税2年間ゼロへ 自民・維新連立合意も実現は困難な5兆円減収
食品“消費税2年間ゼロ”案に現実味 2025年10月20日、自由民主党(自民)と日本維新の会(維新)が連立政権樹立で合意した中で、維新が掲げる「飲食料品にかかる消費税を2年間ゼロとする」案が実現の可能性を増しています。維新が今夏の参院選公約に掲げたこの政策は、物価高対策として強く打ち出されており、合意文書にも「協議を継続する」と記されました。 しかし、この案には重大な財政・実務の壁が立ちはだかっています。試算によれば、飲食料品の消費税をゼロにした場合、年間で5兆円程度の税収減になる可能性があるとされ、財政規律を重視する自民党内や財務省側からの反発は必至です。 維新の減税公約と合意文書への反映 維新は2025年6月24日に示された参院選公約案で、飲食料品の消費税率を2年間0%にすることを明記しました。その後、自民との連立合意文書においても「飲食料品の消費税減税について協議を継続する」という文言が盛り込まれ、実現に前向きな流れが生まれつつあります。 ただし、合意文書はあくまで「協議継続」であって、正式な法案提出や制度設計が明確になったわけではありません。維新としては目玉政策として掲げており、政権内ポジションを高める狙いもあると見られます。 5兆円の税収減と財務省・自民の反発 金融・経済の専門機関や財務省の内部試算では、飲食料品を消費税率0%に引き下げた場合、国と地方を合わせて年間で4.8兆円〜5兆円程度の減収になると見積もられています。税収が激減すれば、社会保障費や地方自治体の予算などへの影響が避けられません。実際、財務省幹部は「消費減税をするなら、社会保障の整備が薄くなる」と明言しています。 自民党側にも慎重論があります。これまで消費税減税は増税時の反動を思い起こさせるため、慎重姿勢を崩していません。過去、税率を上げた時期に支持率が急落したという記憶もあり、再び「税を下げて戻す」という流れに対する国民の反発も想定されます。 レジ改修・買い控え・増税と受け止められるリスク 税率をゼロにするには、レジ・会計システムの改修や流通・販売側の対応が不可欠で、早くても1年以上の準備期間が必要という指摘があります。また、減税期間終了後に税率を戻す際には「増税」と受け止められ、国民の信頼を損なう恐れがあります。税制調査会の関係者は「税制度はしっかり実行できなければ、国民の不満は大きくなる」と警鐘を鳴らしています。 加えて、実施を急ぎ過ぎると、駆け込み購入や買い控えといった消費の乱れを招き、経済にマイナスの影響を与える恐れもあります。こうした実務リスクは“減税の効果”以上に制度設計・運用面での慎重さを要求しています。 本当に優先すべきは“減税”か、それとも“減税以外の選択肢”か 減税自体は国民受けする政策ですが、私は「減税ありき」ではなく「手取りを増やす・負担を減らす現実的手段を優先すべきだと考えます。例えば、与党側も野党側も給付・補助金などで政策を打ち出してきましたが、制度の恒久化やターゲットを絞った支援の方が効果的です。 また、税収が5兆円も減れば、その分をカバーする財源を別に確保しなければ、他の政策(社会保障・教育・防衛)などが削られるリスクがあります。財政健全化を放棄してまで減税とするなら、長期的には国益に反します。私自身、減税優先の立場です(給付金は意味がない)が、この消費税ゼロ案には、財源裏付け・制度運用・公平性の観点から重大な疑問を抱きます。 さらに、減税実施後の税率戻しが「増税」として受け止められる構造を考えると、国民の信頼を損なうリスクも大きい。税率を元に戻さなければ財政が破綻するなら、最初から減税を安易に打ち出すべきでないのです。 自民と維新の連立合意によって、飲食料品の消費税を2年間ゼロにする案が実現に近づいてきました。しかし、5兆円規模の減収、財務省・自民の慎重姿勢、実務の難しさという三重の壁を前に、実現には政権の覚悟と緻密な設計が求められます。減税を打ち出すなら、国民の手取りが確実に増え、生活が改善する構造を示さなければ、単なる“人気取り”で終わる可能性があります。新政権の本気度が試される局面です。
