2025-07-29 コメント投稿する ▼
吉村代表「連立否定」は“現時点”の条件付き 副首都構想実現へ維新は政権入りに含み
「連立は考えていない」は本音か建前か
日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)が29日、石破政権との連立を否定した。ただしその発言は「現時点で」と条件が付けられており、今後の政局次第で転換する可能性を含ませている。吉村氏は、「連立についてさまざまな意見があるのは分かるが、石破政権との連立は考えていない」と記者会見で語る一方で、「与野党問わず政策に賛同してもらえるところと協力していきたい」とも述べた。
この“現時点での否定”という表現は、政局の動きに柔軟に対応できる余地を残すものであり、維新が掲げる「副首都構想」や社会保険料引き下げなどの公約実現に向け、連立政権入りも選択肢として排除していないことを示唆している。
副首都構想へ政権参加を模索か
維新の原点である「統治機構改革」、その中核に据えるのが大阪・関西を副首都とする構想だ。吉村氏はその意義について「東京一極集中の是正」「災害時の中枢機能の代替」「関西圏の経済成長」の3点を強調しており、これを国政レベルで制度化するには与党との協力が不可欠だ。
党内では、政権参加を通じて悲願の副首都構想を一気に前進させたいという機運も高まりつつある。大阪維新の会の府議団幹事長である角谷庄一氏も「副首都構想は結党の原点」と述べ、国会議員に対して「覚悟を持って動いてもらわなあかん」と発言。橋下徹元大阪市長も連立入りを提案しており、今後の議論の加速は避けられない。
代表選実施も見送りか 党内に交代論の動きなし
30日に大阪市内で開かれた常任役員会では、代表選の実施の是非や手続きについて協議されたが、党内では吉村氏の代表交代を求める声はほとんど見られず、事実上の続投が確定的となっている。
参院選では大阪・京都選挙区と比例代表で計7議席を獲得し、改選6議席を上回る結果を残した。比例票は前回比で4割減の約437万票にとどまったものの、与党過半数割れという政局的影響力を維新が高めたことで、吉村体制への信任は保たれていると見られる。
「あらゆる選択肢を排除しない」維新の現実主義
維新のスタンスは一貫して“政策実現ファースト”だ。今回の参院選結果を受けて、維新は自らの政策を通すためには「与野党問わず協力」という現実主義路線を鮮明にしている。大阪市長で副代表の横山英幸氏も「副首都の実現という願いがかなうなら、あらゆる選択肢はあり得る」と発言。党内には「連立容認」の空気がにわかに広がってきている。
一方、世論の目は厳しい。連立に傾けば「第二自民党」との批判が高まる可能性もある。維新がこれまで築いてきた「改革野党」「是々非々」の立場をどう維持するかが問われている。
市民・有権者の声、連立に複雑な反応
SNSなどでは、維新の連立参加をめぐって市民や有権者の声が割れている。
「副首都構想はいいけど、与党入りしたら維新らしさが失われる」
「石破と連立なんて冗談じゃない。改革政党が古い体制に取り込まれるのか」
「副首都のためなら与党入りもアリ。手段を選んでる場合じゃない」
「“現時点”って言い方がいかにも含みを持たせてて不信感ある」
「大阪中心の維新が国政にどう向き合うか見極めたい」
今後の連立協議の行方と、維新の掲げる「地方主導・改革路線」の整合性が注視される。