2025-07-11 コメント投稿する ▼
伊東市長・田久保氏の学歴詐称疑惑に百条委始動 卒業証書の真偽が焦点に
“チラ見せ”卒業証書に議会が異議
静岡県伊東市の田久保真紀市長が「東洋大学法学部卒業」とする経歴に対し、学歴詐称の疑いが持たれている問題で、市議会は11日、市長の事実関係を調査するための百条委員会を開会した。市が発行する「広報いとう7月号」に掲載された経歴の正当性や経緯について、初日は企画部長と秘書広報課長への証人尋問が行われた。
秘書広報課長は証言で、全国市長会から提出を求められた経歴資料を作成する際、市議会事務局が作成した過去の書類を参考にしたと説明。その書類には「東洋大学法学部」とだけ記載され、「卒業」との明記はなかったとした。これを受けて課長が田久保氏に卒業証書の提示を求めたところ、6月4日に「市長の机の上で広げられた証書を確認した」と述べた。
しかし、課長がコピーの提供を求めたところ、田久保氏からは「そこまでは必要ないのでは」と拒否されたという。この「証書」は、同様に議長らも「チラ見せ」されたものであるとされており、議会は真正性を疑問視している。
「本当に卒業してるならコピー出せば済む話」
「チラ見せって何?税金で雇われてる立場でおかしい」
「アルバムの写真って、それ証拠になるのか…」
「証書が本物なら、堂々と提出すべき」
「嘘をついてるように見えるのは本人の態度のせいだと思う」
なぜ市のホームページには学歴がないのか
市長の学歴は、なぜ公式に掲載されていないのか。百条委ではこの点にも疑問が向けられた。
市のホームページ「市長の部屋」にある略歴では、学歴欄が削除されている。これについて秘書広報課長は、「田久保市長本人から『学歴は除き、市議の経歴だけを掲載するように』という指示があった」と証言。これが意図的な削除だった可能性を示唆した。
また、同課長は、田久保氏から「卒業証書」のほか、「卒業アルバム」のサークル集合写真を見せられ、「これが私です」と説明されたとも述べている。「卒業証書」と「写真」だけを根拠にした判断だったとすれば、その根拠の薄さが問題視されるのは当然だ。
議会側はこれらの証言を受け、田久保市長に対し、18日午後4時までに卒業証書など関係書類の正式提出を求めると決定。応じなければ地方自治法に基づく罰則もあり得ることを明確に伝えた。
「弁護士と相談する」田久保市長、慎重な構え
百条委終了後、伊東市議会の中島弘道議長らが市長室を訪れ、提出を求める請求書を手渡した。その際、「正当な理由なく提出しなければ、拘禁または罰金に処される可能性がある」と明言した。
これに対し、田久保市長は報道陣の取材に「顧問弁護士と相談したうえで、今後の対応を検討する」と述べ、現時点での明言は避けた。
田久保氏は7日の会見で、辞職と出直し市長選への立候補の意向を表明。さらに、2週間以内に静岡地検に卒業証書や卒業アルバム、在籍期間証明書を上申書とともに提出する考えを示していた。これらの書類は現在、東京の弁護士事務所の金庫に保管されていると説明していたが、いまだ議会には正式な証拠提出がない。
「卒業証書」が疑惑の核心に
この問題の焦点は、「卒業」の事実があるのか、そしてその裏付けとなる公式文書の提出があるのかに尽きる。
本人が卒業を主張し、「証書を提示した」と述べる一方、議会や市職員は「正式な提出はない」と指摘。しかも公式の市広報誌には学歴が記載されたが、市のホームページには非掲載という不可解な矛盾が残る。
形式ではなく、実質として「公職者として説明責任を果たしているか」が問われている。ましてや、田久保氏は辞職を表明し、出直し選挙で再び市長の座を目指す意向を示している。有権者の信頼を取り戻すには、あいまいな態度ではなく、証拠による説明しかない。