「日本維新の会」大阪都構想3度目の機運 副首都構想絡みで党内に温度差
「日本維新の会」大阪都構想、3度目の機運と党内温度差 2025年10月20日、自由民主党(自民)と維新が連立政権樹立で正式合意した。その中で維新が強く迫っていた「副首都構想」が、実は党の看板政策である「大阪都構想」と密接に結びついている。都構想は大阪市を廃止し、複数の“特別区”に再編するもので、維新の核心テーマである。だが、既に2度の住民投票で否決されており、3度目に向けた“機運醸成”には、党内の温度差も浮き彫りになっている。 過去の挫折と維新の原点 維新の前身となる地域政党は2010年に結党され、「大阪都構想」を旗印に掲げた。この構想では、大阪府・大阪市の二重行政を解消し、府と市を統合・あるいは大阪市を廃止して特別区を設置することで、東京と肩を並べうる「都」の構造を大阪に作ろうというものだ。だが、2015年5月の住民投票でわずか1万票余の差で否決、0・76ポイント差で破れた。さらに2020年11月1日の再投票でも反対票が賛成票を上回った。 この二度の敗北によって、維新は一時「都構想は封印」と言われるほど慎重な姿勢を取っていた。だが近年、知事・代表の吉村洋文氏が「看板は下ろしていない」「改めて皆さんと考えたい」と述べ、再び都構想への舵を切り始めた。 副首都構想との関係性と今回の合意 今回の自民・維新連立合意において、維新が提示した「副首都構想」という政策がクローズアップされた。この構想では、東京一極集中の是正や災害時の首都機能バックアップを目的とし、法案の骨子に「道府県区域内で特別区設置があること」などの条件が明記された。 この「特別区」というキーワードが、都構想と重なる点だ。つまり、維新側としては副首都構想の実現を通じて、大阪都構想を再び動かすための“道筋”を確保しようとしている。関係筋によれば「副首都構想に都構想が含まれている」と指摘されている。 機運はあるが、党内に漂う慎重論 こうした動きの中で、「3度目の住民投票」に向けた機運は確かに醸成されつつあるが、維新内部には慎重な声もある。大阪府内の維新系市議によれば「今回はアプローチがこれまでと違う。住民への丁寧な説明が必要」と語る。 一方、府市一体運用が既に進んでいるという評価から「都構想を新たに問う意味があるのか」という懐疑的な見方も存在する。 この温度差が、実質的に「一枚岩」で都構想を進められるかどうかの鍵になる。特に、維新が一党で推し進めるには限界があるため、自民・公明など他党との合意形成が不可避と見られる。 実現に向けた課題とその意味 都構想が現実の改革となるためには、以下の点がクリアされる必要がある。まず、住民の理解を得るための具体的な再編案である。特別区の設置や府・市の権限整理、財源配分、議会・首長ポストの見直しなど、制度設計が曖昧なままでは再び住民投票が否決されるリスクが高い。 次に、既存の「府・市一体運用」が進んでいるとの評価がある中で、「都構想の必要性」を改めて説明できる論点が求められる。単なる名称変更・ポスト削減ではなく、改革の中身が問われている。さらに、都構想が実現した際に生じるコスト・移行期間の混乱・住民サービス低下などの懸念をどう払拭するかも重要だ。 最後に、維新が単独で進める「改革」の限界を考えれば、国政・府市・地元の各政党・団体との合意構築なしには成功は難しい。自民・維新連立が成立した今、その公算は増したが、同時に「都構想=維新の独走」ではなく「府市・連立の共同責任」として進める姿勢が問われる。 府・市の二重行政解消という観点から見れば、大都市圏において行政のスリム化は望ましい。だが、今回の事例で私が強調したいのは、「数を減らせば良い」という単純な改革論ではなく、中身の質を高められるかどうかだ。 今回、維新は自民との連立を契機に看板政策を再び前面に出しているが、もしそれが「ポスター政策」に終わるなら、むしろ政治不信を増すだけだ。民主主義における改革とは、形式ではなく実機能の変化を伴うものでなければならない。 加えて、都構想に挑むのであれば、府市民が「自分たちの暮らしが良くなる」と実感できる説明責任を維新は果たさなければならない。