2025-07-03 コメント投稿する ▼
伊東市・田久保市長に“除籍”判明 学歴詐称疑惑と前市長の逆襲で再選挙の可能性も
学歴詐称か?伊東市・田久保市長に“除籍”判明
市民を欺いた?卒業証書疑惑と元市長の復讐心
無所属対自公推薦の構図、再選挙で再燃か
有権者はどう選ぶ?伊東市長選に再び注目集まる
“除籍”で決着した田久保市長の学歴疑惑
「卒業していないどころか、除籍でした」――。2024年5月の伊東市長選で初当選した田久保眞紀市長(55)が、選挙からわずか1カ月あまりで進退問題に揺れている。問題の発端は、東洋大学を「卒業」と記載した市の広報誌。そして議会関係者に提示した「卒業証書」と称される書類だった。
会見で田久保市長は、「経歴を詐称したつもりは一切ない」と主張しつつも、東洋大学の窓口で確認した結果「卒業ではなく除籍だった」と認めた。除籍とは、学生本人の意思ではなく、大学側から籍を抹消された状態を指す。学業不振、学費滞納、長期欠席など、いずれかの理由が考えられる。
さらに問題を深めているのは、議会に提出された「卒業証書とみられる書類」だ。これは議長らにちらっと見せただけで詳細は伏せられ、市側もその正体を明らかにしていない。会見では記者から「それは何だったのか?卒業証書ではないなら偽造では?」と繰り返し追及されるも、市長は「当時は卒業証明になると信じていた」と繰り返すにとどまり、具体的な回答はなかった。
「卒業証書じゃなかったなら、何見せたのか説明してほしい」
「見せた書類がウソだった時点で、市民を裏切ってる」
「“公表してないから問題ない”って、通用すると思ってるのか」
「除籍で卒業って言い張るのは無理がある」
「涙ぐんでも、もう信用は戻らないよ」
会見では涙ながらに「除籍であったことをここで認める」と語った田久保市長だが、「進退については明言を避けたい」として続投の意向を示している。
「必ず取り戻す」前市長・小野氏の静かな闘志
今回の問題で、にわかに注目を集めているのが、田久保市長にわずか1782票差で敗れた小野達也前市長(62)だ。小野氏は市議から市長に転じ、8年間の市政を担った人物。退任時には「必ず取り戻す気概を持って」とリベンジを誓っていた。
小野氏の最終学歴は「焼津水産高等学校卒業」。選挙の際もそのまま公表し、地元に根ざした実務型の政治家として一定の支持を得ていた。だが、市政最大の争点となったのが、推進していた新図書館建設だった。建設費用が約42億円とされ、財政負担に対して市民の反発も根強かった。
一方、田久保市長はこの計画に真っ向から反対し、見直しや中止を訴えて市民の支持を集めた。背景には、無所属としながらも自民・公明から推薦を受けた小野氏に対し、“反既得権”として立った田久保氏が浮動票を取り込んだ構図もある。
“無所属”の裏にある保守支援、混迷深まる市政
田久保市長は市議2期目という新人に近い立場だったが、「古い政治からの脱却」を訴えた点で、多くの有権者に響いた。一方、8年にわたり保守系市政を支えた小野氏にとっては、「地元密着」と「実績」が裏目に出たともいえる。
しかし、今回の学歴問題で、田久保市長が「市民を欺いた」との批判を受けた今、小野氏が再び有利に立つ構図も見えてきた。仮に田久保市長が辞職し、再選挙が実施されることとなれば、小野氏が「信頼回復のために再び立候補する」ことも十分に考えられる。
しかも、現時点で市議会では百条委員会の設置や辞職勧告決議案が検討されており、可決の可能性も高い。市政の混乱は必至だが、田久保市長が「除籍」を認めながら辞職せずに続投すれば、より深刻な対立を生むだろう。
有権者の目が問われる次の一手
この問題は、単なる“経歴詐称”の話に留まらない。問題は、有権者の信頼を裏切ったこと、そして曖昧な説明で幕引きを図ろうとした田久保市長の姿勢そのものにある。
市民が期待した「市政改革」の旗印が、ただのイメージ操作だったのか、それとも本気で市政を変えようとする意志だったのか。判断材料はもはや“経歴”ではなく、これからの行動と説明責任にかかっている。
再び選挙が行われる可能性が高まる中、伊東市の有権者にはより一層、冷静で現実的な目線が求められるだろう。