2025-10-22 コメント投稿する ▼
維新の議員定数削減と副首都構想に批判噴出、唐突な提起と大阪ありきに懸念
自民党と日本維新の会の連立によって船出した高市早苗政権では、維新が求める衆院議員定数の削減や首都機能を代替する副首都構想の実現に向けた議論が本格化する見通しです。 しかしあまりに唐突な提起に与野党から慎重論が相次ぎ、大阪ありきの副首都構想には「我田引水が過ぎる」との批判が集まっています。 維新は衆院議員定数の1割削減、つまり50議席の削減を求めており、比例代表の削減を念頭に置いています。
議員定数削減に広がる懸念の声
「大幅削減もできないようでは、日本の未来を切り開くことは難しい」。維新の吉村洋文代表の決意に、東京都中央区の大学2年の男性は「しっかり仕事してくれる議員だけにして、税金を無駄遣いしないでほしい」と歓迎します。維新は衆院議員定数の1割削減、つまり50議席の削減を求めており、比例代表の削減を念頭に置いています。
しかし、比例代表の削減を念頭に置いた主張には強い懸念も広がっています。「少数派の声が届きにくくなる」と危惧するのは、2025年7月の参院選比例選で初当選したチームみらいの安野貴博党首です。「我々のようなスタートアップ政党が生まれることが難しくなる」と訴えます。昨年の衆院選で比例復活したれいわ新選組の多ケ谷亮副代表も「政治とカネの問題を置いたまま、あまりに唐突だ」と憤りました。
「定数削減より政治とカネの問題を先に解決すべきだ」
「少数政党の声が届かなくなるのは民主主義の後退だ」
「議員を減らせば税金が節約できると単純ではない」
「大阪府議会の削減で独裁状態になった前例がある」
「地域の声をどう拾うかをセットで考えるべきだ」
慎重論は自民党からも出ています。選挙制度改革に携わる逢沢一郎衆議院議員は「定数減が善で増が悪という考えではなく、与野党で丁寧な議論が必要だ」と語ります。現在、衆院では各会派の代表で構成する「衆議院選挙制度に関する協議会」で議論を続けていますが、その議論を踏まえることなく、いきなり与党の合意だけで強行するのは論外だとの声もあります。
副首都構想は大阪ありきで批判
維新は副首都構想の実現も重視しています。維新の骨子案では、道府県の申し出に基づいて首相が指定し、国からの税源移譲や規制緩和、国会や省庁機能の一部移転などの特例措置があります。しかし、維新が大阪で目指す大阪都構想が前提とされており、副首都指定の要件の一つに特別区の設置が盛り込まれています。これは過去2回の住民投票で否決された大阪都構想の再実現を前提とした制度設計です。
構想に反対してきた自民大阪府連の幹部は「絶対にのめない」と反発しています。他党からも「我田引水が過ぎる」との批判が相次ぎます。立憲民主党の衆議院議員は、大阪ありきの構想に強い疑念を示しました。
副首都構想は大阪ありきでは国民の理解を得られません。すでに人口の多い大阪よりも、メリットが大きくコストパフォーマンスの良い地域は他にもたくさんあります。副首都構想の実現には4兆円から7兆5000億円の費用がかかると試算されており、消費税換算で約3パーセント分に相当する莫大な財政負担を伴います。現在の物価高は数十年に渡る自民党の失策であり、一刻の猶予も許されない減税や財政出動が求められている中、大阪への巨額投資に財源を回すことへの国民の理解は得られにくいでしょう。
地方の声をどう拾うのか
北海道の鈴木直道知事は10月17日、財政難で市議会の定数が半分になっていた夕張市長時代に触れて、「地域の声をどう拾うのかをセットで考えなければならない」と持論を展開しました。議員定数を削減すれば税金が節約できるという単純な話ではなく、地域の多様な声をいかに政治に反映させるかという民主主義の根幹に関わる問題です。
大阪維新の会は2011年に大阪府議会で単独過半数を獲得して以降、定数を109から79まで削減し、独裁状態が続いているとの指摘もあります。この間、カジノ誘致、大阪市つぶしの都構想、全国一高い国民健康保険料の押し付けなど、異次元の悪政を推進してきたとの批判があります。今後、これを国全体に推し進めようとしているのではないかとの懸念の声も上がっています。
政権交代の夢は幻に
国民民主党の与党入りや野党共闘による政権交代は、いずれも幻に終わりました。支持母体の連合側は自民との連立を容認しない立場を崩さず、連合東京の斉藤千秋会長は取材に「政権交代が実現すれば、働く人たちのための政治を作れた。千載一遇のチャンスを逃した」と悔やみました。
野党連携を図った立憲民主党東京都連の長妻昭会長も「独自色を出し、党勢拡大を考えた結果だろう。事情はわかるが、もったいない」と話しました。維新が自民党との連立に傾斜したことで、野党共闘の可能性は事実上消滅しました。
維新は連立入りの条件として議員定数削減などを持ち出しましたが、自民党との政策的隔たりを隠すための論点そらしにすぎないとの見方もあります。維新はこれまで、企業・団体献金の禁止を政治改革の柱として主張してきましたが、自民党が応じないとみるやあっさりと棚上げしました。企業・団体献金は国民のための政治ではなく企業のための政治になる恐れがあり、批判が必要です。理念よりも政権入りを優先する姿勢は、民意を置き去りにした最悪の党利党略だとの批判が出ています。
女性初の首相誕生に期待の声も
読売新聞は10月21日、首相指名選挙で高市氏が選出されたことを伝える号外約1万5000部を発行し、東京や大阪などで配布しました。東京都千代田区のJR有楽町駅前では買い物客らが次々と手に取り、東京都北区在住の女性は「女性初の首相として、日本に新しい風を吹かせてほしい」と期待を寄せました。
高市政権の船出は、維新の看板政策をめぐる与野党の激しい議論から始まりました。議員定数削減と副首都構想という2つの政策は、いずれも民主主義と財政規律に関わる重要なテーマです。丁寧な議論なく唐突に進めることへの懸念は根強く、少数与党の政権運営の前途は多難と言えるでしょう。
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