党内に温度差がある現状で、“一枚岩”を作るのは容易ではない。そうした観点から見ると、今回の機運は高まっているが、実現までの道のりは決して平坦ではない。 日本維新の会が掲げる大阪都構想は3度目の挑戦に向けて確かな機運を帯びてきたが、党内の温度差や具体案の未整備という壁も同時に浮上している。自民との連立という大きな舞台の変化が千載一遇のチャンスではあるが、改革の質を担保できなければ、失敗のリスクは依然として高い。住民投票を再び問うのであれば、それ以前に「府・市がなぜ、いかに変わるのか」を透明に示すことが不可欠だ。
「身を切る改革で切られるのは国民」猿田佐世氏が吉村洋文代表を痛烈批判 モーニングショー発言が波紋
「モーニングショー」猿田佐世氏、吉村洋文代表を痛烈批判 「身を切る改革で切られるのはアナタ」 番組で炸裂した“身を切る改革”批判 10月20日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、シンクタンク「新外交イニシアティブ」代表の猿田佐世氏が、日本維新の会(略称:維新)代表・吉村洋文氏の掲げる「身を切る改革」を正面から批判しました。 同氏は番組冒頭、「今日はこれだけ言いに来たんです」と語り始め、「『身を切る改革』というけれど、切られるのはアナタです!テレビを見ているアナタです!」と声を張り上げました。 > 「改革って言葉に酔ってるだけじゃないの?」 > 「身を切るって言うけど、いつも切られるのは庶民」 > 「政治家が減っても、私たちの生活は軽くならない」 > 「見せかけの改革より、ちゃんとした減税をしてほしい」 > 「議員が減れば、地方の声がもっと届かなくなる」 視聴者の反応もSNS上で急速に拡散し、共感と賛否の声が入り混じりました。特に「身を切る改革」という表現が“美談化されている”という指摘が多く、番組内でも議論が白熱しました。 民主主義の根幹を問う発言 猿田氏は、議員定数削減を「民主主義の弱体化」だと指摘し、「議員は私たちの声を国に届ける存在。数を減らすということは、その声を削ることに等しい」と主張しました。さらに、「おかしな議員がいれば選挙で落とせばいい。企業・団体献金を禁止すればいい。それが本来の政治改革だ」と述べ、「減らすこと」=「改革」ではないとの立場を明確にしました。 猿田氏は、元財務官僚で信州大学特任教授の山口真由氏の後任コメンテーターとして新加入したばかり。山口氏が9月末に番組を卒業した直後だけに、政治テーマへの切り込み方が注目されていました。今回の発言は、番組内でも「新しいタイプの論客登場」として大きな話題を呼びました。 “身を切る改革”は誰のためか 日本維新の会はこれまで「身を切る改革」を看板政策として掲げ、議員報酬削減や定数削減を進めてきました。吉村氏も連立交渉の条件として「国会議員の定数削減」を挙げています。 しかし、この方針は一見「政治家が自らを律する美しい改革」に映る一方で、実際に痛みを受けるのは地方住民や中小自治体の声を届ける機会を失う国民側であるとの批判も根強いです。地方議員数の減少が地域行政の空洞化を招くことは、既に各地で顕在化しています。 猿田氏の主張は、こうした“政治の実効性”を問うものでもあり、減税や企業献金禁止など、より本質的な改革を求める声に通じます。彼女の言葉は、政治の「見せ方」と「実質」の乖離に対する痛烈な警鐘と言えるでしょう。 筆者の視点:改革とは、民の声を増やすこと 私は、猿田氏の意見に一理あると感じます。「身を切る改革」という言葉は響きが良いものの、国民の声を削ぎ落とすような改革なら本末転倒です。 本来の政治改革とは、議員を減らすことではなく、政治資金の透明化・企業団体献金の廃止・インボイス制度の撤廃などを通じて、庶民の負担を減らし、政治への参加を広げることではないでしょうか。 政治家が減るほど、庶民の声は遠くなります。必要なのは「減らす改革」ではなく、「届ける政治」です。国民が安心して議論に参加できる環境を整え、税や支出の使い方を正しく監視できる仕組みこそ、真の“身を切る改革”です。 また、減税を優先する姿勢を明確にし、国民生活に直結する経済政策を第一に据えることが不可欠です。ポピュリズム的なスローガンで国民を惑わせる時代は、もう終わりにすべきです。 政治スローガンより、実質的な改革を 「身を切る改革」という言葉に酔う時代は終わりました。国民が求めているのは、「痛みの共有」ではなく「安心できる生活」です。政治家のパフォーマンスではなく、国民が実感できる減税と公平な制度こそが真の改革です。
