2025-11-12 コメント投稿する ▼
公約吉村代表が副首都構想で方針転換 特別区設置にこだわらず二重行政解消を優先
日本維新の会の吉村洋文代表(50)が2025年11月12日、副首都構想の法案を巡り、指定要件として位置付けてきた「特別区の設置」にはこだわらない考えを示しました。 自民党との政策協議では、副首都構想の実現が重要テーマとなっていますが、特別区設置にこだわり続けることで法案成立が困難になることを避けたい思惑があります。
日本維新の会の吉村洋文代表(50)が2025年11月12日、副首都構想の法案を巡り、指定要件として位置付けてきた「特別区の設置」にはこだわらない考えを示しました。従来の都構想路線から大幅に軌道修正し、より現実的なアプローチに転換したと受け取られています。
二重行政解消が最優先課題に
吉村代表は大阪府庁で記者団に対し、「二重行政を解消するのがポイント。特別区の設置が要件というよりは、二重行政が解消されている大都市圏であることが副首都を担っていく機能ためには重要」と述べました。
この発言は、これまで維新が掲げてきた「大阪都構想」と副首都構想を直結させる従来の方針からの大きな転換を意味します。維新が2025年9月にまとめた副首都法案の骨子素案では、副首都の指定について、いわゆる「都構想」につながる特別区の設置を要件としていました。
自民党との協議で浮き彫りになった相違
2025年11月11日に開催された自民党と日本維新の会による「副首都構想」実現に向けた実務者協議の初会合で、両党の温度差が明らかになりました。維新の骨子素案には特別区設置が明記されていましたが、自民党が示した素案には「特別区」設置への言及はありませんでした。
「大阪ありきの副首都構想では国民の理解を得られない。他にもメリットが大きくコスパの良い地域はたくさんある」
「二重行政解消が目的なら、わざわざ特別区を作る必要はないはずだ」
国民からはこのような指摘が相次いでおり、副首都構想は大阪ありきでは国民の理解を得られないという課題が浮き彫りになっています。すでに人口の多い大阪よりもメリットが大きくコスパの良い地域はたくさんあるのが現実です。
大阪都構想の2度の挫折が背景に
吉村代表の方針転換の背景には、大阪都構想の度重なる挫折があります。2015年と2020年の2回にわたって住民投票で否決された大阪都構想は、維新にとって「1丁目1番地」とされてきた政策でした。
2020年の住民投票では、反対69万2996票(50.63%)、賛成67万5829票(49.37%)というわずか1万7167票差で否決されました。住民投票後、当時の松井一郎市長は政界引退を表明し、維新の求心力低下が指摘されていました。
都構想で特別区を作っても、結局は住民サービスが低下するだけ。現実的な改革を進めてほしい
住民からはこのような声が上がっており、特別区設置への根強い懐疑論があることも事実です。
高市政権との連立で現実路線へ
吉村代表の今回の発言は、高市早苗首相との連立政権を維持する上で現実的な判断といえます。自民党との政策協議では、副首都構想の実現が重要テーマとなっていますが、特別区設置にこだわり続けることで法案成立が困難になることを避けたい思惑があります。
吉村代表は「首都中枢機能のバックアップエリアを日本全体で作っていくべき」として、来年の通常国会での法案成立に改めて意欲を示しました。東京一極集中の是正と首都機能のバックアップという本来の目的に立ち返り、より幅広い地域での副首都実現を目指す方向に舵を切ったといえます。
維新の政治戦略に大きな変化
この方針転換は、維新の政治戦略にとって大きな意味を持ちます。これまで大阪都構想は維新のアイデンティティそのものでしたが、2度の住民投票否決により、この路線への固執が逆に政党の成長を阻害する要因となっていました。
関西学院大学の善教将大教授は、維新が今後「都構想よりも現行の府市一体を武器にした方が、府内の組織維持と他地域への支持拡大につなげることができる」と分析しています。実際、特別区設置では大選挙区制となり維新の強みが削がれる可能性や、反維新の区長誕生リスクも指摘されていました。
維新は改革政党としてのイメージを保ちつつ、より現実的な政策を進める方向に変わってきた
政治アナリストはこのように評価しており、維新の成熟化を示す動きと受け止められています。
今後の法案協議に注目
副首都構想法案の内容は今後の与党協議で詰められていきますが、特別区設置要件の削除により、より多くの地域が副首都候補となる可能性があります。東京圏と同時被災の恐れが少ないことや、二重行政の解消といった要件を満たす地域であれば、道府県単位での指定が可能になります。
吉村代表は2025年11月7日の副首都推進本部会議でも、大阪を副首都とするため国に求める具体的方策を12月中旬までにまとめるよう指示しており、法案の与党協議に反映させる考えです。
この政策転換により、副首都構想がより現実的で国民に受け入れられやすい制度として発展していく可能性が高まったといえるでしょう。
この投稿は吉村洋文の公約「副首都構想」に関連する活動情報です。この公約は0点の得点で、公約偏差値31.4、達成率は0%と評価されています。