2025-11-24 コメント投稿する ▼
維新・吉村洋文代表が中医協改革で病院経営の危機打開を図る
開業医が中心の医師会の意見が強く反映される現在の仕組みでは、赤字に苦しむ中規模以上の病院の声が十分に届かないと指摘しています。 中医協の診療側委員7人のうち、日本医師会の推薦枠が3人を占めており、開業医優先の構造に変化がないと指摘されています。 自治体病院の経営状況は2023年度の10.3%の赤字から2024年度には14.5%の赤字に悪化し、危機的状況にあります。
維新・吉村代表の中医協改革発言 診療報酬決定構造の見直し求める
日本維新の会の吉村洋文代表氏がTBSのユーチューブチャンネルで、診療報酬を決定する中央社会保険医療協議会の構成員について、日本医師会関係者の交代を求める発言を行いました。開業医が中心の医師会の意見が強く反映される現在の仕組みでは、赤字に苦しむ中規模以上の病院の声が十分に届かないと指摘しています。
医師会関係者が多数を占める現状の問題点
中医協の診療側委員7人のうち、日本医師会の推薦枠が3人を占めており、開業医優先の構造に変化がないと指摘されています。吉村氏は、診療所の合同組織である医師会の意見がかなり強く反映される仕組みになっていると述べました。
現在の中医協は、支払側委員7人、診療側委員7人、公益委員6人の計20人で構成されています。診療側では、医師、歯科医師、薬剤師が代表として参加していますが、2004年の中医協汚職事件をきっかけに委員選任方法が見直された後も、病院団体の推薦枠は2人にとどまり、日本医師会の推薦枠3人が残りました。
「今の中医協のメンバー構成じゃ病院の声は届かない」
「開業医ばかりが優遇されて病院は見捨てられてる」
「医師会の既得権益を守るための組織になってる」
「病院経営の実態を分かってない人たちが診療報酬決めてる」
「このままじゃ地域の病院がどんどん潰れていく」
病院経営の厳しい現状
病院経営の状況は深刻です。2024年度診療報酬改定後、医業赤字病院は69.0%、経常赤字病院は61.2%に増加しました。特に一般病院では、診療材料費の高騰が4.4%増、人件費の高騰が4.3%増、委託費の増加が4.3%増となり、医業利益率・経常利益率の悪化が著しくなっています。
自治体病院の経営状況は2023年度の10.3%の赤字から2024年度には14.5%の赤字に悪化し、危機的状況にあります。全国自治体病院協議会の望月会長は「病院、とりわけ急性期の大病院の経営状況は危機的で、本年度には10億円を超える赤字が出る病院も出てくる」と警告しています。
自民党との連立合意で中医協改革を明記
維新は自民党との連立政権樹立に際し、病院機能強化のための中医協改革を連立政権合意書に盛り込みました。連立合意書では、医療制度改革の具体的な制度設計を2025年度中に実現し、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指すとしています。
維新が最重点政策として位置づける社会保険料の軽減は、医療保険料の軽減とほとんど同義であり、自民党との連立合意書の個別政策部分で医療制度に関する言及は実に2割を超えました。
吉村氏は、現在の中医協では中規模以上の病院の意見が反映されない構造的な問題があると強調しています。物価高や人件費上昇に対応できず、多くの病院が赤字経営に陥っている現状を踏まえ、診療報酬決定プロセスの抜本的な見直しが必要だと訴えました。この改革により、病院の経営安定化と地域医療の持続可能性を確保したいとの狙いがあります。