副首都構想で消費税3%増?日本維新の会の大阪型構想に財源疑問
副首都構想で生じる税負担と減税との矛盾 自民党(自由民主党、略称:自民)と日本維新の会(維新)による連立政権が現実味を帯びる中、維新が掲げる「副首都構想」が再び注目を集めています。市場でも関西地盤の企業株に買われる動きがありながら、構想実施には単年度で約7.5兆円(消費税率3%分に相当)規模の財源が必要との指摘もあります。物価高・国民負担の軽減が最優先課題とされる状況下で、構想の財源と「減税優先」の矛盾が浮き彫りになっています。 構想内容と財源試算 維新が掲げる副首都構想は、東京一極集中の是正、災害時の首都機能代替、別経済圏の形成などを目的とし、具体的には国からの税源移譲や中央省庁・国会の一部移転といった特例措置を含みます。構想のコストについては、同党が明確な数字を示しておらず、過去の国会機能移転試算が4兆円から7.5兆円の範囲であると報告されています。この7.5兆円という数字は、日本の消費税率10%を前提に考えれば約3%分の税収増に相当する規模です。つまり「消費税を3%上げるか、同等の税収増を別枠で捻出する」程度の財源が最低限必要という計算です。 減税を掲げるべき政党がなぜ増税級の構想を? 物価高・生活コスト上昇が国民の痛みとなっている現状で、政権を担う政党は「減税優先・給付金ではなく減税」という民意を受け止めるべきです(参議院選で示された民意は減税が優先という見方もあります)。しかし、維新が副首都構想という巨額財源を要する政策を掲げる以上、減税を蔑ろにして財源を構想に振る舞う姿勢には矛盾が生じます。例えば、構想に伴う財源確保を消費税増税に頼るなら、減税を求める国民の意向と裏腹です。 また、構想の「関西中心・地域偏重」のカラーも問題です。副首都構想が有利になる地域と、そうでない地域に明確に分かれる可能性があり、全国民への公平感を担保できるか疑問です。全国で支持を得るには、減税を掲げるなら尚更、「全国の国民にメリットがある」ことを示す必要があります。 政策優先と費用対効果の検証が必須 構想自体は議論の価値があるものですが、現時点では「巨額財源を要する大規模構想」、かつ「減税優先という流れと真逆」という構図です。政権与党とされる自民・維新連立体制にあって、物価高対応や国民負担軽減が喫緊の課題である以上、まず優先されるべきは減税や生活支援です。副首都構想はそれらを後回しにして実行されるべきものではありません。 さらに、構想の実行に当たっては「費用対効果」「財源の明示」「全国的理解」「順位付け」という四つの検証軸が不可欠です。財源が明確でなければ、増税・借金・地方交付税の削減など国民負担につながる恐れがあります。また、政策の順位が低く、減税支援を後回しにするのであれば、減税を訴える政党としての信頼性も損なわれるでしょう。 結論:維新も自民も慎重に判断を 結論として、日本維新の会が副首都構想を掲げるのは理解できますが、「減税優先」を掲げる立場であるならば、財源の見通しが甘い構想に突っ走るのは誤りです。むしろ、今は国民負担を軽くするために、減税を実現しつつ、将来的な構想については段階的に検証していくべきです。さらに、もし構想を推進するのであれば、企業・団体献金を通じた地域利権型政治にならないよう、国のため・国民のための政治かどうかを自らに問い直すべきです。そして、構想の議論においては、減税・物価高対応を前提に据えた上で、副首都構想=選択肢の一つとして全国展開可能かどうかが検証されねばなりません。
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