2025-07-31 コメント投稿する ▼
辞職表明から一転、伊東市長が続投宣言 学歴疑惑への説明拒み「結果で示す」と強弁
辞意を撤回し続投宣言 「公約実現」で信を取り戻す?
学歴詐称の疑いが指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長が、7月31日夜に開いた記者会見で一転して辞職を撤回し、「市民にお約束した公約を必ず実現する」と述べて続投を宣言した。涙を浮かべながら「全身全霊で結果を出す」と語ったが、疑惑の核心である「卒業証書」の提出や説明責任については踏み込まなかった。
5月の市長選では「クリーンな政治」を掲げて当選。だが、東洋大学を「卒業」と記載した経歴に疑問が持ち上がり、6月以降、除籍処分であった事実が浮上。本人も一時は辞職を表明していたが、この日の会見では「大学に改めて確認し、説明したい」と述べ、進退を曖昧にしたまま職にとどまる意向を明らかにした。
「卒業証書」は提出拒否 弁護士が捜査機関への提出に異議
田久保市長はこれまで、市議会の正副議長や市職員に「卒業証書」とされる資料を提示していたが、その原本は弁護士が保管しているという。この日も記者からの質問に対し、「地方検察庁への提出を拒否する」と弁護士が明言。本人も「捜査機関が押収することがあってはならないという考え」とし、証拠開示には否定的な姿勢を崩さなかった。
かつては「上申が済み次第、速やかに辞任したい」としていた市長が、証拠の提示もせずに「結果で信頼を取り戻したい」と繰り返す姿勢に、説明責任を求める声はさらに強まっている。
「知人の証言」に反論も、具体的説明はなく
田久保市長に対する疑惑を調査する市議会の百条委員会では、かつて市民活動を共にした「知人」が出席し、「本人から大学は卒業していないと聞いた」と証言した。これに対し市長は、「その知人に心当たりがない」「いつ、どこで、どのように話したのか証拠を見せてほしい」と反論。
ただし、市長側から明確な反証は示されず、記者からの追及に対しても「刑事告発がどうなっているか分からないので答えを控える」として回答を避けた。
「説明責任を果たしているとは思わない」と自ら認めたものの、終始かみ合わない質疑応答が続き、会見は1時間で終了した。
百条委は出席拒否せずと弁明 市民の不信は拡大
田久保市長はこれまで、百条委への出席を拒否しているとの指摘について「拒否しているわけではない」と主張。「要請書に何を証言すべきか明記されていなかったため、出席の判断ができなかった」と釈明した。
また、「今年6月28日に大学窓口で初めて除籍を知った」と強調し、「『卒業見込み』だった可能性もあるので、大学に再確認する」と述べた。
だが、市長自らの進退に関わる重大な疑惑でありながら、真相究明に消極的な姿勢が続けば、百条委や市議会との溝は深まるばかりだ。
市民からは怒りと呆れの声 「結果で返す」では通用しない
会見後、SNS上では有権者から市長の態度に対する批判が殺到した。特に辞職を撤回した上に、証拠の提出を拒む姿勢に「開き直り」と受け取る声が目立った。
「辞めるって言ったのに辞めないし、証拠は出さない。どこに信頼があるの?」
「結果で返すって、説明から逃げた人の常套句」
「弁護士が盾になってる時点でおかしい」
「本当に卒業してるなら証書出すだけで済む話」
「この人が市政を担い続けるのは、市民への裏切りだ」
伊東市民にとって、政治家が疑惑に正面から向き合わず、「説明よりも実績で評価を」と訴える姿勢は、逆に不信を深める要因となっている。
疑惑に向き合う覚悟こそが「結果」であるべき
田久保市長は、「結果でお返しする」と繰り返すが、市長の職にある以上、まず市民に対して納得できる説明を果たすことが「最初の結果」であるはずだ。公人である以上、学歴詐称という疑惑に対しては明確な証拠と説明が不可欠であり、それを怠る姿勢は公職の信用を損なう。
百条委への出席や証拠資料の開示に応じないまま「前を向く」と言い続けても、信頼の回復にはつながらない。進退を含めた今後の判断は、市政そのものの信頼性を左右する重要な分岐点となる。市民が求めているのは、言葉ではなく「説明と行動」である。