2025-11-21 コメント: 1件 ▼
維新に迫る「消滅リスク」、連立1カ月で過去政党と同じ道筋か吉村洋文代表の判断に注目
戦後政治史を見ると、自民党との連立を組んだ政党の多くは悲惨な結末を迎えています。 一方で、自民党と連立を組んだ後も党勢を保ったまま存続しているのは、創価学会という強固な支持基盤のある公明党だけです。 創価学会という組織的で結束力の強い支持基盤があることが、公明党が自民党との連立で埋没せずに独自性を保てている最大の理由です。
過去の連立政党は軒並み消滅・分裂の道
戦後政治史を見ると、自民党との連立を組んだ政党の多くは悲惨な結末を迎えています。1994年6月30日から1998年6月までの自社さ連立政権では、社会党が自民党と手を組みました。
社会党は理念を放棄し、支持基盤を失い、人材を流出させました。従来の「反自民」「反安保」の立場を捨てて連立に参加した社会党は、多くの支持者から裏切りとして受け取られ、党勢が大きく後退しました。
新党さきがけも大量の離党者が出た後に事実上解党となりました。さきがけは調整役以上の存在意義を持てず、自然消滅しました。同党は政治改革を旗印に登場し、調整役として動いたものの、規模が小さく役割が限られ、最終的に民主党に吸収されて消滅しました。
「維新も結局は自民党に飲み込まれるんじゃないか」
「過去の連立政党と同じ道をたどりそうで不安だ」
「是々非々と言ってたのに、与党になって変わってしまった」
「維新らしさがなくなって、ただの自民党の手下になった」
「支持してきたけど、もう普通の政党になっちゃった」
公明党だけが生き残った理由
一方で、自民党と連立を組んだ後も党勢を保ったまま存続しているのは、創価学会という強固な支持基盤のある公明党だけです。
公明党は1964年11月17日に池田大作創価学会会長(当時)の発意によって結成され、支持母体は宗教法人の創価学会です。創価学会という組織的で結束力の強い支持基盤があることが、公明党が自民党との連立で埋没せずに独自性を保てている最大の理由です。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「維新は主だった支持基盤がなく、消滅のリスクは大いにあるだろう」と指摘しています。維新には公明党のような強固な組織的支持基盤が存在しないため、連立によって独自色が薄れるリスクが高いのです。
維新の構造的弱点と分裂シナリオ
維新の源流は、2009年に大阪府議会で松井一郎氏らが自民党会派を割ってつくった会派「自民党・維新の会」です。松井氏は自民党では大阪府議団の政調会長まで務めたが、WTC府庁移転問題を機に考えの相違の理由で、2009年4月にほかの府議らとともに新会派「自由民主党・維新の会」を結成しました。
この出自が示すように、維新は元々自民党出身者が中核となって設立された政党です。国政政党としての歴史は10年余りと浅く、ベテラン議員も少ないのが実情です。
吉村洋文氏が2024年12月1日に日本維新の会の新代表に選出されました。吉村代表は「政策実現を第一に、どういう体制が最もベストか代表として考えた。それが今の形だ」と語り、党の存続にすらこだわらないという姿勢を示しています。
自民党と距離を縮めるうちに取り込まれ、党内で分裂が生じるシナリオも否定できません。経験不足のため、老練な自民党政治家に主導権を握られるリスクがあります。
支持層離れと全国政党化の困難
連立入りによる支持層離れも深刻な懸念材料です。維新は松井一郎氏ら元自民党府議が立ち上げた政党として、自民党に是々非々でものをいう政党として大阪を中心に支持を拡大してきました。
しかし連立入りによって「維新はもはや普通の政党になってしまい、目新しさはなくなった」との声も聞こえます。ある維新の地方議員は支持者から自民党と連立を組んだことへの不満を言われたといい、「政策を実現したらそれで終わりというのは無責任ではないか。消滅しないために今後一層、発信して存在感を示していく必要がある」と危機感を示しています。
また、選挙区調整の問題もあります。吉村氏は「必要ない」との認識を示していますが、自民党の候補者がすでにいる選挙区がほとんどで、新たな候補者の擁立は容易ではありません。維新の拠点である大阪以外に支持を広げる「全国政党化」へのハードルは依然として高いままです。