2025-08-01 コメント投稿する ▼
参院憲法審会長に立民・長浜博行氏 改憲論議の主導権を野党に譲った自民に保守層から不満
参院憲法審会長に立民・長浜博行氏 改憲論議の主導権、自民が野党に明け渡す
改憲慎重派が両院の会長職掌握 論議の停滞懸念強まる
8月1日、参院憲法審査会は新たな会長に立憲民主党の長浜博行前参院副議長を選出した。これにより、衆参両院の憲法審査会の会長職がいずれも憲法改正に慎重な立民所属議員によって占められることとなった。参院での改憲論議の進展は、より困難になるとの見方が政界内外で広がっている。
参院選で少数与党に転落した自民党が、事実上、会長ポストを野党に譲ったことにより、長年“党是”として掲げてきた憲法改正の機運を自ら後退させる格好となった。とりわけ保守層や改憲論者からは、「なぜ譲ったのか」と疑問と不満の声が噴出している。
「改憲を掲げるなら、なぜ会長を手放す?」
「自民は完全に腰が引けている。看板倒れもいいところ」
「また“議論するだけ”の憲法審になりそう」
「立民が会長なら進まない。保守層の票を裏切っている」
「維新や参政党が突き上げてくれないと、このまま膠着する」
改憲を求める有権者や識者の中には、自民党に対して愛想を尽かす声も出始めている。
長浜氏「公正な運営に努める」も立民の護憲色は濃く
新たに会長に就任した長浜氏は、参院副議長や官房副長官、環境相などを歴任した政界きっての穏健派で、立憲民主党の野田佳彦代表とは「同志中の同志」とされる関係。選出後の挨拶では「公正かつ円満な運営に努めていく」と述べ、中立的な立場を強調した。
産経新聞の取材にも「副議長としての経験もあり、公正中立の立場は長い。与野党ともに心配はいらないのでは」と語ったが、立民内に強い護憲派を抱える中で、どこまで踏み込んだ議論ができるかは依然として不透明だ。
党内には「そもそも今の憲法で十分に機能している」「改憲議論を急ぐべきではない」という意見が根強く、長浜氏の“中立”が実質的な「議論の封じ込め」につながる懸念もある。
「党是と逆行」自民に厳しい声 維新・参政党は突き上げ構え
駒沢大学の西修名誉教授(憲法学)は、「自民党は党是である憲法改正に奮起するどころか、逆行するような動きをしている。これでは保守層の信頼は失われる」と批判。「憲法改正実現本部」の看板すら形骸化していると厳しく断じた。
また、日本維新の会や参政党、国民民主党なども自民に対し“ぬるさ”を指摘し始めている。参院国民民主党のベテラン議員は「改憲勢力が3分の2を持っているにもかかわらず、議論が進まないのは怠慢。議論が止まれば、今度は立民に責任が向かう」と牽制。
参政党幹部も「国民の安全保障への危機感が高まっている今、緊急事態条項の議論すら進まないようでは政治不信はさらに加速する」とし、今後の参院憲法審の議事運営次第では、自民・維新・国民民主・参政党の“改憲連携”で長浜会長を突き上げる構えを見せている。
「発議までの道」はますます遠く?
現在、衆参両院ともに憲法審査会の多数派は改憲勢力が占めているが、議論の停滞は避けられない情勢だ。特に緊急事態条項や教育無償化、自衛隊の明記など国民的関心の高いテーマでも、具体的な条文案の策定には程遠い。
「会長職は単なる調整役ではない。進行を握る立場が消極的なら、それだけで全体が鈍る」との声も自民党内から上がっている。
いまや、自民が改憲に及び腰になり、立民が“守りの政治”に終始すれば、せっかく構築された3分の2体制すら無為に終わる可能性がある。責任の所在が立民に移る中、国民が注視すべきは「誰が憲法を議論から逃げているのか」である。