2025-08-22 コメント投稿する ▼
与那国町長選、田里千代基氏に注目 医師確保と介護再建で存在感
与那国町長選、田里千代基氏に注目集まる
任期満了に伴う与那国町長選は、残り3日の攻防に入り緊張感を増している。今回立候補したのは新人の田里千代基氏(67)、新人の上地常夫氏(61)、現職の糸数健一氏(72)の3人だが、なかでも田里氏の発言と政策に関心が集まっている。
医師確保問題への明確な姿勢
田里氏が最も強調しているのが、与那国診療所からの医師撤退問題だ。田里氏は「私が町長になれば『2人の医師を送る』と言われている」と述べ、具体的な人材確保の見通しを示した。地域医療の専門家も応援団に加わり、「当選後は速やかに問題を解決できる」と自信を見せる。
こうした姿勢は、単に現状を批判するだけでなく、町民にとって最も切実な課題に具体的な解決策を示している点で注目されている。街頭で話を聞いた女性は「病院がなくなるのは嫌だ。早く解決してほしい」と語り、田里氏の訴えに共感する町民の声は多い。
介護施設「月桃の里」への取り組み
田里氏は、介護施設「月桃の里」の休止問題についても、糸数町政の不手際が原因だと批判。2つの関係団体幹部から直接「役場側が信頼を損ねた」と聞いたと明らかにし、行政と関係団体の関係を再構築する必要があると訴えた。
この姿勢は「行政不信を立て直す」というメッセージとして受け止められている。介護人材の確保や高齢者福祉の充実は、町民の暮らしを守るために欠かせない政策であり、田里氏はその再建を優先課題として打ち出している。
町政批判と将来像の提示
田里氏は現職町政を「信頼を壊した」と強く批判する一方で、「診療所も介護施設も、行政と地域が協力すれば必ず解決できる」と前向きなビジョンを提示。さらに台湾との定期船航路開設についても積極姿勢を見せており、交通網整備を通じて島の経済を広げる可能性を訴えている。
こうした政策は「町民の生活を守りながら、島の未来を切り開く」という方向性を明確にしており、新人ながら存在感を高めている。
町民の声と田里氏への期待
演説を聞いた町民の声からは、現職への不満と新人への期待が交錯している。
「病院問題を放置した現職には任せられない」
「医師2人確保の話は心強い」
「行政と団体の信頼関係を取り戻せるのは田里さんでは」
「新人の公約が本当に実現できるのか注視している」
「町長が変わらなければ与那国は前に進めない」
町民が望んでいるのは「医療と介護の安心」であり、田里氏の発言はそのニーズに直結している。
与那国町長選は医師確保と介護施設の再建という二大課題をめぐり激しい舌戦となっている。そのなかで田里千代基氏は「信頼を回復し、現実的な解決策を打ち出す候補」として注目を集めている。町民の期待を背負いながら、24日の投開票に向けてさらに支持を広げられるかが焦点だ。