2025-10-05 コメント: 1件 ▼
大阪府警、全国初の試み 警察官が電動キックボードで公道走行し模範運転を実践
大阪府警は、電動キックボードの正しい利用を市民に周知するため、制服を着た警察官が実際に電動キックボードを使って公道を走行する取り組みを始めました。 府警交通部によると、近年、都市部を中心に電動キックボードの利用が急増しています。 府警交通課の担当者は「制服の警察官が実際に安全運転を実践する姿を見せることで、交通ルールの遵守意識を広げたい」と説明しています。
大阪府警、全国初の試み 警察官が電動キックボードで公道走行
大阪府警は、電動キックボードの正しい利用を市民に周知するため、制服を着た警察官が実際に電動キックボードを使って公道を走行する取り組みを始めました。
警察官が職務で電動キックボードを公道走行に使用するのは全国で初めてです。実施期間は12月中旬までで、大阪市中心部を管轄する天満、東、南の3警察署で交通課員が使用します。
府警交通部によると、近年、都市部を中心に電動キックボードの利用が急増しています。
しかし、歩道と車道の区別やモード切り替えなど、基本的な交通ルールが守られない事例が多く、府内では2024年8月末までに「特定小型原動機付き自転車」に関連する違反が3045件も摘発されています。
道交法改正と「特定小型原付」制度
2023年7月施行の改正道路交通法で、最高時速20キロ以下、長さ190センチ以下、幅60センチ以下など一定の条件を満たす電動キックボードが「特定小型原動機付き自転車」として新たに区分されました。
16歳以上であれば運転免許が不要となり、歩道を走行する際は最高時速6キロに制限するモードへ切り替えることが義務付けられています。
また、16歳未満の運転は禁止され、ヘルメットの着用は努力義務です。
制度の緩和によって利用しやすくなった一方で、ルールの理解不足やマナー違反が社会問題化しています。
特に、夜間の無灯火走行や逆走、歩行者への接触などが相次ぎ、安全対策の徹底が課題となっています。
「信号を無視して走る人をよく見る」
「車道の真ん中を走っていて危ない」
「便利だけどマナーが悪い人が多い」
「若い人だけでなく年配の人も乗るようになった」
「警察が見本を見せるのはいいことだと思う」
市民からは不安と期待が入り混じった声が寄せられています。府警はこの現状を踏まえ、警察官自身が正しい運転姿勢を示すことで、啓発効果を高める狙いです。
警察が「お手本」を示す意義
府警交通課の担当者は「制服の警察官が実際に安全運転を実践する姿を見せることで、交通ルールの遵守意識を広げたい」と説明しています。
電動キックボードは、大阪市西区の「長谷川工業」が無償で6台を貸与。天満、東、南署の交通課員が日常業務で使用し、交差点や繁華街などで運転マナーを周知します。
警察官が模範となって走行することで、市民に“安全運転の具体例”を示すことができる。特に若者層への影響が大きいSNS時代では、こうした取り組みが啓発活動として注目されています。府警では、走行中の警察官の姿を撮影した動画をもとに啓発教材を作成する計画もあります。
交通文化の転換点
都市のモビリティは今、大きな変化期を迎えています。電動キックボードや電動自転車の普及は、環境負荷の軽減や都市交通の効率化に寄与する一方で、新しいルールと責任を求めています。「便利さ」と「安全性」の両立を図るには、利用者一人ひとりの理解が欠かせません。
法改正はスタートに過ぎず、交通文化として定着させる段階に入ったといえます。警察官が現場で“動く教科書”となる今回の取り組みは、今後、他県警にも波及する可能性があります。府警は、交通ルールの順守と安全運転の意識改革を目指し、引き続き普及活動を進める方針です。
電動キックボードの普及と法整備のバランスを取る試みとして、今回の大阪府警の行動は全国の注目を集めています。安全と利便を両立させる都市交通の新たなモデルになるかどうか、その成果が問われます。