2025-06-12 コメント: 1件 ▼
大阪で「リンゴ病」警報発令 妊婦は特に注意、感染者数が平成11年以降で初の警報基準超え
警報基準を初めて上回る 子ども中心に感染拡大
大阪府は6月12日、ウイルス性の感染症「伝染性紅斑(リンゴ病)」について、府内全域で流行警報を発令した。6月2日から8日の1週間における、定点医療機関当たりの報告患者数が2.14人となり、警報基準(2人)を初めて超えた。府によれば、この統計方法となった平成11年(1999年)以降で初の出来事であり、府内でのリンゴ病感染の広がりに警戒感が強まっている。
リンゴ病は、頬が赤く染まる特徴的な発疹が出ることからその名があるが、症状が軽いために見過ごされやすく、知らぬ間に感染が広がるリスクがある。特に子どもを中心に感染することが多く、9歳以下の児童が主な患者層とされている。
感染経路は飛沫感染や接触感染とされ、くしゃみ、せき、会話など日常の行動の中でも容易にうつる。感染初期は微熱や倦怠感といった風邪に似た症状が出るが、症状が出ない「不顕性感染」もあるため、注意が必要だ。
妊婦が感染すると流産の恐れも 吉村知事が強く注意喚起
大阪府の吉村洋文知事は同日、記者団の取材に対して「周囲に妊婦や妊娠の可能性がある方がいる場合は特に注意してほしい」と強く呼びかけた。「体調に異変があった場合は、ためらわずに医療機関に相談してほしい」とも語り、早期の対応が重要であることを強調した。
リンゴ病は基本的に子どもが感染する疾患だが、妊娠初期の女性が感染すると、胎児に重篤な影響を与えるリスクがある。特に妊娠20週未満で感染した場合、胎児水腫や流産の可能性が報告されており、注意が必要だ。医療関係者は「風邪のような症状があったら、妊婦は自己判断せず必ず医療機関を受診してほしい」としている。
感染予防には基本の徹底を 大人も油断禁物
大阪府は、リンゴ病に対する具体的な予防策として、以下の行動を推奨している。
* 石けんによるこまめな手洗い
* 咳エチケットの徹底(マスクの着用など)
* 人混みや換気の悪い場所を避ける
また、リンゴ病はウイルス感染症であり、インフルエンザのように流行の波がある。現在の拡大は、コロナ禍で感染症への集団免疫が下がった影響もあるとみられており、子どもだけでなく、大人への感染も決してゼロではない。
「リンゴ病だからと軽く考えるべきではない。特に妊婦の周囲にいる人は、家庭や職場での接触にも気を配ってほしい」と府の担当者は話す。
「知らなかった」では済まされない 広がる感染と情報の壁
感染が拡大しているにもかかわらず、リンゴ病についての情報はインフルエンザやノロウイルスなどに比べて認知度が低い。「症状が軽いから問題ない」「大人は感染しない」といった誤解も根強い。
しかし、妊婦への影響が重いという点で、他の小児感染症とは一線を画すべき感染症だ。特に保育施設や学校、医療現場、職場などでの適切な情報共有が欠かせない。自治体による迅速な情報発信と、各家庭での意識向上が急務である。
一部の医師は、「見逃されやすい病気だからこそ、家庭でも保育所でも『頬が赤くなっていないか』『熱がないか』など細かい変化に気づくことが大切」と呼びかけている。
ネット上の反応
妊婦さんの周囲にいる人、他人事じゃないから気をつけて。
「リンゴ病」って子どもの病気だと思ってたけど、妊婦に影響あるなんて知らなかった。
知らないうちに感染してるってのが一番怖い。
コロナのときほど注目されてないけど、予防は同じことが基本なんだよね。
吉村知事が早く対応したのは良かった。情報拡散していこう。