2025-08-10 コメント投稿する ▼
伊東市長、メガソーラー発言を訂正も続投固執 市幹部・他市長が疑問視
伊東市長、メガソーラー発言を訂正も続投強調 市幹部や他市長から疑問の声
静岡県伊東市の田久保真紀市長が、辞職表明から一転して続投を宣言したのは7月31日。理由として挙げたのは「新図書館建設計画の中止」と「伊豆高原メガソーラー計画の白紙撤回」だった。市長はこれらを「私に与えられた使命」と位置付け、「水面下で激しく動いている」と発言していた。
しかし8月8日、市の公式サイトにて、この発言の一部訂正を公表。「水面下」という表現が市民に不安や疑念を与える恐れがあるとの指摘を政策会議で受けたとして、「周知の事実」に言い換えた。今後は進捗や事実関係を速やかに公開し、行政の透明化に努めるとした。
「結局、市長の言葉が一番市民を混乱させてる」
「訂正するくらいなら最初から正確に説明すべき」
「水面下って聞けば不安になるのは当然」
「透明化を言うなら職員との溝も埋めてほしい」
「市長続投ありきにしか見えない」
LINEでのやり取りと続投理由の食い違い
報道によれば、5月末に伊東市議がLINEで、メガソーラー計画に賛成する住民が市役所を訪れていたと伝えると、市長は「河川の許可が出ることはなくなりましたからメガソーラー関係は終わりなので。何やってるんでしょうね?」と返信していたとされる。
このため、一部報道では「計画が終わっているのに続投理由にするのは矛盾」との論調が広がった。これに対し市長は、自身のSNSで「私が市長である限り、河川占用許可は出さない」と強調。さらに「推進派が市長になれば許可が出る可能性がある」として、自身の存在が計画阻止に必要だと主張した。
市幹部・他自治体首長も異論
同8日、伊東市の高田郁雄建設部長は記者会見で、市長の発言について「水面下ではなく、周知の事実。裁判も行われており、隠していることはない」と説明。さらに「市長と職員の間に計り知れない溝がある」との認識も示した。
加えて、かつて静岡県副知事として計画に関わった難波喬司静岡市長も、市長の主張に異議を唱えた。8月5日の会見で、現在は河川占用許可が得られず橋や排水設備も設置できないため、メガソーラーの建設は不可能な状況にあると説明。「市長がいなければ止まらないということはない」と断言した。
市民の不信感と政治的思惑
田久保市長は、辞職表明からわずか10日で続投に転じたことで、市民から「政治的パフォーマンスでは」との疑念も持たれている。特に、計画の現状や阻止の可否について、市長・市職員・他自治体首長の見解が食い違っている点は、情報の透明性や市政運営の信頼性を揺るがす要因となっている。
一方、市長はあくまで「推進派が市長になれば計画は動き出す」との危機感を強調し、任期を全うする姿勢を崩していない。だが、現状の法的・行政的な制約から見て、その主張の実効性には疑問符が付いている。
伊東市のメガソーラー問題は、市政の透明性や首長の説明責任、市民への情報開示の在り方を問う象徴的な事例となりつつある。今後、裁判の行方や市長の説明次第で、市民の信頼回復が進むのか、それともさらに分断が深まるのかが注目される。