2025-09-30 コメント: 1件 ▼
大阪府、訪日客免税廃止を国に要望
大阪府は30日、訪日外国人観光客によるオーバーツーリズム(観光公害)対策を進めるため、国に対して財源措置を求めた。 具体的には訪日客の消費税免税制度を廃止し、国際観光旅客税(出国税)の税率を引き上げることで財源を確保し、全国的な取り組みに充てるよう要請した。 吉村洋文知事は「一地域の問題ではなく、全国的に共通する課題だ」と強調した。
大阪府、訪日客免税廃止を国に要望 観光公害対策の財源確保へ
大阪府は30日、訪日外国人観光客によるオーバーツーリズム(観光公害)対策を進めるため、国に対して財源措置を求めた。具体的には訪日客の消費税免税制度を廃止し、国際観光旅客税(出国税)の税率を引き上げることで財源を確保し、全国的な取り組みに充てるよう要請した。吉村洋文知事は「一地域の問題ではなく、全国的に共通する課題だ」と強調した。
府が模索した徴収金制度は断念
府は当初、訪日客限定の「徴収金制度」創設を検討していた。観光地で発生するごみ投棄やトイレ不足、公共交通機関の混雑といった問題に充てる狙いがあったが、府の有識者会議は8月の答申で「法的公平性や実務面に課題が多い」と指摘。現時点で新制度の創設は見送らざるを得ないと結論づけた。
このため府は独自制度ではなく、国に責任を求める方針へ転換。訪日客が免税を受けられる仕組みそのものを見直し、財源を安定的に確保すべきだと訴えている。
吉村知事「国が主体で取り組むべき」
吉村知事は会見で「海外客と地域住民が共存できる環境づくりに財源を充てる必要がある。国が主体となって制度を設計しなければならない」と語った。観光公害は京都や沖縄をはじめ全国各地で深刻化しており、府としても大阪だけでなく国全体の制度改正を後押しする構えだ。
大阪万博での府民生活への影響
府民からは、過去の大規模イベントで生活に支障をきたした経験も指摘されている。特に大阪万博の期間中には来場者が集中し、周辺道路の渋滞や公共交通の混雑で通勤・通学に支障を感じた住民の声が多く寄せられた。飲食店や物流業界からも「日常業務に影響が出た」との報告があり、観光振興と住民生活の両立が強く求められている。
今後の議論と課題
消費税免税制度は、インバウンド消費を拡大させる柱として長らく維持されてきた。しかし、旅行客の急増で地域生活との摩擦が表面化し、制度を見直す機運が広がっている。一方で免税廃止は訪日需要を冷やしかねないため、国としては経済効果と地域負担のバランスを取る難しい判断が迫られる。
「免税をやめれば観光客は減るのでは」
「出国税の値上げは公平だと思う」
「住民が困っているのだから財源は必要」
「大阪だけでなく全国の問題だ」
「国が責任を持つのは当然だ」
観光立国を掲げる日本にとって、オーバーツーリズム対策は避けて通れない。免税廃止や出国税引き上げが本格的に議論されるかどうかが、今後の焦点となる。