並ばない万博は幻想だった 大阪・関西万博の混雑制御に残る構造的欠陥

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公約並ばない万博は幻想だった 大阪・関西万博の混雑制御に残る構造的欠陥

ですが、実際にはゲート前や人気パビリオン前で長い列がしばしば発生し、予約制だけでは混雑を抑えきれない様相を露呈しました。 一部パビリオンでは、予約制や動線設計などで混雑をある程度抑える取り組みが見られました。 こうした声は、予約制度の“見せかけ”問題を如実に示しています。 今回の万博では、予約制度のみに頼る設計が混雑制御に対して限界を露呈しました。

「並ばない万博」の理想と現実


大阪・関西万博は「並ばない万博」を掲げ、チケット販売と来館日時予約を組み合わせた方式を導入しました。

ですが、実際にはゲート前や人気パビリオン前で長い列がしばしば発生し、予約制だけでは混雑を抑えきれない様相を露呈しました。

入場予約枠が早期に埋まり、チケットを持っていても予約できずに入場できない人が相次ぎました。予約枠の余裕がほとんどなかったことは、制度設計の甘さが如実に現れた点です。

パビリオン別対応と混雑緩和のトライ


一部パビリオンでは、予約制や動線設計などで混雑をある程度抑える取り組みが見られました。

関西パビリオン(9府県連携出展)は開幕から完全予約制を導入し、並びを最小化できたと報じられています。予約制度の効果が発揮できる例として参照されました。

また、メディアアーティストの落合陽一氏が関わる「null2(ぬるぬる)」パビリオンでは、歩きながら鑑賞する方式を一部導入し、滞留を避ける工夫を試みました。来場者が立ち止まりすぎないよう誘導する設計です。

一方、予約制を採らなかった海外パビリオンでは入場規制が行われ、来場者から「予約なしでは並べず、実質“入れない”万博だ」という皮肉も聞かれました。

SNSでの来場者の声


「予約枠が全部埋まってて、チケット買っても意味ない」
「SNSで“混まないパビリオン”情報がバズって、みんなそっちに集中して行けなかった」
「アプリ操作繋がらず、予約開始直後に画面が止まった」
「当日券を狙って朝から並んだけど、すぐ終了と言われた」
「予約しても入れるかわからないってなんなんだよ」

こうした声は、予約制度の“見せかけ”問題を如実に示しています。情報拡散が混雑を誘発し、制度設計が脆弱ならば来場者の苛立ちは当然です。

根本的構造的限界と失策


今回の万博では、予約制度のみに頼る設計が混雑制御に対して限界を露呈しました。

岡田豊・SOMPOインスティチュート・プラス上席研究員は、「『並ばない万博』にこだわるあまり、入場はできても展示を回れず帰る人を増やした」と指摘しました。

そのうえで、混雑状況に応じて料金を変動させる「ダイナミックプライシング(動的料金制)」をもっと大胆に導入すべきだったと提案しています。混雑時間帯を抑えるインセンティブ設計が不可欠だったのです。

さらに、展示施設そのものや通路、休憩スペースなどのキャパシティ増強も欠かせません。予約枠だけでコントロールを試みると、施設の物理的制約がボトルネックになります。

また、予約システムの操作性・公平性も甘く、ユーザー体験を軽視した設計が不満を呼びました。予約サイトのサーバー負荷、認証遅延、接続障害などにより、予約開始直後でサイトが落ちるケースも報告されています。

レストラン予約(パビリオン以外)も予約サイトが乱立し、利用者は複数サイトを渡り歩く必要がありました。これが混乱を増大させたとの指摘もあります。

成功事例と代替開発


混雑を抑えるだけでなく、別の楽しみ方を提示する応答型設計も一部で機能しました。

来場者向けアプリを使った例では、狙ったパビリオン予約が取れなかった来場者が近隣イベントや代替展示をアプリで探し、臨機応変に行動した事例があります。SNSで注目パビリオン情報がバズると、来場が集中する二律背反を、こうした“救済手段”が多少和らげました。

ただし、こうした成功例は一部にとどまり、全体設計に組み込まれていたわけではありません。制度設計に「余白」と「動的調整力」がなければ、救済的仕組みも焼け石に水です。

未来への教訓と設計指針


今回の万博は、予約制度による混雑制御には限界があることを浮き彫りにしました。

最適な設計は、予約制・動的料金制・施設拡張・リアルタイム誘導・利用者救済制度を統合的に設計することです。

予約枠には余裕を持たせ、キャンセル待ち・追加枠を流動的に使う制度が必要です。混雑時間に料金を上げ、閑散時間に割引を設けるインセンティブ設計を導入すべきです。展示施設や通路、待機空間のキャパ拡張や仮設展示拠点設置も不可欠です。

リアルタイム混雑情報配信、アプリや誘導スタッフによる来場時間振り分けも重要な補完策です。加えて、予約できなかった人への代替体験・優先枠・案内体制も設計段階で織り込むべきでした。

この万博は単なる展示会ではなく国際的なイベントです。来場者満足=国家・地域の印象です。制度設計の拙さは、見せかけ政策批判を招きかねません。次回以降、大型イベントを行う際には、制度を過信せず利用者視点を貫く設計が不可欠です。

並ばない万博の実現には、制度を鵜呑みにせず、柔軟性・余裕・救済機能を含めた設計構造を持たせることが必須だったと結論づけられます。

この投稿は吉村洋文の公約「2025年大阪・関西万博の成功と大阪府と大阪市の連携強化」に関連する活動情報です。この公約は9点の得点で、公約偏差値35.5達成率は3%と評価されています。

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2025-10-12 09:15:01(植村)

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