2025-10-14 コメント投稿する ▼
維新吉村代表が野党統一に慎重姿勢 立民の政策変更機関決定求める
日本維新の会の吉村洋文代表は2025年10月14日、臨時国会の首相指名選挙で野党が投票先を一本化することについて「現状では難しい」との認識を示しました。 大阪府庁で記者団の取材に応じた吉村氏は、立憲民主党と国民民主党の基本政策の隔たりを指摘し、野党統一候補の実現には高いハードルがあるとの見方を示しました。 10月14日夕方には国民民主党、日本維新の会、立憲民主党の幹事長会談が予定されていました。
首相指名選挙をめぐっては、自民党の高市早苗総裁が誕生した一方で、公明党が連立政権から離脱を決定したことで、政局は大きく流動化しています。立憲民主党の安住淳幹事長は野党統一候補の一人として国民民主党の玉木雄一郎代表の名前を挙げており、政権交代の可能性も取り沙汰されています。
立憲に政策変更の機関決定を要求
玉木氏は「首相を務める覚悟はある」としながらも、立憲民主党に対して厳しい条件を突き付けています。国民民主党は立憲民主党に対し、安全保障やエネルギーなどの基本政策を修正し機関決定するよう求めているのです。
「立民が本気なら基本政策で折り合えるのか」
「玉木氏の要求は現実的じゃない」
「野党がまとまれないのは国民のせいじゃない」
「政策すり合わせもできないなら政権担当能力ない」
「また民主党政権の失敗を繰り返すのか」
吉村氏は10月14日の記者会見で「その状態で一本化はなかなか難しいんだろうと思う。まずは立民として機関決定をするのかどうかだ」と指摘しました。さらに「そこをどうするのかまとめてもらわないと、維新から特に要望はない」と述べ、立憲民主党の対応を注視する姿勢を示しました。
幹事長会談で立民の意見を聞く
10月14日夕方には国民民主党、日本維新の会、立憲民主党の幹事長会談が予定されていました。吉村氏はこの会談について「立民の意見を聞くことになる。立民と国民が本当にまとまるのであれば、われわれもしっかりと話を聞いていきたい」と語りました。
この発言は、維新が野党統一候補の実現に一定の関心を持ちながらも、立憲民主党と国民民主党の政策調整が進まない限り、積極的に関与しないという慎重な姿勢を示したものです。吉村氏は立憲民主党の政策変更を機関決定するかどうかを重視しており、曖昧な合意では野党統一に参加しない考えを明確にしました。
政策の隔たりが大きな壁
立憲民主党と国民民主党の間には、安全保障政策とエネルギー政策で大きな隔たりがあります。立憲民主党は安全保障関連法に憲法違反の部分があると主張し、原発ゼロ社会の実現を目指しています。一方、国民民主党は集団的自衛権の行使を容認し、原子力発電の最大限活用を掲げています。
玉木氏は2025年10月13日、自身のSNSで「玉木雄一郎、そして国民民主党は首相ポスト狙いで基本政策を曲げることは断じてない」と明言しました。さらに「安全保障政策は国民の生命や財産に直結する国の基本政策です。交渉して譲ったり譲られたりする問題ではない」と強調し、立憲民主党に政策の転換を求めました。
立憲民主党の野田佳彦代表は10月12日、玉木氏の姿勢について「あまりにも高いところから物を言い過ぎじゃないか」と苦言を呈したと報じられましたが、玉木氏はこれに対して「これは高い低いという問題ではない」と反論しました。国の基本政策について妥協する余地はないという姿勢を崩していません。
衆院の勢力図と首相指名の行方
衆院の議席数は、立憲民主党148、日本維新の会35、国民民主党27となっています。野党3党の合計は210議席です。対する与党は自民党196議席、公明党24議席でした。公明党が自民党に協力しなければ、野党3党が上回ることになります。
首相指名選挙では、投票総数の過半数を得た候補が首相に選ばれます。どの候補も過半数を得られない場合は決選投票となり、多数を得た方が勝者となります。野党が投票先を一本化できれば、自民党の高市総裁を上回る可能性があります。しかし、基本政策で大きな隔たりがある以上、野党統一候補の実現は容易ではありません。
吉村氏の発言は、野党統一の実現には立憲民主党の大胆な政策転換が不可欠であることを示しています。維新は立憲民主党と国民民主党の動向を見極めた上で、最終的な判断を下す構えです。臨時国会の召集は10月20日前後と見込まれており、首相指名選挙までの限られた時間で野党がどこまで調整を進められるかが焦点となります。