田久保眞紀前伊東市長の自宅に家宅捜索 弁護士「卒業証書押収は許されない」主張

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田久保眞紀前伊東市長の自宅に家宅捜索 弁護士「卒業証書押収は許されない」主張

田久保氏の弁護士は2日前の12日、刑事訴訟法が定める押収拒絶権に基づき卒業証書とされる書類の差し押さえは許されないとの趣旨の文書を県警へ提出していました。 田久保前市長の弁護士は2月12日、刑事訴訟法が定める押収拒絶権に基づき卒業証書とされる書類の差し押さえは許されないとの趣旨の文書を県警へ提出したと明らかにしました。

押収拒絶権を主張も強制捜査


学歴詐称疑惑で複数の容疑について刑事告発されている静岡県伊東市の田久保眞紀前市長の自宅に2026年2月14日朝、静岡県警が家宅捜索に入りました。田久保氏の弁護士は2日前の12日、刑事訴訟法が定める押収拒絶権に基づき卒業証書とされる書類の差し押さえは許されないとの趣旨の文書を県警へ提出していました。弁護士の主張は認められず、強制捜査に踏み切られた形です。

テレビ静岡によると、静岡県警は14日朝、伊東市にある田久保前市長の自宅へ家宅捜索に入りました。田久保氏をめぐっては、2025年5月の市長選に際して虚偽の学歴を報道機関に公表させた公職選挙法違反や偽造された卒業証書を関係者に開示した偽造私文書等行使など、6つの容疑・8つの事件について警察が刑事告発を受理しています

弁護士による押収拒絶権の主張


田久保前市長の弁護士は2月12日、刑事訴訟法が定める押収拒絶権に基づき卒業証書とされる書類の差し押さえは許されないとの趣旨の文書を県警へ提出したと明らかにしました。代理人弁護士は、証拠隠滅の意図はなく、事務所で保管しているので捜査段階では渡せないと話していました。

刑事訴訟法第105条は、弁護士など一定の職業に就く者が職務上委託を受けて保管する物について、それが他人の秘密に関するものであるときは押収を拒むことができると規定しています。

田久保氏側の主張は、弁護士が依頼者から預かった卒業証書は職務上の秘密に関わる物であり、弁護士と依頼者の信頼関係を保護するため押収できないというものと見られます。代理人弁護士は、卒業証書を東京都内の法律事務所で保管していると説明してきました。

しかし、この主張には法的に大きな問題があります。押収拒絶権は弁護士と依頼者の信頼関係を保護するための制度ですが、犯罪の証拠となる物品については例外的に押収が認められるとされているためです。

押収拒絶権が認められない理由


法律実務では、押収拒絶権には明確な限界があるとされています。刑事訴訟法第105条ただし書きでは、押収拒絶権の対象となる物が犯罪の証拠である場合には、この権利は適用されないと規定されています。

今回の卒業証書は、偽造私文書等行使の容疑における犯罪の証拠そのものです。田久保氏は市議会の正副議長に対してこの卒業証書を見せており、これが偽造された文書であれば、偽造私文書等行使罪の構成要件を満たす重要な証拠物となります。

さらに、押収拒絶権は他人の秘密を保護するためのものであり、依頼者本人の犯罪行為に関する証拠物については保護の対象外とされています。卒業証書は田久保氏自身に関する文書であり、他人の秘密には該当しません。

弁護士側の証拠隠滅の意図はないという主張についても、任意提出を拒否する行為自体が証拠隠滅の可能性を高めるものと判断されたと見られます。特に、卒業証書が本当に偽造されたものであれば、破棄や改変の危険性があり、警察が強制捜査に踏み切る理由になります。

法的根拠の薄い抵抗か


法律専門家の間では、田久保氏側の押収拒絶権の主張は法的根拠が薄いとの見方が強くありました。刑事訴訟法の条文を素直に読めば、犯罪の証拠となる物品は押収拒絶権の対象外であることは明白です。

弁護士が押収拒絶権を主張した背景には、家宅捜索を遅らせる時間稼ぎの意図があった可能性も指摘されています。あるいは、押収拒絶権という専門的な法律用語を使うことで、警察を牽制する狙いがあったのかもしれません。

しかし静岡県警は、弁護士の主張を退け、任意提出拒否からわずか2日後の14日朝、強制捜査に踏み切りました。裁判所から捜索差押許可状を取得しての家宅捜索であり、押収拒絶権の主張は法的に認められなかったことになります。

今回の経緯は、刑事手続きにおいて弁護士の権限にも限界があることを示す事例となりました。

学歴詐称問題の経緯


田久保氏は2025年5月の伊東市長選で初当選しましたが、就任直後の6月上旬、市の広報誌に東洋大学法学部卒業と記載していたものの、実際には除籍だったことが発覚しました。

田久保氏は当初、卒業の証拠として卒業証書なる資料を市議会の正副議長に見せていました。しかし市議会の百条委員会は調査の結果、東洋大学から提出された記録などをもとに、田久保氏が東洋大学を卒業しておらず、正規の卒業証書が授与された事実はないと結論付けました。

市議会議長らは、偽の卒業証書を見せたとして偽造有印私文書行使容疑の告発状を2025年9月9日に提出しました。告発状では、正規の卒業証書と比較すると明らかにレイアウトが異なり、学部名や学長名、印影などの構成要素が不一致などと指摘しています。

市議会は2025年9月1日、田久保氏に対する不信任決議を全会一致で可決しました。これに対し田久保氏は議会を解散しましたが、10月19日投開票の出直し市議選では田久保氏を支持しない議員が19人当選しました。

10月31日の臨時市議会で再び不信任決議が可決され、田久保氏は失職しました。12月14日投開票の市長選では、田久保氏は再選を目指しましたが、元市議の杉本憲也氏に大差で敗れました。

今後の捜査の行方


警察はこれまで市議会の関係者などへの聴取を進めるとともに、2026年1月29日には田久保前市長本人への任意聴取を行いました。代理人弁護士によると、田久保氏はいずれの事件についても犯罪の成立を否認しています。

今回の家宅捜索により、警察は卒業証書なる資料を含む証拠品の押収を目指すものと見られます。ただし、弁護士が東京都内の法律事務所で保管していると説明していた卒業証書が、実際に自宅から発見されたかどうかは明らかになっていません。

田久保氏をめぐっては、公職選挙法違反、偽造私文書等行使、地方自治法違反など複数の容疑で告発が受理されています。今後、警察が押収した証拠品を分析し、田久保氏を再び任意聴取するか、あるいは逮捕に踏み切るかが注目されます。

田久保氏の学歴詐称問題は、2025年5月の市長選から約9か月にわたり伊東市政を混乱させてきました。議会解散や市長の失職、出直し市長選など、異例の事態が続きました。今回の家宅捜索により、事件は刑事責任の追及という新たな局面を迎えることになります。

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2026-02-14 12:24:22(藤田)

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