2025-09-30 コメント投稿する ▼
維新の副首都法案と大阪都構想 自民政権維持の道具で国民をドロ船に巻き込む危険
政令市を廃止して特別区を設ける「大阪都構想」と不可分に位置付けられ、大阪府にしか直接の恩恵がない制度を全国的に押し広げようとするものだ。 自民党の延命のために国民全体が大阪都構想という一地域の実験に巻き込まれるなら、国民は共に沈む「心中」を強いられることになる。 維新が大阪都構想に固執する一方で、他の大都市では現実的な制度を模索する動きが広がっている。
維新「副首都法案」と大阪都構想 国民に負担強いる制度設計か
日本維新の会は2025年9月30日、副首都構想法案の骨子を示した。政令市を廃止して特別区を設ける「大阪都構想」と不可分に位置付けられ、大阪府にしか直接の恩恵がない制度を全国的に押し広げようとするものだ。維新は連立入りの絶対条件に掲げ、与党に対して強硬姿勢を取るが、その実態は大阪限定の制度設計であり、日本全体の国民が巻き込まれる危険性をはらむ。
党代表の吉村洋文大阪府知事は会議で「副首都は日本の将来に不可欠だ」と語った。しかし、副首都の指定要件を「二重行政解消」に絞り込み、特別区を前提とする仕組みは大阪以外の大都市に当てはまらない。全国政党を標榜しながら、大阪中心の制度を全国に押しつける形となる。
自民党政権維持との取引材料
維新は副首都法案を掲げることで、自民党政権との取引材料を確保しようとしている。与党にとっては、支持率低下や連立維持への焦りが背景にあり、維新の要求を受け入れる余地もある。だが、この構図は「ドロ船政権」に手を貸す行為に等しい。自民党の延命のために国民全体が大阪都構想という一地域の実験に巻き込まれるなら、国民は共に沈む「心中」を強いられることになる。
「大阪以外の国民には何の得もない」
「政権維持のための道具に使うな」
「副首都構想は大阪限定の利権政策だ」
「全国民をドロ船に乗せるような話だ」
「本当に必要なのは減税や生活支援だ」
国民民主は「特別市」で対抗
一方、国民民主党は政令市を強化して道府県から独立させる「特別市」構想を打ち出した。これは横浜市や神戸市など全国の政令市が求めてきた制度で、大阪に偏らず全国的な都市制度改革を視野に入れるものである。足立康史参院議員は「大阪市を残したいという民意が示された以上、特別市も制度化されなければ不公平だ」と指摘した。
大阪市役所も「特別市法制化に反対しない」と答弁しており、横山英幸大阪市長(維新副代表)も「各都市が最適解を選べばいい」と投稿している。維新が大阪都構想に固執する一方で、他の大都市では現実的な制度を模索する動きが広がっている。
総裁選と副首都構想の危うさ
自民党総裁選でも副首都構想が争点化している。小泉進次郎農水相は吉村氏を「改革を進める政治家」と評価し、高市早苗氏は「首都機能バックアップ体制が必要」と語った。だが、政権維持を優先する自民党と、自党の看板政策実現を最優先とする維新が手を結べば、国民の意思は置き去りになる。
大阪限定の制度を国全体に広げ、国民に負担を押しつけるのであれば、それは改革ではなく利権の延命策にすぎない。ドロ船政権と手を組み、日本国民を同じ船に乗せて沈める政策を許してはならない。必要なのは大阪都構想ではなく、全国民に公平な減税と暮らしの安定である。