2025-08-28 コメント投稿する ▼
うつみ氏が「高層階病」に警鐘 流産率上昇研究を紹介し海外規制例に言及
うつみ氏が「高層階病」に警鐘
神奈川県のうつみさとる氏が、自身のSNSで「高層階病」と呼ばれる健康リスクについて発信し注目を集めている。うつみ氏は「私も5階に住んでいるので、こんなに頭がおかしいのかもしれない」と冗談交じりに切り出しつつ、「6階以上かつ33歳以上の妊婦では流産率が44%にのぼる」という研究報告を紹介。高層階に住むことの健康リスクを無視してよいのかと問題提起した。
うつみ氏は医師・三好基晴氏が発表した調査を引用。1994年に横浜市で行われた調査では、居住階数が高くなるほど流産・死産の割合が上昇する傾向が見られた。さらに2008年までの10年間の追加調査でも同様の傾向が示されており、10階以上に住む母親の流産経験率は21.4%に達していたと報告されている。
横浜市での調査が示す数値
初期調査では1~2階が6.0%、3~5階が8.8%、6階以上が20.8%。その後の大規模調査では、1~2階が8.9%、3~5階が9.2%、6~9階が17.8%、10階以上で21.4%という結果が出た。
年齢別にみると27歳以下では階数差はほとんど見られなかったが、28~32歳では10階以上で21.1%、33歳以上では6~9階で38.1%にまで上昇。うつみ氏は「健康になりたいと願う人がなぜ高層階を選ぶのか」と問いかけ、高層マンションへの過度な依存に疑問を呈した。
欧米では規制、日本は無関心
うつみ氏は投稿で海外の事例も紹介。サンフランシスコやワシントンでは高さ制限があり、フランスでは1973年に高層住宅の建設を禁止。イギリスでは「育児世帯は4階以上に住まないよう法規制がある」と述べた。
一方、日本ではタワーマンション建設が続き、健康被害の研究や規制がほとんど行われていない現状がある。利便性や資産価値ばかりが注目される一方で、リスクへの関心は薄い。
ネット上では、
「高層階に住むと流産率が上がるなんて知らなかった」
「欧米は規制、日本は放置なのは問題」
「因果関係は慎重に検証すべきだが、情報提供は必要」
「タワマン人気の裏で健康リスクがあるのは考えさせられる」
「子育て世帯には特に注意が必要だ」
といった声が寄せられている。
高層マンションと健康リスク 都市政策への課題
高層階居住と流産率の関係は一部研究で示唆されているが、医学的に十分な解明はされていない。気圧や酸素濃度、生活環境の違いなど複数の要因が関与している可能性があるものの、因果関係の特定には至っていない。
しかし欧米諸国が「予防原則」に基づき規制を設けてきたことを踏まえると、日本も都市政策や建築基準の観点から検討を始める余地がある。うつみ氏の発信は、研究結果を社会にどう伝えるか、子育て世帯にどう注意喚起を行うかという課題を浮き彫りにした。
都市の利便性と住環境の安全性をどう両立させるか。タワーマンションの急増が続く日本社会にとって避けて通れないテーマとなりつつある。
うつみ氏が高層階居住リスクに警鐘 海外では規制、日本は無関心
高層マンションの快適さや利便性の裏で健康リスクが潜む可能性を、うつみ氏の発信が改めて投げかけた。都市の未来像を考える上で、住環境と健康の関係を真剣に検証することが求められている。