2025-09-01 コメント投稿する ▼
伊東市長に全会一致で不信任可決 市長の説明責任と記者の姿勢も問われる
伊東市長に不信任決議 記者団が殺到し進退問う
静岡県伊東市の田久保真紀市長をめぐり、学歴詐称疑惑を背景に1日の市議会本会議で不信任決議案が全会一致で可決された。これにより田久保氏は、10日以内に議会解散か自身の失職かを選ばざるを得ない状況に追い込まれた。閉会後、議場を出ようとする市長に記者団が殺到し、進退を迫る一幕が全国に報じられた。
「もう辞めるしかないのでは」
「市民を裏切った責任は重い」
「説明責任を果たしていない」
「記者団の詰め寄りも当然だ」
「笑い声が出るあたり緊張感が薄れている」
記者団との緊迫したやり取り
午前11時40分過ぎ、中島弘道議長が不信任可決を宣言し、散会を告げた。全議員が起立賛成する異例の展開に議場は一気に緊張感に包まれた。田久保氏は筆記具を片付け、議場を後にしようとしたが、外で待ち構えていた記者団が一斉に詰め寄った。
「進退は」「辞職か解散か」と問いかける記者の声に、市長は「受け止めた」「これ以上のコメントはできない」と繰り返すばかりだった。「通路はあけてください」と訴える市長に対し、「あけたら答えるんですか」と返す記者の詰問調の声が響き、異様な空気に包まれた。
市長の対応と説明責任
市長は「現時点でこれ以上コメントできない」「議決を持ち帰り中身を検討したい」と述べたが、記者団は「説明責任を果たせ」「市民に説明しろ」と追及をやめなかった。最終的に市長は議場に戻り再び出てきたが、質問には応じず、職員の「報道はここまで」の声で廊下の奥へと姿を消した。
去り際に「まだ市民の方がいらっしゃいます」と語ったが、肝心の市民への説明は行われず、記者団の苛立ちは強まった。議場外に響いた記者の笑い声は、緊迫の中にも不協和音を感じさせた。
田久保市長と記者団 双方に問われる姿勢
今回の場面で浮かび上がったのは、市長側の説明責任の不足とともに、記者団の取材姿勢への疑問でもある。確かに田久保氏が市民への説明を避けたことは重大だが、一方で記者が通路を塞ぎ、執拗に詰問する姿勢は、報道機関としての節度を欠いた印象を残した。最後に笑い声が響いたことも、市民からは「真剣さが伝わらない」との批判を招いている。
報道は権力を監視する役割を持つが、その手法が市民の理解や共感を得られなければ、本来の使命を果たせない。市長が説明を尽くす責任を負うのと同様、記者側にも公正かつ冷静な取材態度が求められる。
伊東市長不信任可決で問われる説明責任と報道姿勢
今回の不信任決議は、市政運営への信頼が大きく揺らいだことを示す。市長が議会解散を選べば再び選挙で民意を問うことになるが、辞職すれば市長不在の中で新たな選挙に直面する。いずれにしても混乱は避けられない。
同時に、取材の現場で見られた記者の振る舞いも、市民の目にさらされている。政治家と報道、双方に自覚と責任ある姿勢が求められる局面だ。田久保氏の決断と、市民に向き合う誠実さ、そして報道のあり方が今後の焦点となる。