2025-10-04 コメント: 1件 ▼
吉村洋文代表に“勝ち馬主義”批判 小泉敗北後に高市支持へ急転、維新の信念はどこへ
この態度転換に、党内外からは「選挙が終わるたびに勝者に寄るのか」との批判が出ています。 小泉氏が優勢と見られていた時期には、「維新と改革派の連携はあり得る」と強調していました。 吉村氏が重視するとしてきた「副首都構想」は、高市氏が総務相時代に「必要ない」と発言した政策です。 政治評論家の間では、吉村氏の発言を「風向き至上主義」と呼ぶ声が出ています。
変わる発言、変わる態度
日本維新の会の吉村洋文(よしむら ひろふみ)代表が、またも立場を変えました。自民党総裁選では当初、小泉進次郎農水相に共感を示し、連携の可能性までほのめかしていました。ところが小泉氏が決選投票で敗れ、高市早苗(たかいち さなえ)氏が新総裁に選ばれると、発言の矛先は一気に転換しました。
4日、大阪市内で取材に応じた吉村氏は、「高市総裁を阪神タイガースの優勝パレードにお誘いしたい」と述べ、まるで旧来からの同志のような調子で語りました。わずか数日前まで小泉氏を「改革を進める力のある政治家」と称えていた人物とは思えない変化です。
この態度転換に、党内外からは「選挙が終わるたびに勝者に寄るのか」との批判が出ています。
“是々非々”という都合のよい言葉
吉村氏は「是々非々の立場」を掲げます。しかし、今回の発言を見る限り、その言葉は政治的便宜を覆い隠すための都合のよい標語に過ぎません。
小泉氏が優勢と見られていた時期には、「維新と改革派の連携はあり得る」と強調していました。ところが結果が出た途端、「高市氏は政策通」「副首都構想でも通じる」と語り始めたのです。
吉村氏が重視するとしてきた「副首都構想」は、高市氏が総務相時代に「必要ない」と発言した政策です。本来なら意見が最もぶつかる相手であるはずです。にもかかわらず、今は「関西出身の政治家なので根底では通じている」と軌道修正を試みています。
この“掌返し”が、維新の政治的信頼性を損なうとの指摘もあります。
勝者に寄る政治姿勢
政治評論家の間では、吉村氏の発言を「風向き至上主義」と呼ぶ声が出ています。選挙のたびに勝者の顔を見て発言を変える態度は、理念よりも権力を優先する軽さを印象づけます。
高市氏を「阪神パレードに招きたい」と発言したのも、その象徴的な例です。阪神ファンである高市氏へのリップサービスにすぎないとの見方が強く、地方政治家としての誠実さが問われます。
さらに、「連立打診があれば協議するのは当然」という発言も、距離を保ちながら影響力を維持しようとする計算が透けて見えます。
一方で、維新内部には「自民党と近づきすぎれば改革政党としての存在意義が失われる」との懸念が広がっています。
「また勝ち馬に乗るのか」
「ブレすぎて信頼できない」
「改革を語るなら筋を通すべき」
「結局は中央にすり寄るだけ」
「維新が“第2自民党”になる危険がある」
政治の信用はどこにあるのか
維新はこれまで、中央集権的な政治に抗してきた政党でした。その旗を掲げて大阪都構想、副首都構想、行政改革を訴えてきたはずです。
しかし、吉村氏の最近の言動からは「改革の志」よりも「権力との距離感の調整」が目立ちます。
高市氏が保守色を強めるなかで、維新がその“ドロ船連立政権”に近づけば、地方からの信頼を失う可能性があります。
政治は本来、信念の継続によって信頼を得るものです。勝者に擦り寄り、翌日には発言を変えるような行動は、いずれ有権者に見透かされます。
今、吉村氏が問われているのは「どの理念を貫くか」であり、「誰の隣に立つか」ではありません。表面上の柔軟さではなく、信念ある政治姿勢こそが求められています。