2025-10-06 コメント投稿する ▼
公約関経連・松本正義会長が万博跡地開発に「待った」 レガシー軽視とサーキット構想に疑問
大阪・関西万博の閉幕を目前に、会場跡地の再開発をめぐって経済界が異例の「待った」をかけました。 関経連としては、跡地活用において“レガシーの継承”が最優先課題であるべきとの立場を明確にしています。 松本氏は、万博の象徴である「大屋根リング」を一部保存し、跡地に万博博物館を建設する構想を提案しています。
関経連会長が万博跡地開発に「待った」 レガシー軽視への警鐘と“大阪の未来”への提言
大阪・関西万博の閉幕を目前に、会場跡地の再開発をめぐって経済界が異例の「待った」をかけました。
関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は10月6日、大阪府市が進める開発基本計画について「万博のレガシー(遺産)が十分に反映されていない」と指摘し、新たなガイドラインを設けた上で、経済界や専門家の意見を踏まえて進めるべきだと提言しました。
サーキット構想に疑問 “レガシー”はどこへ
大阪府市が今年4月に策定した基本計画では、跡地を二つの大きなエリアに分け、2026年春までに開発事業者を募集する方針を示しています。
しかし松本氏は、計画に盛り込まれたサーキット場などのモータースポーツ拠点構想に対して疑問を呈しました。
「万博とは必ずしも関係がない施設が導入例として挙げられており、パブリック・コメントでも問題点を指摘した」
関経連としては、跡地活用において“レガシーの継承”が最優先課題であるべきとの立場を明確にしています。
「万博を支えた理念や技術、交流の成果を形として残さなければ、世界に示したメッセージが薄れてしまう」
と、松本氏はインタビューで強調しました。
「大屋根リング」保存と万博博物館構想
松本氏は、万博の象徴である「大屋根リング」を一部保存し、跡地に万博博物館を建設する構想を提案しています。
「出展施設の一部などを現物として展示し、映像技術と組み合わせることで、当時の興奮を後世に伝える場にしたい」
こうした発言は、経済界が単なる観光・娯楽施設への転換ではなく、文化的・知的な継承拠点としての開発を望んでいることを示しています。
成功裏に終わる万博、しかし課題も
閉幕を1週間後に控えた万博について、松本氏は「各国とも工夫を凝らしたパビリオンを出展し、魅力的な内容となった。来場者の評価も高く、総じて成功しつつある」と評価しました。
しかし、その“成功の勢い”に乗じて安易に跡地開発を進めれば、理念なき事業として形骸化する危険があります。
“箱モノ依存”から脱却できるか
大阪では過去にも「後利用」が課題となった例が少なくありません。1990年の花博や2001年のUSJ開業後も、周辺インフラ整備の遅れや観光動線の分断が指摘されてきました。
今回の万博跡地でも、短期的な収益性に偏るあまり、持続的なまちづくりや市民参加の理念が置き去りにされる懸念が生じています。
SNS上では、
「サーキットよりも市民が集える記念公園を」
「万博の精神を忘れたら、ただのイベント跡地になる」
といった声が相次いでいます。
大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」を掲げました。跡地開発こそ、その理念を実際の街づくりとして示す最後のチャンスです。
経済界と行政の協調が鍵
松本氏の発言は、経済界が開発のスピードよりも方向性と理念の一致を重視している表れです。政治主導の拙速な計画ではなく、学識経験者、技術者、市民の知恵を結集した“総合知のまちづくり”が求められています。
大阪の未来をどう描くか。レガシーを守りながら経済と文化を両立させる道筋が、いま問われています。
この投稿は吉村洋文の公約「2025年大阪・関西万博の成功と大阪府と大阪市の連携強化」に関連する活動情報です。この公約は9点の得点で、公約偏差値35.5、達成率は3%と評価されています。