2025-11-11 コメント投稿する ▼
吉村洋文代表、衆院議員定数削減法案の早期提出を要求―比例削減で与党有利に懸念
日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は11日、衆議院議員の定数削減を盛り込んだ自民党との連立合意について、「ここでやらなくて、いつやるんだ」と述べ、今国会で関連法案を提出すべきだとの認識を示しました。 自民党との連立合意書では、衆院議員定数の1割削減を目標に、今国会で法案を提出し成立を目指すとされています。 吉村氏は削減の手法として、比例代表を50削減する案を提示しました。
維新・吉村代表、衆院議員定数削減法案の早期提出を要求
日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は11日、衆議院議員の定数削減を盛り込んだ自民党との連立合意について、「ここでやらなくて、いつやるんだ」と述べ、今国会で関連法案を提出すべきだとの認識を示しました。吉村氏は府庁で記者団の取材に応じ、連立合意書に明記された衆院定数の1割削減目標について強調しました。
自民党との調整と法案成立の見通し
自民党との連立合意書では、衆院議員定数の1割削減を目標に、今国会で法案を提出し成立を目指すとされています。しかし、自民党の鈴木俊一幹事長は10日の記者会見で、今国会中に詳細な制度設計を盛り込んだ法案の成立は難しいとの見解を示しています。吉村氏はこの点について「自民がやらないのであれば話が全く違う。高市早苗首相はそういうことをされないと信じている」と述べ、首相のリーダーシップに期待を寄せました。
議員定数削減の課題と批判
吉村氏は削減の手法として、比例代表を50削減する案を提示しました。一方で、現状の政局では比例代表の削減は与党に一方的有利に働く可能性が指摘されています。批判的な意見として、「身を切る改革を掲げるなら議員歳費を10%減らすべきだ」という主張もあり、定数削減のみで負担を議員以外に偏らせる手法には懸念があります。
地方代表性とのバランス
小選挙区の削減に関しては、人口の少ない地方の声が届きにくくなるという課題が浮上します。吉村氏自身も「小選挙区を減らすとなると地方の声をどう届けるのかという議論が出てくる」と述べており、定数削減は単純に数字だけで決められない複雑な問題であることを認めています。比例代表を中心に削減する案は地方の代表性に配慮した形ですが、実際には与党有利な構造を避ける工夫が求められます。
今後の展望
今国会で法案提出が実現するかどうかは、自民党内部での調整や制度設計の進展にかかっています。維新は首相への信頼を示す一方で、与党内の抵抗や地方代表性の問題、比例削減による不公平感の是正など、多くの調整課題を抱えています。吉村氏の姿勢は、議員定数削減を身を切る改革と結びつけるよりも、現実的な制度運用と国民理解の確保を意識したものといえます。