2025-11-04 コメント: 1件 ▼
維新藤田文武氏「公金還流」説明も吉村洋文代表は更迭否定「辞める問題ではない」
日本維新の会の藤田文武共同代表は2025年11月4日、国会内で記者会見し、公設第一秘書が代表を務める会社に2000万円超を支出していた問題について説明しました。 吉村洋文代表(大阪府知事)は同日、藤田氏の更迭を否定し、「辞めるとか、そういう問題ではない」と明言する一方で、今後は秘書の会社への支出を党内規で禁止する方針を示しました。
「身内への税金還流」疑惑が浮上
共産党機関紙「しんぶん赤旗日曜版」が10月29日に報じた疑惑によると、藤田氏側が2017年6月から2024年11月まで、公設第一秘書が代表を務める「株式会社リ・コネクト」(兵庫県)に「機関紙ビラ印刷費」などの名目で計約2100万円を支出していました。
このうち約1965万円が政党交付金などの公金からの支払いで、全体の94%が税金を原資とする資金でした。同社は公設第一秘書に年720万円の報酬を支払っており、「身内への税金還流」との批判が相次いでいます。
法人登記簿によると、同社の本店所在地は秘書の自宅で、目的欄に印刷業の記載がないにも関わらず印刷業務を受注していたことも判明しています。
「これは明らかに公金の私的利用では」
「維新が批判してきた政治とカネの問題そのものです」
「身を切る改革はどこに行ったのでしょうか」
「橋下さんの批判が的確だと思います」
「税金でマネーロンダリングしているようなもの」
党内からも厳しい批判
維新の創設者である橋下徹氏は自身のXで「まさに政治家による公金マネーロンダリングだ」と厳しく批判しました。さらに橋下氏は「実費分以上に利益が発生していたら政治家として完全にアウトだろう」と指摘し、「維新には外形的公正性の概念を藤田氏に教えることができる人材はいなくなったのか」と党の堕落を嘆きました。
藤田氏は当初、Xで「全て実態のある正当な取引であり、専門家にも相談の上で適法に行っている」と反論していました。しかし批判の高まりを受け、11月2日にYouTubeで「誤解や疑念を招くとの指摘を真摯に受け止め、今後一切行わない」と発注中止を表明しました。
この問題を受け、藤田氏は11月4日に記者会見を開き詳細な説明を行う予定です。
吉村代表は擁護に回る
吉村洋文代表は11月4日、大阪府庁で記者団に対し、藤田氏側から「実態のある取引だ」との報告を受けたと説明しました。共同代表続投に問題はないかと問われると、「辞めるとか、そういう問題ではない」と擁護する姿勢を鮮明にしました。
一方で吉村氏は、今後は秘書が代表を務める会社への支出を党の内規で禁止する方針も明らかにしました。この措置により、類似の問題の再発防止を図るとしています。
しかし野党からは「適法かどうかの問題ではなく、政治倫理の問題だ」との批判が続いており、高市政権の連立パートナーとして維新への風当たりが強まる可能性があります。
「身を切る改革」との矛盾
維新は「身を切る改革」を党是としながら、今回の問題で自民党との連立政権樹立と引き換えに企業・団体献金の禁止を棚上げしており、党の理念との矛盾が指摘されています。
藤田氏は維新政治塾1期生で、2019年の衆院大阪12区補欠選挙で初当選しました。2021年から幹事長を務め、2025年8月には共同代表に就任したばかりでした。保守派として知られ、「着眼大局 着手小局」を座右の銘とする政治家として注目されていました。
今回の疑惑により、維新の「改革政党」としてのイメージに大きな傷がつく形となっています。自民党との連立政権で政権運営の一翼を担う中での「政治とカネ」問題の発覚は、高市政権にとっても火種となりそうです。
共産党の田村智子委員長は「疑惑に直接答えているだろうか」と藤田氏の説明に疑問を呈しており、野党は今後も追及を続ける構えです。